第18

 実装飯は摩天楼の片隅で遥か地平を視て居た。

『焼き飯屋の主人、アノヤロー今頃どうしているデスか…
 砂漠の岩影に居たアノ3兄弟…生きてるデスか……
 チキショーめ、左眼がイカれちまったデス』

霞む視界に、綺麗な山々が、
湖が見えた。
スラムで育った実装飯が憧れた看板広告の別天地。

『今考えればスラムが一番だったデス…
 旨い焼き飯…もう一度…』

実装涙は広場に到着しその凄惨な光景に愕然とした。
「精強時空石親衛隊」の死体の数々…
その中に埋もれた未来石の強化服を発見する。
彼女は生きていた。

「実装飯が、あいつに攻撃されたです!
 それで瓦礫に埋まって…あいつは!?」

実装飯は都会に出来た山の頂きに居た。

『オメーラ遅ぇデス。
 オレは…マチクタびれたデス…』

[実装飯…すまない、私は遅過ぎた。あまりにも]

『チィ!辛気くせえセリフは聞き飽きたデス…
 オメーにオレの実装魂(力の源)
 やるからトットと行くデス!
 オレはモ少し休んでから行くデス…』

実装飯は眠るように死んだ。
未来石は泣いた。
実装涙は静かに黙とうし
ポンチョの切れ端を腕に巻付けた。

今や実装魂は涙の体に馴染み、
鋼鉄の防御力となっていた。
時空石の居る実装城への道は、

すでに拓かれていた。

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補足
・摩天楼の片隅で遥か地平
都会のドまん中で地平は見えない事から、
実装飯の眼はすでに視力を失っていた様だ。

・精強時空石親衛隊
精強=精力的で強い の意味
実装涙は事前に得た情報から
相当に手強い相手だと
警戒してここまで来たらしい。

・都会に出来た山
親衛隊の屍体で出来た山である。

・オレの実装魂
実装飯の実装魂は
「中華鍋の様な重い攻撃と防御力」である。

・すでに拓かれていた。
拓(ひら)かれていた 。
実装城の外に居たデビルを全滅した事である。
何ら描写されていないが実装飯の勇猛果敢な
戦い振りを想像してもらいたい所だ。