お母さんの水野病院入院記録
開排位持続牽引整復法の為に入院されたお子様のお母さんからいただいた情報です。
これは、娘が7ヶ月の時「先天性股関節脱臼」の治療のため入院していたときに、日々の疑問を鈴木先生に 伺いまとめておいたものです。
同じ疾患で入院される方のお役に立てばと思いノートにしました。
作成 平成18年10月 ○○ママ
<質問1>
先生のHPには、脱臼と向き癖は逆が多いと書いてありました。しかし、娘は左の向き癖(指しゃぶりも左)で左の脱臼です。脱臼を治していくうえで、やはりできるだけ右を向かせ向き癖をなくしていったほうがいいのでしょうか?それとも、自然に脱臼がよくなれば向き癖は治っていくものなのでしょうか?
<回答>
・向き癖は内因的なものなので、脱臼が治ったために向き癖が変化するとは考えにくいと思います。向き癖は、3ヶ月くらいで反対向きとなる赤ちゃんもたくさんいますので、多分、初めは「右向き」だったと推測されます(あくまでも推測です)。
<質問2>
娘の脱臼は遺伝(祖母→私→娘)だと思いますが、遺伝の場合ひどくなることが多いと聞きますがどうなのでしょうか?
<回答>
脱臼のお子さんがいる場合、血縁関係の方に脱臼があるのは3-4割です。ひどくなるかについてはよくわかりません。
<質問3>
足引っ張り体操(リズミカル運動)のコツを教えてください。
<回答>
リズミカルにやると赤ちゃんの気持ちよくなって抵抗することなく効果的にできます。ただ、ゆっくりすぎると子供が緊張(抵抗する)するので気をつけましょう。足引っ張り体操は、時間より数のほうがわかりやすいかもしれません。
私は、100回(だいたい2分ぐらい)を目標にやっていました。体操をやっていて、手のあとが残ってしまうことがありましたが、「次の日まであとが残らなければいい」ってことでした。
<質問4>
牽引の効果的なやり方を教えてください。
<回答>
・ 足の力が抜けている状態で引くのが一番良いと思うのですが、そうですか?
→そのとおりです。
・ たくさんの時間引っ張って、たくさん体操をすれば下がりはいいですが?
→確かに頑張って牽引したほうが、結果もでやすいと思います。ただし、赤ちゃんにはそれ以外にもいろいろなことをしてあげなければなりませんので一日中やるのは現実的ではありません。1日4回以上をめやすにして、可能な範囲で、ということでよいでしょう。
・ 体操は引いた後や、引きながら行ったほうが効果があがるのですか?
→yes, ただし、赤ちゃん一人一人個性があるので、お子様に相応しい時期や方法がやがてわかるとおもいます。最初はいろいろ試してください。
<質問5>
寝返りが激しくとてもよく動くのですが、牽引して下がってきた骨は上に戻っていかないものでしょうか?
<回答>
戻ってはいかないので安心してください。
1度やわらかくなった筋肉は、すぐには硬くなりません。
<質問6>
授乳は、たて抱っこのほうがいいのでしょうか?
<回答>
ママと向かい合わせがよいでしょう。お尻が下がらないように小枕をいれたりして調節します。もしくは、ママがいすに座って片足を組むのもよいでしょう。
<質問7>
次も女の子が生まれた場合は、脱臼の可能性は高いですか?その場合、生まれてどの位で連れてくれば早く治すことができるのでしょうか。早ければ早いほどいいのでしょうか。
<回答>
脱臼の可能性は高くなります。治療は3〜4ヶ月(重要)で始めるのが普通です。その時期に専門医を訪ねるのがよいでしょう。
<質問8>
牽引している足が外側を向くときと向かないときがあるのはどうしてでしょうか。
<回答>
よくわかりません。足が外側を向いたままでも、真っすぐでも大差はないと推測しますが、極端に外を向くときはタオルなどを使って真っすぐになるようにしたほうがいいでしょう。
牽引の金具の向きやおもりのひもの長さは関係ないみたいです。
(気になるときは看護士さんに聞いてみてください)
<質問9>
第2段階でリーメンビューゲルをつけたときの注意点。
<回答>
抱っこ→おかあさんと赤ちゃんが向かい合うようにして、足が自然にひらいているような抱っこがよいです。
寝かせ方→足が開き過ぎないように下腿に小枕をいれます
(調節は先生が診てくれます)
お座り→子供が自然に行うのはいいが無理には座らせるべきではありません。なるべく開排での牽引が維持できるよう仰向けで寝かせておきます。
娘は、第2段階にはいるころには、動きが激しくハイハイやお座り、つかまりだちをしていました。リーメンをつけてもそれは変わらず行っていましたが、なるべく立つことをさせないようにしていました。
<質問10>
包帯の痕や、水泡ができてしまいましたが薬をつけたほうがいいですか?
<回答>
薬は最終手段です!! 巻き方や、ソックネット、ガーゼを使うなどしていろいろ試みます。
牽引が終わって包帯をはずした後、さすったりしてマッサージしてあげると良いみたいです。
☆第3段階後ギブスを巻くことになった場合にギブス室に持っていくと便利なものです。
カゴに入れて持っていくと帰り楽チンです。
・換えのおむつ
・おしりふき
・タオル(ガーゼ・ハンドタオル・帰り肩が寒いので薄手のタオル)
・おもちゃ(子供の好きなものを何個か)
・食べ物(子供は寝たまま動けないので、ボーロやハイハインなど
食べやすいもの)
・飲み物(哺乳瓶やマグマグなど寝たままで飲めるもの)
・ビニール袋(リーメンや巻いていた包帯などの持ち帰りに便利)
ギブス巻きは母も不安ですが、母が不安顔になると子供も不安になるので笑顔を忘れずに!?
以上です。
第1段階は、付き添い生活や牽引にも慣れずに不安がたくさんあると思います。
私もそうでした。
しかし、鈴木先生の丁寧な診察や優しい言葉、看護士さんの笑顔と元気に励まされ頑張ることができました。
皆さんが親身になって話を聞いてくださるので思い切って話をするとスッキリしますよ。
病室にこもっていると親子でヘトヘトになってしまうので、屋上で気分転換したり、お散歩したりしてリフレッシュするといいですよ。
私は、病院の周りを散策するのが楽しかったです。
親子で力を合わせて乗り切ってくださいね。