４７

４７は限りなく５０に近い
四捨五入不要
ふりかえることが多くなり
心ならずのため息を
止められない日々です

長い坂道　中学生の僕です
楽器をいくつもぶらさげて
「チンドン屋」と指さされても
「僕は芸術家」と
バッハを口ずさんでいました

うつむき歩く　高校生の僕です
体はほぼ大人です
心は斜めに自転して
朝の風は気持ちいいけど
パンツは濡れています

ダンスパーティー　大学生の僕です
ミラーボールは　女体の神秘
「今夜こそ」で始まり
「今夜も」で終わります
プラジャーが外せませんでした

満員電車にはまる　社会人の僕です
ベタつく汗とタメ息の中
ＯＬオッパイやわらかく
迷惑そうな顔して
「ラッキー」と貧しい満足でした

４７はもうすぐ５０です
心ならずのため息を止めたら
心ならずも５０をかいま見た気がしました

■作成時期−社会人（４０代-2005年05月31日）
◇コメント−「クソまじめ中年」も少々くたびれ気味。泡盛がまわった頭は、スロットのようにまわります。