肝清らさ雨上がいぬ花ぬ如

朝早くからここに座り
海を見ていたよ
いつもの犬も来たんで
二人並んで
朝の海を見ていたよ
なんておだやかでいい朝なんだ

犬の名はコロ
僕がつけた
僕はゴロ
ゴロゴロ人生を生きているよ

顔見知りばかりの部落では
退屈なんてないよ
手持ちぶさに歩いていると
ヒンプンの後から呼びとめられて
お茶とゆんたくが待っているさ

昼ごはんはあのオバーの店の
いつもの特等席にすわって
中そばとごはんだな
オバーの孫の綾子ちゃんと
話をするのも楽しみさ

本はなかなか読み終わらず
表紙もボロボロになったけど
いつかは読み終えたいと思う
でもいつかはわからない
死ぬまでに読み切れればいいさ

夕暮れがせまる頃は
少し寂しいけれど
泡盛も五合残っているし
そいつを持って友達小の所で   <ドゥシグァ>
夜更けまで遊べばいいさ

ゆっくり流れる時は
自分だけのもの
一歩一歩歩いてゆく
そんな感じさ
その日暮らしという奴もいるけど
気にしないよ
マイペースだよ

夜明けの雨に目をさまし
上がるのを待って外に出た
雨上がりの花のなんと美しいことよ
肝は目に見えないけれど   <こころ>
見えるとしたら
この雨上がりの花のように
清らかでありたいと思った

「肝清らさ雨上がいぬ花ぬ如」  <チムジュラサアミアガイヌハナヌグトゥ>
そんな清らかな朝だったよ

■書始−91/03/09:曲有。 ◇雨上がりの花は、一段とキレイです。花びら一枚一枚が
水々しく光っています。人の心を水々しくリフレッシュしてくれる音楽は、本物だと思います。

backindexnext