♯沖縄島巡りの旅--毛遊び(モーアシビ)(波照間島)


・戦前の沖縄には「毛遊び(もうあしび)」という風習がありました。
 夜、昼の仕事を終えた農村や漁村の若い男女が、村の広場などで、
 歌ったり踊ったりして、仕事疲れを発散する集まりの事を指します。
 現在でいえば、地域限定の合同コンパという所でしょうか?
 
・三線や太鼓を伴奏に、お酒も入り、歌自慢、踊り自慢が十八番を披露する
 それはそれは楽しいパーティー(?)だったと経験者のオジーは語ります。
 また、「毛遊び」は、村の幼なじみが男女の仲に成長する場でもあり、
 意気投合した男女は輪から離れ、二人きりになれる場所へ急ぐのでした。
 
・波照間島旅行の夜、近くの広場から三線の音と歌声が聞こえてきます。
 楽しそうなその音色に誘われて、民宿を出て広場へ歩いてゆくと、
 (昔若かった)男女が車座になって「毛遊び」が盛り上がっておりました。
 私もお願いして置いてある材木の上に座り、仲間に入れてもらいました。

・まず驚いたのが、三線弾きのおじさんの素人とは思えない腕前でした。
 出身は宮古島ですが、沖縄の島々を工事の関係で巡っているそうで、
 宮古民謡はもちろん、沖縄本島や八重山の民謡も自在に弾きこなす達人でした。
 おじさんの民謡メドレーに、仲間は歌ったり手拍子をとったりして楽しみました。

・「毛遊び」の輪の中、お裾分けでいただきた泡盛の一杯は、都会の有線が
 鳴り続ける居酒屋で飲む一杯とは別世界の「心休まる一杯」となりました。
 「明日も朝から仕事だから」という三線弾きのおじさんの言葉を潮に、
 「毛遊び」の輪は解散となり、私は「初体験」の心地良さと共に民宿へ向かいました。 


 ◎敬老のお祝い会が開かれていました。


 ◎波照間公民館です。

 (007-2010/08/07記)

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