第25

時空石に体は砕かれたが、
実装涙の意識は 特殊能力の影響と
3つの実装魂により高ぶったままであった。

「時空石の実装世界は完璧だった。
 ただの実装一匹の思いで
 どうこうできる領域は存在しなかった…」

安堵と開放感で意識が薄れてゆく。

「そして私は投げ捨てたのだ、
 人間と実装、2つの思いと共に
 この身モロトモうち捨てたのだ…」

すべては新世界創造に必要な犠牲だったのだ。

「犠牲…?」

涙の前を過ぎ去って行った者達、
誰も死んで良い者など居なかった、
彼らの命は奪われたのだ。

「実装世界は素晴らしい、
 それは確かだ。
 がしかし彼らはいずれ行き詰まる。
 そこには彼らを誉め、
 優しく包み込む存在は居ないからだ」

涙の全神経が光り輝き、
3つ実装魂を結び着けて行く

「実装魂よ!私に野望を打ち砕く拳を、
 正義を止める脚を、
 決してくじけぬを心を!」

厚い雷雲の中、涙の骸と実装魂は
強烈な放電を受け融合を始めた。
その刹那、
雷雲から天空へ一筋の雷激が駆け昇る。

それは2つの思いと4つの魂、
1つの体を持った実装石誕生の産声であった。

26話へ

補足
強烈な放電
生命の誕生には雷が重要な役割を担っていた。
また、電気ショックを与える事で
人は蘇生し、
人造人間の「フランケンシュタイン」は生命を得た。
実装涙の体は砕かれた事により
4つの実装魂とより密度の濃い融合を果たしたと思われる。