2012(平成24)版帝国書院歴史教科書
 タイムトラベルイラストとして提案した原画

前回までの古代・中世・近世、に加えて今回原始・近代・現代の3つが加わることになり、
4枚のイラスト原画を新たに作成提案した。前回に比べると、編集部の意図と離れがあ
って、自分の提案と完成作品との変更度は大きいと感じている。提案した原画にこめた
授業の視点は、大切なポイントで、失いたくないと感じている。

ここに掲載する意味もそこにある。

1.原始時代のイラスト →原画画像へ
縄文と弥生を比較する。完成作品より視点の位置を下げ、物語性をつかみやすくしている。
縄文(左)は、下中央の鹿狩りに視点が行くように。弥生(右)は村の攻撃を受けた様子、特に
手前の水田にいる女性から視点を後ろに追っておくように描いている。今回の4作に中では
一番時間をかけ、完成度が高い。


2.近代T(明治後期)のイラスト→原画画像へ 
停車場(ステーション)に止まった蒸気機関車、そこにいる外国人乗客と日本人を視点の中
心においている。夏目漱石「三四郎」冒頭を意識したイラストである。


3.近代U(大正)のイラスト→原画画像へ 
太平洋ベルトの工業都市、労働争議を中心に弾圧する官憲、デモクラシーが波及した地方
の市民生活を描く。


4.現代(高度成長期)のイラスト→原画画像へ 
近代Uと同じ地方都市(太平洋ベルト、浜松を想定)新幹線開通直前、上空でオリンピック開
会式で演じる自衛隊ブルーインパルスの五輪スモーク練習と聖火ランナーを視点の中心に
おいた。完成作はこれがカットされ悔しい思いをした。原画作成2年後、「always三丁目の夕
日U」ではこの五輪スモークがポスターとなったのに。