『ソーサリー!』をプレイしたことがある人ならば、よーくご存知の事であるとは思うが、アナランドには「魔法の呪文の書」なる書物が存在する。魔法使いを職とする、主人公の冒険を大いに手助けする、あの様々な呪文を記した書物である。
プレーヤーは冒険に出かける前に、この書物に目を通し、呪文を学習しておかなければならない。一度冒険に出発してしまうと、再び読むことは許されないルールとなっている。これは、もしも「主人公が旅の半ばにして潰えた後、カクハバードの危険な輩に呪文の書を盗まれ、悪用される」ことを防ぐためである。設定とルールとが、見事に辻褄合わせできているゲームデザインである。
カクハバードには数多くの魔法使いたちが暮らしているのは事実である。ただでさえ強力な魔法を操る彼らが、アナランドの魔法まで知ったなら……。アナランドが「魔法の呪文の書」を極秘事項とし、国外への持ち出しを禁じたのは賢明だと言えるだろう。
……ところが、である。実際にカクハバードを旅していると、アナランドが相当に甘いことがわかるのだ。第三巻で遭遇するブラックエルフの隊商では、アナランドから持ち出されたと思わしき「魔法の呪文の書」が売られているのを発見できる。このキャラバンの商人たちは極めて商魂たくましい連中であり、機会あらば、マンパンの大魔王に褒美をねだることすら躊躇しないのだ。しかし、幸運なことに彼らはこの書物の正体には気が付いていないし、彼らから買い取れば秘密裏に焼却できるので、まあ良しとしよう。本当に危ないところであった……。いや、ちょっと待ちたまえ!
実は、事態はもっと深刻である!
カクハバードを旅したことのある人ならば、気が付いているはずだ。カクハバードの魔法使いたちが持っていた道具は、アナランドの魔法で使用する「触媒」になるものが多いということを……。シャムタンティ丘陵に住む、魔女アリアンナ。彼女は「魔法に必要な道具を集めている」と言っていた。彼女を助けることで、その品を受け取った人もいるだろう。また、スナッタ森に居を構えるフェネストラに至っては、魔法の触媒となる道具を全て持っているのだ。彼女たちはこれらの道具が「魔法に必要な道具」と認識した上で所有しているのである。
それだけではない、大魔王が潜む悪名高いマンパン砦の中に店を構える、商人ナイロック。彼の店でもこれらの品は取り扱われている。売られているのは金の装身具、黄色い粉、裏が金張りの鏡、水晶の玉、宝石をはめ込んだメダルというラインナップだ。単なる細工物として売られていると見ることもできるが、黄色い粉だけは無理があるだろう。カレー粉でもあるまいし。……つまり、こういうことだ。
アナランドの魔法は秘密でも何でもなく、カクハバード中の魔法使いが知っている! そう、敵であるマンパンまでも!
アリアンナやフェネストラらが知る魔法に使う触媒と、アナランドの魔法に使う触媒とが偶然一致しているだけと考えるのは難しいだろう。極めて都合のいい解釈と言わざるを得ない。カクハバードの魔法使いたちは、アナランドの魔法を知り尽くした主人公には使えない魔法を操ることが多々ある。その上彼らはアナランドの魔法をも知っているのだ。カクハバードという土地は、魔法に関してはアナランドの数段上をいっているのである。
そもそもアナランドという国は、いまいちセキュリティが甘いところがある。フェンフリー同盟の秘宝である「王たちの冠」が夜間盗まれたことを、翌日になるまで気が付けないような国なのだ。「魔法の呪文の書」を持ち出し禁止にしてはいるけれど、その秘密は近隣諸国にだだ漏れなのである。
ネクロマンサーとは死体を操る、いわゆる死霊術士、ゾンビマスターと呼ばれる類の魔法使いである。アナランドの魔法にはRESという死体を生き返らせる魔法があるが、今回書くのはこの魔法の事ではない。RESで生き返った死体はだるそうに質問に答えるだけだが、ここでは生前の姿と健康状態をそのまま持った状態で死体を生き返らせる方法を教えよう!
