私の音楽遍歴(14)<てぃんさぐぬ花−沖縄のわらべうた>
♪「てぃんさぐぬ花や 爪先に染みてぃ 親ぬゆし言や 肝にすみり」。これは、沖縄本島の
代表的なわらべうたの「てぃんさぐぬ花」です。「てぃんさぐぬ花」とはホウセンカの事で、
「爪先に染みてぃ」とは、ホウセンカの花びらを爪先にくっつけておくとマニュキュアの様に
染まるという事を利用した遊びを指します。歌は、「ホウセンカの花で爪先を染める様に、親
のいう事は心に染めよう」という意味です。
♯この後「天に群れ広がる星は読めば教える事もできようが 親のいう事は、読みきること
ができない」、「夜走る船は、北極星が目当てです、私を生んでくださった親は、私こそが
たよりです」と続きます。
♭わらべうたという割には、教訓ぽいのと、歌詞が琉歌形式(八・八・八・六)にぴったりはま
る事などから子供から自然発生的生まれたわらべうたでなく、大人が作って与えたもので
はないかとも言われています。しかし、琉球音階のやさしいくて覚えやすいメロディーは、
沖縄のわらべうたの代表選手と言えるでしょう。
・「てぃんさぐぬ花」のメロディーは、私のホームページ「沖縄大好き」の「My Music」の中の
2.「きじむなあ物語」の「赤田首里殿内〜てぃんさぐの花」で聞く事ができます。
♯「てぃんさぐぬ花」が沖縄本島の代表的なわらべうただとすると、八重山(石垣島)地方の
代表的なわらべうたは、「月ぬ美しゃ」(つきぬかいしゃ)です。「月ぬ美しゃ 十日三日 女
童美しゃ 十七つ ホーーイ チョーーガ」(つきぬかいしゃ とぅかみぃか みやらびかいしゃ
とぅななつ ホーーイ チョーーガ」。意味は、「お月さんが美しいのは十三夜、娘の美しい
のは十七歳」で、「ホーーイ チョーーガ」は、ハヤシです。
♭この後「東からのぼってくる大きなお月様、沖縄も八重山も照らしてくださいね」、「寺(
石垣島にある桃林寺)のお札に 絹の花 黄金の花が咲いていますよ」、「あれほどの(美
しい) 月の夜です。 わたしたちも(外へ出て) 遊びましょう」と続きます。
♯民族学者の故柳田国男氏が「月ぬ美しゃ」を聞いて、本土のわらべうた「お月さん幾つ
十三七つ」の元の意味は、この歌の歌詞にあるのではないかと発表しています。
♭本土の言葉と沖縄の言葉が別れたのは、鎌倉時代くらいではないかと言われており、沖縄
の方言の中には、学校の古典の教科書に出てくる古語がそのまま方言として使われていたり
しますので、民族学者や言語学者は、昔の日本を求めて沖縄にやってきたりします。
・「月ぬ美しゃ」のメロディーは、私のホームページ「ニヘーデービル ウチナー」の沖縄詩集
「ニヘーデービル ウチナー」の「月ぬ美しゃ(三和の想い出)」の朗読で聞く事ができます。
♯宮古地方の代表的なわらべうたといえば、「ばんがむり」かと思います。「ばんがむり」は、
子守唄で、「なきなよや うーとぅーがまー ゆむーなーーよーや うどぅがーまー ヨイヨーーー
ホーイーーー」。意味は、「泣くなよ 弟よ ぐずらないで 妹よ」で、「 ヨイヨーーーホーイーー
ー」は、ハヤシです。その後「お前の母親は 大芋ほりに お前の父親は 大蛸とりに」、「大き
い芋なら 半分っこ 小さな芋なら 一個ずつ」という風に続きます。
♭私は、この曲のハヤシの部分が特に気にいっています。
(2002年2月17日掲載)