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 ビルマ・国民民主連盟(NLD)の連邦記念日特別声明(2006年 2月12日)が送られてきましたので掲載いたします。

国民民主連盟 ヤンゴン市バハン区 西シュエゴンダイン通り No.(97-kha )

2006年2月12日  ビルマ暦1367年ダボウドゥエ月満月

 特別声明

(1)主権を有する独立国家を建設するため、また連邦国家としての礎を堅固にして行くためにも、国民の統一と団結はきわめて重要な政治的課題である。国民の統一と団結が失われるならば、国内に居住するすべての民族は平和的な手段によって話し合いを行ない、政治的な問題を政治的な手段によって解決を図り、再構築しなければならない。

(2)

(イ) ビルマ連邦においては、国民の指導者アウンサン将軍自身が1947年2月12日にシャン州南部ピンロンのおいて、連邦諸民族代表の参加する会議を開催し、国民の統一と団結をかためたという顕著な例がある。アウンサン将軍は話し合いを通じて国民の統一と団結を実現したのである。   

(ロ) 諸民族がそれぞれ話し合いに参加し、ひとつにまとまって統一と団結の精神、すなわちピンロン精神を生み出した。この歴史的な日にあたって、われわれ国民民主同盟はその意義を顕彰する目的で本日連邦記念日式典を挙行した。ピンロン会議の成果があったればこそ、私たちは1948年1月4日、主権を有する連邦国家として内外に独立を宣言することができたのである。

(3)しかしながら、現在の状況を見るならば、私たちは国民の統一と団結をより堅固なものに築きあげることができず、残念ながら、諸民族の統一と団結は崩壊の危機に瀕しているといわざるを得ない。そればかりではない。国民は経済的な困難におちいっており、エイズ、マラリア、結核など医療、保健の分野でも問題をかかえ、社会全体は著しく悪化している。国内におけるこうした社会状況の悪化に対し、ビルマには資金力がないため対応できず、世界各国の組織・団体などからの人道的援助を必要としているのである。

(4)そのような状況に鑑み、国民の統一と団結を実現した記念日にあたって、国民和解をめざすわれわれ国民民主連盟は、国家と国民のために以下のような提言を行なう。国家平和発展評議会(SPDC)がこれらの提言を真剣に受け止め、その実現に努力することを望む。

(イ) 国民議会の招集と開催について、国家法秩序回復評議会(SLORC。現在のSPDC)は1989年3月31日にNo.14/89「国民議会選挙法」を制定、公布した。 

(ロ) その法律の項目のひとつに「議会の設置」が掲げられており、「議会は各選挙区において、当法律の定めにもとずいて当選した代表(議員)によって構成される」と規定されている。   

(ハ) 複数政党制による総選挙は1990年5月27日に実施された。この選挙は自由かつ公正に実施され、当選者は複数政党制選挙管理委員会から公式に発表された。ビルマ政府公報にも国民議会議員として名前が公表された。以上のことから国家平和発展業議会は自らが公布した法律の規定に従って国民議会を招集し、設置しなければならない。

(ニ) 国民議会は国家平和発展評議会をde jure(法的に正当な行政組織)であると発表する必要がある。なぜならば、国民議会のみがそうした発表をする権限を有しているからである。他のいかなる組織にもそうした権限はない。現状において国家平和発展評議会はde facto(法的な正当性のない行政組織)であるにすぎない。   

(ホ) この提言は、国民大衆がそれぞれの自由な意思によって投票を行ない、その結果として選出された代表(議員)による政府が樹立されるまでの移行期間においては、国家平和発展評議会が暫定的に責任を負う政府となるという意味である。この民主主義への移行期間をどの程度に定めるのかについては双方が話し合う必要がある。      

(ヘ) 同時に、国民和解の実現をめざして、対話を行なうべきであると早い時点で提案したアウンサンスーチー国民民主連盟書記長がビルマの政治的変革にかかわる話し合いに加わることを認めるべきである。2003年5月30日以来彼女に科されている自宅軟禁を無条件で撤廃し、充分な精神的自由、肉体的自由を保証して、なんとしても政治対話に参加できるようにしなければならない。   

(ト) ビルマにおける民主主義体制の樹立をめざして、アウンサンスーチーはビルマの国民大衆ならびに国民民主連盟を指導している。アウンサンスーチーは総選挙において国民大衆の絶大な支持を獲得した国民民主連盟の指導者であるのみならず、すべての民主主義勢力(少数民族を含む)から信頼され、認められている民主主義の指導者である。   

(チ) 彼女は政治的な折衝を行ないながら改革を実現できる人物である。かつてお互いの信頼関係を醸成するための対話が国家平和発展評議会と国民民主連盟のあいだで行なわれたことがある。しかし、それは真の政治的対話ではなかった。信頼関係を醸成する過程でうまく行かずに中断してしまった。対話は国家とすべての国民にとって有益な方法である。   

(リ) 国民和解のための話し合いを行なう過程で、仲介者が必要であるとの結論に達したならば、その仲介者は当該国の国民大多数が受け容れ、信頼を寄せる、東南アジア諸国連合(ASEAN)の国家指導者であるべきである。

(5)現在の状況において、国家と国民大衆の利益を考慮するならば、民主主義への移行期間はなるべく速やかに終了することが望まれる。そのため国家平和発展評議会はわれわれの提言を検討し、西暦2006年4月17日、ビルマ暦1368年元日までに回答されたい。めでたい新年を迎えるときに、ビルマ連邦国民すべてが喜びと誇りをもって祝うことができるような政治的改革の一歩、すなわち国民の統一と団結のための最初のステップを実現できることを望む。

 (2006年2月7日に開催した中央執行委員会会議の決定による)

 国民民主連盟 中央執行委員会

 

 連邦記念日に関するアウンサンスーチーの演説から

 「民主主義とは国家の問題を流血の事態を起こすことなく、政治的な方法で解決することを可能にした制度です。民主主義とは国民大衆が政府を規制するシステムであり、政府が国民を規制するシステムではありません」 「私たちの国は連邦国家です。連邦とはどういう意味でしょうか? 私たちの国には多くの民族が住んでいます。そもそも独立をかちとろうとした時期から、諸民族が心をひとつにして団結することで独立を実現したのです。ですから、今後もわたしたちの国が発展を遂げるためには、連邦諸民族、少数民族の人々すべてが一致協力することが必要です」 「父の言ったように、私たちの国では、国民は規律を守らなければならない、団結しなければならないということは何度も何度も際限なく言って行かなければなりません」 「固く結束する、まとまるということは上から強制してできるものではありません。銃で脅かしてできるものでもありません。心の底からわかりあって実現しなければなりません」 「人と人とがおたがいに理解しあい、尊敬しあう。そこからほんとうのまとまり、団結が出てくるのです」 「団結して協力する、目的に向かって誠実に行動する、それが実現すれば勝利の日は早く来ます」

 国民民主連盟 中央執行委員会

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