まず前準備がとして、貴方は魔法使いでなければならない。戦士ではだめなのだ。そして、旅の途中で聖なる水を手に入れておく必要がある。さあ、準備は整ったら首尾良くマンパン砦に乗り込もう。
マンパン砦に侵入したなら、まっすぐピーウィット・クルーとサマリタン達の部屋へ向かう。場所は第2のスローベン・ドアの奥、突き当たりを左に曲がったところにあるバードマン達の居留区の一番手前、左側の部屋だ。
そしてシンのサマリタン達に会ったなら、戦ってこれを殺してしまおう。手加減は無用だ。事が片づいたら、何食わぬ顔をして探索を続け、大魔王を倒す。
さあ、ここからがネクロマンサーとしての仕事だ。
まず倒れているファーレン・ホワイデの死体に聖なる水をふりかけ、RESの呪文を唱える。なに? 結局RESを使うじゃないかだって? そう。そのとおり。だが、これで終わるわけではない。話は最後まで聞け。
生き返ったファーレン・ホワイデと話をすると、彼は貴方に協力しようとして確認の為に水晶玉をのぞくはずだ。水晶玉には見覚えのあるバードマン達が写っている…。ホワイデはそれがピーウィット・クルー率いるシンのサマリタンだと説明するだろう。さあ、彼らサマリタンはこれで生き返ったわけだ。
ホワイデは小さな銀の呼び子を取り出し、貴方にくれるだろう。
あとは呼び子を吹き、加害者である貴方のことなど忘れてしまっているサマリタンを使役して取り戻した冠を手にアナランドへと引き上げるだけだ。
【追記】
上記のネクロマンシーだが、実は戦士でもバリバリに可能なことが判明。条件は「聖なる水」を持った状態で大魔王を倒すこと。
戦士のくせに何事もなくRESを使う様は、天性の才能を感じさせる。
【追追記】
このネクロマンシーには実は大きな落とし穴がある。それは「サマリタンをサマリタンと認識すると、その場では戦闘は起こらない」という事実である。つまりサマリタン達を殺したとしても、(ネタバレとしてプレーヤーは知っているのだが)主人公にはその意識が無いということだ。
だが解決策が無いわけではない。方法は2つある。それなりに面倒な方法と、非常に簡単な方法だ。
まずは面倒な解決策を紹介しよう。まずマンパン砦に侵入して、サマリタンに会う。ここまでは一緒だ。彼らに会ったなら、戦いを挑まずに同盟を組むのだ。そのまま旅を続けよう。そして機会が訪れたなら、迷わずZEDの呪文を唱えるのだ!
その際に行き先をイメージしてはいけない。なんとなく唱えるのがミソである。
時空を越えて旅する呪文であるZEDによって、主人公はカクハバードのいずこかに放り出されるはずだ。運が良ければ旅路の途中に戻れるだろう。ここまで来たら後は簡単再びマンパン砦へ侵入し、今度はサマリタンと戦うのである。これでサマリタンの正体を知りながら、彼らを殺すことが可能となる。
一応もう一つの簡単な解決策も紹介しておくことにしよう。プレーヤーである貴方が「主人公はバードマンの顔を個人別に見分ける観察力と、行きずりで殺したバードマンの顔を覚えておく記憶力の双方を兼ね備えている」と言う事で納得することである。
もけきょ&ちゃも : 第一回「ソーサリー!美人コンテストー!」
もけきょ : …。
ちゃも : …?
もけきょ : …無理な企画じゃとは思わんか。おい。
ちゃも : たしかに日本人向けじゃないですよね。(笑
まあ、気にせずいきましょうです!
もけきょ : やめておいたほうがいいと思うのじゃが…(汗
ちゃも : えーと、まずはエントリーナンバー1番。
クリスタタンティ在住、酒場の老婆さん。
えー、その豊富な人生経験からくる忠告が光る。チャームポイントは
クリスタタンティ特有の、頭の上にまとめて骨のピンで止めた髪…
もけきょ : やめいやめいやめい!! なんじゃ、トップから!
老婆って、ふざけとるのか! 次じゃ次次!!
