第6話
その実装は時空を超え未来からやってきた。
歪んだ過去を正すため。
「実装デビル」の影響は
今や未来世界を崩壊に導き、
「可能性に溢れた未来」が急速に収縮を始めたのだ。
地球時間にして5日後には実装のみの世界が生まれ、
すべての世界が崩壊する…
降り立った勇者の名前は「未来石」
時空局の事務員。
ひょんな事から任務を任された。
今、地球の大気と強化服の装甲が化学反応を起し
チリチリと音を発てている。
『こんな過酷な環境で生命が活動しているなんて…
とにかく実装レーダーの反応が5つ、これを追うしかないデスゥ』
数奇な運命が未来石を待ち受ける。
補足
・未来石
「みらいせき」と読む。
・時空局
時間と空間が正常に進行しているか監視している機関。
崩壊した地球から逃れた
わずかな人類と実装石の生き残りが
宇宙空間で細々と生きる未来の世界である 。
技術レベルは
同時進行している両隣りの世界
(これについては下段で述べる)
とは通信する程度の交流が可能としている。
そこで得た情報から時空局は過去世界の状況が
この未来世界にまで深刻な影響及ぼし、
全宇宙の消滅を招いている事を察知、
しかし、打開策を起てる事が出来ず一般公募する事に。
事務職に居た未来石が暇潰しに書いた企画書が
たまたま幹部の眼に止まり本人の知らぬ間に
正式な案として通り、いよいよパイロットの選定の段階で
候補者が不在に。
結果的に企画の意図を理解している未来石が
喚ばれ強制合格となった。
解りにくいが絵の片隅でその辺を描写している。
送り出す人々などからその期待の大きさがわかる。
・強化服
デザインの上でイメージしたのは
「宇宙の戦士(小説)」の挿し絵の強化服
「機動戦士ガンダム」のMS
「装甲騎兵ボトムズ」のAT
「銀河漂流バイファム」のRV
パーツがまんま じゃないか、といった感じ。
それに実装石テイストを加味したのが
「実装強化服」
機能や性能については劇中や
設定資料でで述べているので省略。
6話ではピッタリしたスーツだが
話数が進むに連れて表現が変化しているので
注目してもらいたい所だ。
・未来世界の崩壊 収縮
平行世界とは解りにくい話だ。
素人ながら説明すると
この世界は単一の時間軸だけが進む世界では無い。
ハードSF作家のJ・P・ホーガンやグレッグ・イーガンから
言葉をかりよう。
運動会のリレー競争を思い浮かべて欲しい
6つのレーンがあり6人のボクがそれぞれ居る。
すべてのレーンには仕切り板があり
お互いの姿は見えないし、レーン同士の行き来はできない。
6人同時にスタート。
ゴール。
1位のボク 2位のボクetc… 故障してリタイアしたボク
スタートせず棄権したボク。
それぞれ異なった6つの結果の未来が出来た。
でも6人はお互いの結果を知らずにこのまま
それぞれの宇宙(レーン)の中で生活を続けて行くと。
これで「平行世界」の説明おわり。
で、劇中ではこのレーンを行き来できる存在が居て
そのレーンを消滅させ、過去を失った未来が
消滅ないし隣のレーンと融合したりと混乱が起きているわけである。
本来有るべきレーン、未来が消え無限に広がる可能性は閉塞してゆく、
未来石はその存在を倒すために過去へと旅立って行くのだ。
平行世界について最近のSF映画でいえば
ジェット・リー主演の「サ・ワン」が分りやすい。