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WOWOWに提出した “お弁当講座”


 例のwowow弁当のインターネット番組案内ページ用に、「女将(実際は女将の本名)流毎日作り続けるポイント」というテーマの講座原稿(偉そう)というものを以来され提出しました。「お弁当のうはう」みたいなものをまとめてみようかなと思っても、自分のホームページ内だけでやっていると、まず”面倒くさい”、次に”時間がない”、そして、”こんなのまとめるのって、なんか偉そうでちょっといやみかしら?”というような事情で(事情かい)、なかなか手がつけられませんが、頼まれ事となると話は別。プレッシャーもあるし、ある程度使命感もあるし、大義名分もあるってわけで、よい機会との思いもあり、あれこれ考えてまとめました。
 ちゃんと考えながら作っているわけじゃないので、結構頭を悩ませましたが、女将の実情には即していると思います。今更なこともありますが、読み物として読んでいただけると嬉しいです。(2001/12/27)






毎日続ける為のポイント

 「毎日作り続けるポイント」と言いますと、必要はないけれどできるだけ続けたいという方(私はこれです)が対象になり、給食・学食等がない学校に通うお子様のお弁当のように、必然的に作り続けなくてはいけないという方は、「今さら」と感じられるかもしれません。しかし、お弁当作りをさぼることができる環境で、“さぼりたくなる要因”というのを考えますと、何を作ったらよいか思いつかない、時間がない、マンネリでイヤになる・・等々、毎日お弁当を作っていて困る事に通じるものもあるかと思います。そこで、これらの問題を解決すべく私が考え実行しているアイデアと、必要ないけど毎日作っていくために役に立つ・・かもしれない私の考え方をこの機会にご紹介しようかと思います。かなり我流なので、参考にならないわ・・という方も多いかと思いますが、少しでも共感していただける部分があれば嬉しいです。(全六編)

■道具について1<専用のものを揃える>
 「弘法は筆を選ばず」と言いますが、弘法でない私は道具を選びます。と言っても、プロが使うような立派なモノではありません。たかがお弁当とは言え、毎日朝食も作り、お弁当も作り・・となると、都合二食分。大きい鍋やボウルを使っていたのでは手狭にもなりますし、後片づけの際にも手間がかかり面倒で、つい「今日はパス」というようなことも、私はあります。小ぶりのお鍋だけでなく、小さめのボウルやザル、おかずを冷ます為の小皿など、揃えてみてはいかがでしょう。小さい専用道具に数種類のおかずを並べていると、ちょっと御料理番組みたいで、気分も盛り上がるって言うもんです。ちなみに、私はお弁当作り用に小さいまな板を使っています。

■道具について2<一つのお鍋で全てのおかず作り>
 専用の道具という中で、小ぶりのお鍋というのが出ておりましたが、私はほとんどのおかずを、お手入れが簡単という理由で選んだ、直径20cmのテフロン加工の炒め鍋一つで作っています。ちょっと深めで小さめのフライパンといった感じのお鍋です。朝起きてキッチンに立つと、やかんでお湯を沸かすのと同時に、お鍋でお湯をわかし、お浸し用の青菜や炒め物などに使う野菜の下茹でをします。続いて卵焼きを作り、そのまま副菜の炒め物などを作ります。汚れをさっと拭くか場合によってはざっと洗って(ここでお手入れの簡単さが生きてきます)、主菜を作るという手順です。使う道具が少ないと、スペースも取らず、時間も短縮され、後片付けもとても楽で、長続きの一つのポイントだと思っています。

■調味料でレパートリーが拡がる
 私のお弁当作りの理想は、食材を見て、すぐに思いついて、パッと作れるということです。ゆっくり時間をかけて作れる場合以外には、その場でさっと作れるおかずをたくさん知っていると便利ですよね。でも、特にあらたまったレシピを知らなくても、いろいろな調味料を揃えていると、味のバリエーションが拡がり、マンネリを打破することもできます。例えば豚肉を炒めたものも、オイスターソース、バルサミコ酢、みりん、辛子、ハーブ類ゥ驍A中華風、洋食屋さん風、和風、イタリアン等々表情が変わってきます。使ったことがないモノにも挑戦し、あれこれ試してみると、意外な組合せやオリジナルの味を見つけたりもできます。抵抗がなければ、市販の○○の素といったものも「あと一品」というような時には便利です。

■常備菜の考え方
 約5年半お弁当を作っていますが、今だにいわゆる常備菜というものを作る習慣がありません。一つの理由としてはそれを作る事自体が面倒臭いから。かといって、準備というものを全くしないとやはり朝がたいへんなので、夕飯作りの際、お弁当に使えそうなおかずは少し多めに作ったり、余裕がある朝に、日持ちするものを多めに作って翌日まで使ったりということはよくあります。また、食材を使い切ってしまわずに、量に余裕がある時に、お弁当分だけ残しておくと、無駄もなく、「おかずになるものがない」という事態を招かずにすみます。いずれにしろ、たくさん作ると負担も大きいので、ほんの少しだけ多め、また、余裕がある時にだけ・・というのが無理なく長続きできるポイントだと思います。

■記録をとってみる
 お弁当作りを始めた時、せっかく作ったんだからと、お弁当を写真に撮ってアルバムにしていました。自分の作ったものなんて・・と思っていても、後から見直すと忘れていたおかずなどもあり、また、彩りや盛り付けの反省点も見つかり、結構参考になりました。それに、何よりも、写真がたまってくると、「こんなにたくさん作ってきたんだ」ということが実感でき、自分の家事の成果が目に見える感じで、非常に励みになりました。テレビや雑誌へのレシピ投稿やホームページへの掲載、お弁当レシピの自費出版などを想定するなど、具体的な目的があれば尚いっそう効果的かもしれませんが、まずは、記録するということからはじめてみてはいかがでしょう。

■生活パターンを変える
 どう工夫しても、時間がない、間に合わないというような場合、思い切って生活パターンを変えてみるというのも一案です。起床時間を1時間早めてみます。朝の1時間は睡眠時間としても貴重ですが、家事などをする時間としても非常に有効です。1時間かけてお弁当を作る必要はありません。30分でお弁当と朝食を作り、残りの時間は新聞を読んでもいいし、シャワーの時間に当ててもいいし、ネットサーフィンをしてもいいのです。朝、ゆったりとした時間でやるべきことをやってしまえると、一日たいへん有効に過ごせることは経験なさっている方も多いことでしょう。たかがお弁当のためと思われるかもしれませんが、きっかけはお弁当でも、他の楽しみを見つけられるかもしれません。



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