平成22年4月10日
式根島 鯛房岩東、野伏港付近の磯
| (執筆:管理人) | ||
| 春先の離島24時間釣行。未経験。 黒潮が接近し、式根周辺の水温は18度。 バリ君を半ば強制的に連れ出した。 日中は、鯛房東にあがった。 東の風が強く、サラシが大きく広がっている。 潮はほどほどに。 |
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| コッパ尾長とイズスミの活性が高い。少し静まったところで3ヒロくらいのタナまでゆっくり落としていくと時折強烈な反応。 正体は60cm級のイズスミか。何発かさらに強烈なアタリもあったがハリを折られてしまったり、最後の最後に足元に突っ込まれてしまったり。 小雨模様であったが、一時的に本降りになってきた。僕らのウェアーは、「なんちゃって防水」。ここでズブ濡れになると夜が大変。 岩を背に、一つしかない傘の中に2人で避難。オキゴネは風と雨にさらされているが、完全装備の釣り人はなんのその釣りを続ける。 そして1時ごろ、夜の磯へ移動。夜釣りオンリーの客を先に下ろしたあと、僕らを迎えにきた。(すなわち、「通し」だと後回しになってしまう。) 向かった先は、野伏港近くの地磯。すぐ近くまで歩いて入れるところだ。風裏になっているし、夜釣りで釣れそうな雰囲気。足元にシモリもない。 寝るにはちょっと窮屈だ。とりあえずいろいろと試してみる。コッパ尾長がチラホラと。よく見るとエサトリも結構いる。 深ダナにしてもサシエは残らない。いったん大物狙いをやめ、いわゆる標準的な「グレ釣り」をしてみたところ、35cmくらいの口太が食ってきた。 このパターンかとおもい、続けることしばし。10mほど流したところでウキが入っていく。しかしこの小雨は体温とテンションを確実に奪っていく。 |
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| そして徐々に日が傾いてきた。バリ君はほぼ諦めモード。ぼくも今日は釣れないかもしれない、と内心おもいつつもとりあえず際を狙いつつける。 パターンがつかめない。仕掛けを太くしたらつかめないまま過ごしていしまう過ごしてしまう気がする。夕マズメだがしばし日中の仕掛けで続けてみる。 コマセは磯際にこぼす程度。ここの磯際でしかエサを拾わせない作戦。ウキ下は2ヒロくらい。ハリスにG3のガンダマを段打ちし、際に張り付ける。 日が落ちて間もないころ、仕掛けを夜釣りバージョンに換えようかどうしようかまよっていたが、もう一投だけ、と思い続けてみた。 したところ、ウキにわかりやすい前アタリ。反射的にアワセをいれたらすさまじい突っ込み。まさか食ってくるとは思っていなかったため、 おもわずレバーを切ってしまった。竿でためるも相手にスピードがついているため、一瞬で臨界点に。そしてラインをだしたところでさようなら。 すぐに仕掛けを夜釣り用に交換。自分がハリを結んでいる最中にバリ君の剛剣2.5号が海面に突っ込んだ。 糸を出さずにひたすら耐えるバリ君。15秒以上耐えた。尾長ならば明らかに50cmは超えている。やつは弱らない。 あと10秒耐えろ!と激を入れる。すごい角度で足元に突っ込んでいく。この竿はここまで曲がるのか!というくらい竿が曲がっている。 バリ君、腰を落として耐える。しかしながら、いつものように竿が跳ね返った・・・。なんと、仕掛けは無傷だった。無念のハリ外れだ。 そして次、パワーアップした僕の仕掛けにアタリ。磯際というかほとんど根の上?1ヒロくらいのタナでずっしりとしたアタリ。 尾長ではない、大型の口太か。かなりの型物らしく、ウキが見えてからなかなか浮いてこない。タモに入ったがサイズがよくわからない。 磯の上に上げた、これはデカイ!と。バリ君のリアクション「お堀のコイ?」獣のような口太。ぼくが10年間追い求めてきたものの一つだ。 あれだけ頑張ってもものにできなかったのに、意外なところで、こんなにあっさりと。 |
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| 日が完全に落ちてから潮が流れはじめ、磯際からアタリは遠のいた。3ヒロくらいのタナで流していくも反応はない。 サバを寄せないように、コマセはかなり控えていた。後になって思えば、ドカドカとこませをいれて、サバもイサキも寄せてしまって、 沖の深タナをねらっていれば、大型のイサキや真鯛がねらえたのではないか、とかなり後悔。 潮がとまれば磯際を、流れ始めれば沖の深場を、と自然に合わせておけば、後で他の客のクーラーに入っていたようなバケモノみたいな イサキがゲットできていたのかも。 生命反応がない中、雨脚が強くなってきた。 またバリ君と2人、岩を背に、1つの傘に身を寄せる。そしていよいよ本降りに。ついになんちゃって防水のウェアーから水が入ってきた。 ビニールシートをもってきていればと後悔しても後の祭り。そうだ、寝袋だ!買ってまだ一度もつかっていないが、背に腹を変えられない状況。 背中側は岩に、上は傘、そして正面は寝袋でガードして雨風をしのぐ。一瞬、これは快適かも、と持ったのもつかの間、2人とも無理な体勢。 ケツが割れそう、さらに寝袋から水がしみこんできた、トドメを刺すように、傘の中には大量の蚊が。唯一、風が生暖かいのが救い。 遠くに見える野伏港の明かりがうらやましい。あそこに行けば民家が・・・。天気予報を楽観的にとらえすぎた。 以前に、伊豆大島でも同じような状況になったが、あの時は地磯。その気になれば避難はできた。 自分以外の熱源がほしい、ホッカイロがほしい、パンを食べようとおもったら水浸しになっていた。 なんかのために!とおもって買っておいたチョコレートをたべて、少しでも熱に転換できないか、と。 「アウトドア」だなんてオートキャンプ場で楽しんでいるヤツらに教えてやりたい、これが本当のアウトドアだ!、と。 疲労のピークで少し意識が飛んだ。寒さで目が覚めると、雨が止んでいた。時計は朝の3時になっていた。体の右半分はずぶ濡れ。 このままだと寒いだけなので、竿を出してみる。大型のイサキが釣れた。そして少しずつ夜が明けてきた。 朝マズメの到来。2人とも、さっきまでの寒さも忘れている。夕マズメと同じく、しつこく際を攻める。エサはこぼす程度に。 潮が入ってきたので思うように際は攻められない。 。少し流したところで良型の口太がポツポツ。ハリのオキアミがしゃぶられている。本気で狙えば相当釣れたかも。 一発を期待して、夜の仕掛けでとおしたが、残念ながら。 これも後で思うに、コマセをどかどかといれて、どんどんながしていったら、また別の結果があったのかもしれなかったと。 夕マズメは間違いなく尾長の時合いがあるが、朝はよくわからない。 散々な夜であったが、防寒対策を完璧にしてまたヤツラに挑みたいとおもう。 <教訓> ・通し釣りは「備えあれば憂いなし」(傘、タオル、自分以外の熱源、ビニルシート、蚊よけ、防虫、寝袋、ロープ、ビニール手袋(ブヨ対策)) ・夕方と朝にかならずチャンス。感傷に浸る暇なし。写真など後回し。ドンスカとナイフをもって、ひたすら釣まくるべし。 ・夕マズメに入る前から、仕掛けはパワーアップを。 ・夕マズメはチョロチョロ、朝マズメはドカドカ? ・タモにケミ装着 ・ハタンポつかって、アオリイカ狙い? ・夜は夜のターゲットを狙えばよい。 |
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