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　アジア太平洋地域は、エネルギー資源と地球温暖化に関する問題について地球規模的な役割をもつ先進国と急速に発展している途上国を抱えている。都市と建築の増加するエネルギー消費量は大きな問題として認識されており、一般的な建築設備システム、特に空調設備システムが最も大きな原因であろう。ビルコミッショニングプロセスは、この問題に対処するための有望なアプローチであると考えられている。

　1980年代、下の図に示すように展開してきた、アメリカを初めとする諸国で始められたビルコミッショニングプロセスの議論を受け、1990年代にはIEA/ECBCSのAnnexを通して国際的なコンセンサスが整えられた。アジア太平洋地域においても、新規建設ビルおよび既存のビルにも省エネルギーを実現できる、より実践的なビルコミッショニングの適用について討議する必要性が検討されていた。そこで、日本の建築設備コミッショニング協会（BSCA）と香港のビルコミッショニングセンターは、ICEBOオーガナイザー、IEA/Annex47参加者の賛同を得て、2006年中国・深圳(Shengzhen)で第一回のワークショップが開催することとなる。辿ってきた国際協調関係の展開、国内外の協力機関、コミッショニング協会の役割、APCBC組織化への展開状況も下図から読み取って頂けるでしょう。

　APCBCの目的は、ビル品質改善に向けた取り組みや、特にビルコミッショニングの適用を通して行われる省エネルギーについて意見交換することにあり、実務家、研究者、政府関係者が招待され、関連する技術や実務経験について発表されている。また、アジア太平洋の国々でビルと空調設備のコミッショニングプロセスを普及させるための方法が討議されている。