第14

実装涙達が実装城の防衛ラインに踏み込んだ時、
その闇はやってきた。
襲い来る幾つもの鋭い刃によって
仲間は散り散りになってしまった。

『事前に集結場所を決めておいて正解だったな』

実装涙がホッと一息ついた刹那、再び闇が襲う。
姿を表したその闇、生物とは言い難い無機質なボディ。
その隙間から鳴る風音は廃虚と相まって哀し気であった

「我名は実装絶。貴様が枯れた涙を顔に刻むとあらば
 我のコレは殺した畜生の血なり」

『私は実装涙。君が仲間になってくれたら有り難いが』

「笑止…貴様は俺の影。光りに喰われる屑虫よ。
 だが時空石の寛大な指事により今は生かす」

『…実装城に来いという事か。しかし何故だ!』

「下らん説教をしたくばヤツとするんだな。兄弟ぃ…」
 
そう言い捨てると実装絶は闇と共に消え失せた。

『私は…そう、先ず仲間を捜さねば…』

実装涙の行く廃虚には実装デビルの狂気で溢れていた…

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補足

・実装絶
「じっそう ぜつ」と読む。

・防衛ライン
何時の間にやら実装城のある都市まで来ていたと。
「防衛ライン」とは城を守るための兵隊を一定の距離に
配置して、第1ライン、第2ラインと段階別に侵入者
に対して策を講じるための地図上の目印である。
実際にラインが引いてあるわけでは無い。

・事前に 集結場所
これは闇雲に侵入したのでなく計画的に実装城
を目指した事である。
おそらくこういった集結場所を実装空などに
下調べをさせていたのだろう。

・畜生
通常は犬などの獣、家畜を指し、人に対しては相手を
卑下する言葉。
例「こんチクショーめ!」
ここでは人類に対して使われている。