第17

実装涙は実装城を目指し裏通りをひた走った。
その間にも幾度となく実装絶が現れ、
涙に問答を仕掛けて来るのであった。

『お前の仲間は死んだよぅ…酷ぇ死に様さぁ…』

「黙れ!」

『仲間を犠牲にしてまで人間達を守るっていうがぁ
 お前ぇさん、
 彼奴らにそれだけの価値があるのか
 疑問に思った事は、ねいのかい…』

「黙れ!」

『わかってぇ居るハズだ。手前の居場所が何処か…』

「私の居場所…それは家族!人間達と共に暮らす事だ!!」

『愚か者ぅが…手前は視たハズだぜぇ人間の醜い本性を』

「それでも私はー…家族を守る!」

『ならば、死ぬぇい!』

勝負は一瞬。

実装絶の大鎌は空を斬り
実装涙の拳は実装絶の鋼の体を貫き鉄の心臓を砕いた。

『見事…だが地獄の手土産にこの腕貰い受けるぜぃ…』

「ならば私の心の揺らぎ、その腕と共に切り捨てよう」

『…ふん…兄弟ぃ、代わりに
 俺様の実装魂(力の源)をくれてやる。  
 そのぅ片腕に、なってやるぜぃ…  
 何、お前さんの死に様に興味が出て来ただけさぁ…』
 
「確かに貰い受けた…。実装絶よ我と共に!」

実装絶の体は朽ち、同時に涙の右腕には鋼の腕が現れ、
また1つ、実装涙に「哀しみ」という闘志が宿る。

18話へ

補足
・問答
実装絶は説得するために実装涙に
付きまとったのでなく
「なぜ実装が人間に味方するのか」
といった疑問や
個人的な興味などがあったと想われる。
相手をカラカイながら倒すのが趣味の様だ。

・お前の仲間は死んだ
全体の話と時間軸は若干ズレがある。
この話は15話と16話との中間シーンに当る。

・実装魂
実装魂とは
実装石が生来から持っている「特殊能力」の事であり、
命の魂の事では無い。
受け渡しも出来るようだが
本人間の信頼が無ければ体に馴染まない様だ。
実装絶はどうした事か「義手」になっている。
実装魂は物質にもなるらしい。