第二巻の舞台である港町カーレにはいくつかの牢屋が存在するが、問題の牢はレッド・アイの連中がしきる牢屋である。例の、閉じこめられるとゲームオーバー率が高いあそこである。カーレから冒険をはじめた戦士のみなさんにはあそこはきつかろう。(笑
さて、この牢から抜け出す数少ない手段の一つとして、鍵を使う方法がある。この方法を実行するためには、当然あらかじめ牢屋の鍵を入手しておく必要があるのだが、これはシャムタンティ丘陵にあるクリスタタンティの乞食から入手することができる。つまり、第一巻で手にはいるわけだ。やはりシリーズを通じて遊ぶことをお勧めするな、私は。入手の際にはお恵みの金貨を忘れずに!(余談として、この鍵は同じシャムタンティのエルヴィン達が探しているという情報があるが、なるほど納得。牢屋には1人のエルヴィンが先客として閉じこめられている。)
ここからが疑問である。
例の乞食がカーレの牢番をしていたのはずいぶん前のことなのだが、彼が逃げ出した時にレッド・アイ達は何故鍵を取り替えなかったのか? 普通取り替えるよなぁ。
…などとくだらないつっこみをいれるわけではない。そんなのはただの揚げ足取りに過ぎないであろう。では、「疑問」とは何か?
それは「何故内側から鍵を使って扉を開けることができるのか?」である!
この牢の扉は鉄格子ではない。つまり、外側についている鍵穴へ手を伸ばすことは不可能なのだ。すなわち、扉の内側に錠前がついていることになる。はっきり言って、構造に欠陥があると思う。(これも充分揚げ足取りだって? ごもっともw )
【追記】
挿し絵よく見たらちゃんと鍵穴が描かれていました。
内側に(笑
「シャグラッドの危険な迷路」とは、ソーサリーの著者であるスティーブ・ジャクソンによるTRPG『ファイティング・ファンタジー』に収録されている迷宮である。
『ソーサリー!』本編には登場しないのだが、どうやらカクハバードに存在しているようなのだ。迷宮内のレストランにて、ボンバの実、グロイスター、ワトールスープ、ヴィトルを食すことができるのだが、これらのメニューはソーサリーで登場したものばかりなのだ。ボンバはクリスタタンティ、残りはバグランドのセスター商隊で見ることができる。
カクハバードを含む世界を詳しく記した書物『タイタン』によれば、ヴィトルはアナランドの特産品である。したがって、迷宮はアナランドにあるとも推測できれるのだが迷宮が存在する土地を買い取っていたのが黒エルフであることを考えると、無理がある。では無法極まるバグランドであろうか? いや、一応土地の所有は保証されているようだ。
個人的にはシャムタンティとモーリステシアの境目あたりが怪しいと思うのだが、いかががだろう。
・ドラゴンがいる。
・バンパイアがいる。
この2点だけでもいかに危険な迷宮かが判るというものだ。おそらく大魔王の手が未だ伸びていないダンジョンだと思われる。もしも推測通りシャムタンティに存在するならば、未だ大魔王の手がのびていないのも納得できる。
…と思ったが、レンドルランド(アナランドの、カクハバードとは違う方角に面している土地)の可能性も充分ありうる事にたった今気がついたので、ここでやめとくか。
【追記】
MAPです(『タイタン』より)。カクハバードがカーカバードになっております。
こうしてマップをみると、カクハバードも小さいものですね。
(訳がちがうだけで、どちらが正しいということではない。創土版ではどちらになるのだろうか?)
【追追記】
創土版ではカーカバードでしたね。
【追追追記】
先日和訳された『真・モンスター事典』のゾンビの項において、アナトル・ラーなる逆賊の司祭がアランシアでゾンビの類を操り指揮していたと書かれている。この人物、「シャグラッドの危険な迷路」に登場するアナトール・ラーと同じであろうと推測される。つまり、この迷宮はアランシアにあるということになりそうだ。
「おおかた、マカリティックをいたぶりにきたんだろう」マンパン砦の通路番であるノームのリッドの台詞である。
問題のマカリティックという生き物であるが、これはマンパンの大魔王が連れてきたという鼻の長い、粘液にまみれた生き物である。『モンスター事典』にはその名も粘液獣として紹介されている。獣とはいっても、一見言葉を理解する知能はあるように見える…。だが耳が遠く、声は小さくて聞き取りにくい。そしてその息は、マカリティック以外の生き物には即効性の猛毒という危険極まるモノである。
このような強力な生き物を「いたぶる」という…。はっきり言って、無理がありすぎる。まず発言者のリッド自身、とてもではないがマカリティック相手に闘えるとは思えない。では一体誰が…?
彼が番をしている通路が通じている中庭の連中の中には、マカリティックを「いたぶる」ことで遊ぶほどの強力なメンバーがいるのかもしれない。中庭を覗いてみることにしよう…。それっぽいのがいました。
レッド・アイの3人組。彼らならば、例の「炎の視線」でマカリティックをいたぶることができそうだ。また、レッド・アイが持つ気質からも、他者をいたぶって遊ぶというのは納得できる。しかし「いたぶる」のがレッド・アイだとした場合、一つの疑問が残る。例の台詞はあくまで主人公に向けての台詞である。レッド・アイというのは、普段はその視線を抑えるために目を閉じているのだ。人間である主人公が目を閉じていたとは思えない。これはどうやらレッド・アイ以外にもマカリティックを「いたぶる」連中がいると考えなければなるまい。
そもそもマカリティックという生き物は、近づかなければ大した危険は無い。レッド・アイのように離れた所からちょっかいを出す手段を持っているならば、マカリティックが近づいてくるまでに「いたぶって遊ぶ」ことはできる気がする。そう、炎の視線でなくともよい。石やら残飯やら、何か投げるモノがあれば充分なのだ。
中庭にはサイトマスター達と衛兵達も居る。レッド・アイを含め、彼ら全員が遊んでいる可能性があると言えるのだ。おそらく彼らは頻繁にマカリティックで遊んでいるのだろう。どれぐらいまで近づけるかなど、チキンラン的な楽しみをしているのかもしれない。そしてリッドは、そういった連中が彼の持ち場を行き来するのを見飽きているのではなかろうか。