第23

時空石は王座から立ち上がり実装涙を出迎えた。

『来たか、我が息子、愚かな実装よ』
実装涙はウツムイたまま
展望台への階段を昇る。

「…時空石、もう沢山だ。人が死に実装が死ぬ事 も!」

『馬鹿めが、人間の愛に溺れたクズに用は無い。
 その実装魂、我が糧としてやるわ』

至近距離、2匹の拳は重なり
涙の拳が時空石の頬を捕らえる。
それは 絶望という感触。
敗北という直感。

涙は特殊能力の<超感覚>で全神経を極限まで高めた。
足で撹乱し時空石を展望台の縁まで誘い出し
未来石に狙撃させる作戦を取った。

結果的に自分が追い込まれる事で
縁に誘い出したものの狙撃の音は無かった。
未来石が待機していたビルは
親衛隊の猛攻を受け崩壊していたのだ。

『どうした?どうやら支援者が
  居た様だが無駄だったようだな』

涙の体は時空石の攻撃と
超感覚の副作用によって行動不能に陥っていた。

「時空石、考え直すんだ…キミだって人間を…」

『ふん、湿気た実装魂だ。我が世界の肥にでもなれ』

時空石は無抵抗の涙に止めの一撃をあたえ下界へと投げ捨てた。

『貴様ほどの実装石ならば
 私の後を任せても良いと思ったのだがな。
 見込み違いか、残念だよ』

涙の体は砕け、バラバラになって雲間に消えた。

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補足
・それは 絶望という感触。
わかり易く説明すると
腕相撲をやろうと手を組んだ瞬間に相手の手が
厚く、重いと感じた状況。
敗北という直感。
勝負が始まった時の直感、
「勝てない」と感じた時の心情。

・全神経を極限 超感覚の副作用
これは急激な動きに神経が磨耗した結果、
手足の自由が利かなくなってしまったため。
人同様神経を使い続ければ廃人になってしまうだろう。

・どうやら支援者が
この時点でも時空石は
未来石の存在にまだ気付いていない。