ちゃも : …では、次いきますですね。
ちゃも : エントリーナンバー2番。
ダンパス近郊にお住まいの若き魔女。アリアンナさん。
一言コメント「このアリアンナは、戦いもせずに褒美の品をあげたりしませんわ!」
もけきょ : …こいつの性格は最悪じゃぞ。あと外見も…その、なんじゃな。
ちゃも : でも文中で「美しい」って描写が…。
もけきょ : だがイラストがのぅ… いわゆる「日本人向け萌え」ではないからのぅ…(遠い目
ちゃも : 納得できる日本人は少ない、と。そういうことなのですか…。
ちゃも : エントリーナンバー3番。ビリタンティ郊外にお住まいの、ガザ・ムーンさんです。
あや、この方も魔女さんですね。お客さまにはかかさずお茶をごちそうしてくれるのが
ポイント高し。
もけきょ : 痺れ薬入りのじゃな。
…なんとなくこの先が見えてきたわい…。
ちゃも : 次の方でシャムタンティ地区からの出場者は終わりですね。
もけきょ : まだ誰ぞおったかのぅ?
ちゃも : えと、エントリーナンバー4番。トレパニにお住まいの娘さんです。
もけきょ : あほかーい! トレパニと言えばスヴィンの村ではないか!
ちゃも : 差別はダメですよ。それにこの娘、シチュエーションがいいんです。
主人公が救出に向かってくれるんですよ。とらわれのお姫様って感じです…。
ちゃんと酋長の娘ですし。救出された後の不安げな仕草もポイント高いと思うのですよ。
もけきょ : じゃが、スヴィンじゃぞ! スヴィンといえばマンオークじゃぞ!
ちゃも : だから、差別はダメです。
もけきょ : 確かこれは美人コンテストじゃったと思うたが…
ちゃも : エントリーナンバー5番、カーレにお住まいの女の方です。
もけきょ : …誰じゃね? それだけではわからんのぅ。
ちゃも : ちょっとまってください…。えーと、「旅の宿」の挿絵に登場する方だそうです。
もけきょ : …イラストがらみの出場者は辛いと思うのじゃが。(汗
ちゃも : 次の方もカーレ在住ですね。
エントリーナンバー6番、レッド・アイの娘さんです。
もけきょ : …スヴィンの次はレッド・アイかね。
ちゃも : この方も挿絵に登場していらっしゃいますそうです。ああ、この櫛持っている方ですね。
身繕い中ってのはポイント高いです。
もけきょ : お主の感性を疑うわぃ…。
ちゃも : 次の方からはバクランドの方ですね。
もけきょ : バクランド…。もはや人間の住む地ではないのぅ。
もう何が来ても驚かぬよ。それにしても時間の無駄じゃのう。
ちゃも : なんてことを言うのですか。
ちゃも : エントリーナンバー7番。
バクランドにお住まいの、ディンタインタさん。別名シャムさんです。
もけきょ : シャムか。なるほどのぅ。
ちゃも : めずらしく前向きですね。
もけきょ : 変身姿は抜きで審査するのじゃな!
ちゃも : えっと、…そうですね。真の姿の方です。
もけきょ : やっと出た感があるのぅ。まともな出場者じゃな。
イラストが無いのもポイントじゃ!
ちゃも : …なんだかななポイントなのですね。
もけきょ : 日本人向けコンテストなら、イラスト無しが断然強い。
イメージ補完が最強の武器じゃな。
ちゃも : でもシャムさん、「中年女」って本文にあるんですけど。
もけきょ : …。
ちゃも : さ、さあ、次行きましょうです。
エントリーナンバー8番はスナッタ森在住、フェネストラさんです。
もけきょ : イラスト付きじゃな。
ちゃも : でもブラックエルフの魔女って点がマニアックでポイント高いと思いますです。
もけきょ : イラストさえ無ければイメージ補完で完璧じゃったと思うがのう。
いやいや、残念な事じゃ。
ちゃも : …厳しい意見ですね。
ちゃも : エントリーナンバー9番。
高地ザメンにお住いの、女王シーフリさん以下、シーサチュロスの皆さんです。
もけきょ : 問題外じゃ。
ちゃも : やっぱり、ヤギの足はともかく、顔がヤギと人間の中間というのは厳しいですか…。
ちゃも : エントリーナンバー10番はマンパン砦在住、治療師ジャビニーさんです。
もけきょ : また老婆か。今度は乞食じゃ。
ちゃも : 盲目の白魔術系ですね。またまたマニアック票が期待できますですね。
もけきょ : 「ボロ布の塊」とか描写がされておるのぅ。乞食で老婆で、イラスト付きの
マイナス要素てんこもりじゃ!
