◆ 杖をめぐる冒険

『エンサイクロペディア・アルカナ Vol.1』は「アイテム集」とあるように、FFシリーズ由来の様々なアイテムに関する記載が多い。『ソーサリー!』からも、金のロケット橙色の粉末をはじめとして、呪文の触媒各種や、かの王の冠など、多くのアイテムが紹介されている。そんな品々の中に、こいつは見逃せないという一品が混じっていた。「大魔王の杖」である。

 マンパンの大魔導の杖とされるこのアイテムだが、『ソーサリー!』本編には登場していない。ファレン・ワイドはもちろん、例の影武者の手にも杖はなかった。それもそのはず、『エンサイクロペディア・アルカナ Vol.1』においても、件の杖はだいぶ前に壊れてしまっていたと書かれている。


 後に杖は、大魔王がザメン高地のヒドラと壮絶な戦いを繰り広げたときに壊れてしまいます

 ……そしてそのあとに続く一文は衝撃的だ!


 (そして杖を失ったことが、大魔王がネザーデーモンに体を乗っ取られる要因の1つになったと考えられています)

 あくまで「考えられています」ということで、これは仮説の一つですよねぇ。きっとそうだ!(自分はほら、以前から「自らの意思でデーモンに転生した説」を推しておりますので……)

 しかしそれはそれとして、この流れは興味深い。というのは、この杖を「アヴァンティの森にすむ、野生の森人のシャーマン王」なる存在が新たに鍛えなおした可能性があるという話が続くからだ。つまり、マンパン砦に乗り込む前にアヴァンティ森を舞台にした冒険があり、リワードとしてこの杖を入手するエピソードがあったなら……。導入も問題はない。実はこの杖、『エンサイクロペディア・アルカナ Vol.1』が初出ではないのである。『タイタン』に書かれているコレトゥスが大魔導に一撃を加えようとして失敗したシーンにて、「大いなる杖を手にしていない時を狙った」とある。つまりこのあたりの情報はザメンを徘徊しているコレトゥス本人から聞き出すことができるはず。
 なんやかんやして苦労して得た「大魔王の杖」を手に砦に乗り込み、影武者かあるいはファレン・ワイド、つまりネザーデーモンに乗っ取られてしまった大魔王その人に渡すことで人格の復活を促し、共にデーモンを駆逐するという展開がありえるのではないか。その後あらためて冠を巡って雌雄を決するなどすれば、なかなかに盛り上がりそうではないか。

 しかもこの杖、そもそもはスローベンに伝わる古代の〈力の杖〉の一本だったものを、大魔王が盗んだという曰くつき。いくらでも話が広げていける気がする。

(2/22/26)

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