♯ヒコさん心の一曲−あなたが海見ているうちに(中島みゆき)


・大学時代に初めて聞いた『あなたが海見ているうちに』の
 透明感は、変わりません。今でも、聞く度に蘇ってきます。
 曇り空から、日が溢れ出す瞬間のようなギターのイントロは、
 抑えた色あいが、安堵の色に変わるイメージです。
 
・アコースティック前面の安田裕美のアレンジは、透明感と
 同時に、北海道の海の静けさを生み出しています。
 決して湘南の海ではありません。
 そしてそこに、サンダルをぶら下げた女の細い背中。

・「別れの場所」を、どこにするか。
 「♪こんな海辺にするんじゃなかった いいかげんな街なら
   よかった」
 海で別れて、一人バスで帰る。街で別れて、一人電車で帰る。
 一人で帰る事に、変わりはありません。

・「別れの言葉」を、どこに捨てるか。
 「♪忘れないでね 忘れたいんだ 言えない言葉 背中から
   背中へ」
 「別れの言葉」を、海に捨てるか。街のゴミ箱に、捨てるか。
 言葉を捨てる事に、変わりはありません。

・「別れの気配」を、どちらが先に感じるか。
 両方同時が、ベストかもしれませんが、
 人間同士ですから、時間差を伴います。
 時間差が大きければ大きいほど、遅れた方の悲しみは大きいです。

 (822-2008/08/02記)

 *著作権の関係で音や歌詞等は載せる事はできません。
  機会があれば原曲を聞く事をお勧めします。

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