ちゃも : …。
ちゃも : エントリーナンバー11番。マンパン砦の財宝管理人、ヴァルギニアさんの
召使いさんです。
もけきょ : …まともじゃな。
ちゃも : 本文中に「黒く長い髪をうしろにたらした肌の黒い召使い女」という描写が
ありますです。
もけきょ : これは思わぬダークホースじゃな。
ちゃも : そうですね…。挿絵も無いし。
もけきょ : …そういえば、マンパンの衛兵達の種族も黒い肌じゃったなぁ。
ちゃも : …?
もけきょ : いや、あの種の♀って作中にはそれとわかる形では登場しないのぅ、と思ってな…。
ちゃも : あ。まさか…
もけきょ : うむ。もしかすると、あの毛むくじゃら種の♀なのかのしれんな。この召使い女。
ちゃも : …イメージが崩れていきますです。(汗
もけきょ : イラストが無いがために、恐ろしい物まで想像できてしまうのう…。(汗
ちゃも : …気をとりなおして行きましょうです。
エントリーナンバー12番。マンパン砦のお母さん、炊事係のスログさんです。
もけきょ : 今度はホブゴブリンかね。
ちゃも : 真心いっぱいの手料理が光りますです。
もけきょ : 「ミュータント・ミートボール」じゃぞ!「マグソコガネの酢漬け」じゃぞ!
ちゃも : そしてエントリーナンバー13番。
マンパンの衛兵隊長カートゥームさんの恋人さんです!
もけきょ : …この人物は本文中には出てこないはずじゃぞ。
ちゃも : はい。でも、ロケットの中の肖像及びカートゥームさんの部屋に飾ってある肖像画から
外見は判るので…です。
もけきょ : 強引この上なし、じゃな。
ちゃも : エントリーナンバー14番は…
もけきょ : まだおるのか。
ちゃも : もうすぐ終わりです。もう少し、がんばってくださいです。
ちゃも :エントリーナンバー14番は、主人公の守護神・正義の女神リーブラさんです!
もけきょ : 反則っぽいのう…。
ちゃも : でも、何カ所かでちゃんと主人公の前にそのお姿をあらわすのです。
マンパン砦の入り口とか。
ちゃも : いいかげん長くなりましたし、最後は纏めてしまいましょうです
エントリーナンバー15番~18番!
太陽の女神グランタンカさん、月の女神ルナーラさん、大地の女神スロフさん、
あと慈悲の女神クーガさんです。
もけきょ : クーガはカーレの神殿、スロフはバクランドの神殿にて声を聞くことができるのぅ。
双方共神像があるので姿を知ることもできる。(もっともその外見は人間の想像に
すぎん可能性が高いのじゃがな!)クーガはイラストがあり、スロフは「革の鎧を着て
青銅の兜をかぶった女」じゃ。
グランタンカとルナーラは…なんじゃ、マンパンの神の頭を持つヒドラから情報を
得るしかないのう。ルナーラは大きい黄色い目を持つ黒い顔をしておる。
グランタンカの場合はイラストがあるが、まぁ、赤く燃える目と明るくオレンジに
輝く髪をもっておる。
ちゃも : さすが神です。
もけきょ : これにて全エントリーが終った訳じゃな。
ちゃも : あとは開票を待つだけですね。
もけきょ : …全然「美人コンテスト」になってないような気がするのじゃが。(汗
【追記】
挿し絵からピックアップしてみました。(笑
【追追記】
私個人は「ソーサリー!」の挿絵は大好きです。誤解なきよう。
【追追追記】
ちゃも : えっと、いまさらですがお詫びのお知らせです。
非常に残念なことですが、エントリーナンバー1番のクリスタタンティの老婆さんですが、
実は「老婆」という記述はなく、逆に「農夫」という記述から男の方である可能性が高く…(メモ棒読み
もけきょ : ちっとも残念ではないがのぅ。
問題は何故今ごろそれに気がつくか、じゃよ。
既に一年半ほど経過しておるぞ。
ちゃも : …なんででしょうね?
私に言われても…です。(^^;
※「もけきょ」と「ちゃも」は2002年当時、当コーナーを担当していたキャラです。