夢を実現し、感動を分かち合う
ホームページ責任者、小児整形外科専門医、鈴木茂夫
元滋賀県立小児保健医療センター整形外科医師、現在、東京、水野病院整形外科勤務
2005年8月23日以後 2025年8月31日更新
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水野病院の近くにある西新井大師は、日本3大大師の一つです。境内には塩地蔵という不思議なお地蔵さんがあります。このお地蔵さんにかかっている塩を持って帰り病変部に置くと病気が治る、と言われています。もしそれで病気が治癒したならば持って帰った量の2倍の塩をお地蔵さんに戻すことになっています。 |
2025年8月31日
19番目のカルテ
先週の日曜日に偶然「看取り」をテーマにしたドラマを見る機会があった。
私はいろいろな事情から看取りの場面には何度も立ち会ってきた。本日の朝も死亡確認をしてきたところだ。
大抵の場合は、ナースステーションへ行って慣れない聴診器を首に掛け、病室へ向かう。患者の呼吸停止と心臓停止を確認し、次にペンライトで瞳孔反射消失を見届けてからご家族に「ご臨終です」と伝える。その後合掌して退室する。ただそれだけだ。
だが、本日の患者さんは違った。ご年配の患者さんで重大な疾患があり、私は依頼されて2回も大手術を行っていたのである。小児の手術の場合であれば、予防手術であったり、再建術であったりして、未来のある行為なので、手術をしていても決して暗い気持ちになることはない。しかしこの年配の患者さんの場合は、たくさんある悪い部分の1部をやむなく切除するのであって、手術をしていても明るい気持ちにはなれなかったことを記憶している。それでも、手術から回復してしばらく経ってから全身状態もよくなった。食欲も出てきて食事をしながら「ごはんがとてもおいしい」と言いながらすごく幸せそうであった。回診に行くたびに私の手を握って、「ありがとう」と言ってくれた。本日、笑顔で亡くなっていた。
だがこんなケースは稀だ。大抵は型のごとく淡々を事が運んでゆくのである。本当はあのテレビドラマのように、一人一人を大切にして看取りを内容のあるものにすべきであると思う。家族や知り合いに見守られて「恰好よく」「美しく」死んでゆくのが本人だけでなく家族も幸せなのだと思う。
このドラマは実際の現場とはずいぶんかけ離れているが、明るい気持ちにさせてくれたのは事実である。
2025年8月11日
油断できない臼蓋形成不全
先日、股関節痛と跛行の為に10代の娘さんが来院されました。実は5歳の時に股関節臼蓋形成不全があり、私は強く手術を勧めておりました。その後来院されなくなっていましたが、10年を過ぎた今、すでに亜脱臼と著しい臼蓋形成不全があって、手術は不可能な状態でした。5歳のころ予防的な手術(安全で確立した手術)をしていれば一生股関節の問題に悩むことはなかったはずですので、非常に残念な思いをしております。
。5歳前後の臼蓋形成不全の場合、自然治癒することもありますが、場合によってはこのようなケースもありますので、慎重に対処する必要があります。
2025年6月22日
11歳前後の娘さんの股関節痛。
乳児検診で問題なかったお子さんの中に、11歳頃股関節痛が発現する場合があります。多くは単純性股関節炎といって股関節内に水が溜まる場合で心配ないのですが、股関節臼蓋形成不全による痛みの場合があり、その数は意外と多く、いろいろ考えさせられます。
成長過程で股関節の臼蓋形成不全が起こってくるケースであり、検診で発見されることはありません。多くの場合、血縁関係のある方に先天性股関節脱臼や股人工関節手術の既往がある場合が多いのですが、遺伝がはっきりしない場合もあります。
11歳という年齢は急激に体が大きくなる時期です。股関節には体重の7倍の力がかかりますので、臼蓋形成不全があると体重を支え切れなくなるわけです。この時期に股関節痛みが発現したときは小児整形外科あるいは股関節専門医を訪ねてください。
コロナが終息して、小児整形外科受診を控えていたお子様が戻ってきました。それに伴い手術数も増えております。
手術は小児整形外科専門医が3人で行っております。骨、神経、血管それぞれの解剖に熟知しておりますので、安全におこなっております。
赤ちゃんの保健所からの検診依頼については、月曜日、火曜日に中村先生が担当されます。
小児整形外科の新患外来は、柏木先生(月曜午後、火曜午前、木曜午前)、中村先生(月曜午前、火曜午前)、鈴木(木曜午前)の担当で行ことになりました。新患外来の予約が取りにくい場合には ort at kir.biglobe.ne.jp (atは@に変えてください)にメールをくださればなんとか致します。
小さいお子さんの診察の際に、歩行或いは異常部位の動画をご家族が撮影し拝見させていただくことが多くなりました。これは大変参考となります。1〜3歳のお子様の場合、かならずしも診察室で歩行してくれるとは限らないからです。診察室でうまく歩行できないなどの懸念がある場合は、スマホなどで動画を見せていただけると幸いです。
今、私達は、脚延長に力を入れております。軟骨無形成症の為に身長が伸びない、或いは外傷、疾患によって脚長差や変形がある場合等、是非来院してください。本院の柏木先生は、この分野における我が国のパイオニアであり、日本で最も延長経験のある先生です。手術によって四肢変形矯正や身長を伸ばすことが今では可能となっています。
身長116cm 下肢延長 上肢延長 最終身長132m
このコーナー過去の主要記事(2024年4月2日)
ご質問のある方は、ort at kir.biglobe.ne.jp (atは@に変えてください)にメールをください。
メールをいただいた方には必ず返信をお送りしております。最近、ご返事をしてもエラーで返されることがたびたびあります。特に携帯からのメールの場合にエラーが多いようです。返信がなかった場合には、携帯に問題がないかどうかお確かめください。
診察日。
新患外来:月曜日、火曜日、木曜日です。小児整形外科専門医が対応いたします。急ぐ必要がある場合にはメールをくださればなんとかします。ort at kir.biglobe.ne.jp (atは@に変えてください)
いずれの外来も平日14時から17時、に電話(03-3898-8080)予約をお願いいたします。
内反足外来:月曜日午前、完全予約制です。早期の治療開始が必須です。とりあえずメールをくだされば優先的に外来診察の都合をつけます。
お知らせ(2016年12月24日): 外来受診、入院治療、そして手術を受ける予定の方は必ずお読みください。
疾患の説明: 小児整形外科学疾患を専門医の立場からはどのように考えるか述べて行きます。
側彎症(11/10)
先天性股関節脱臼22.9/3) ペルテス病(19.5/4) 大腿骨頭辷り症15.5/17)
O脚・X脚・ブラウント病(10/27) 下肢の回旋変形(11/3)
先天性内反足((22.8/19) 様々な足の変形(06.7/9) 足指の変形(2019.09/15)
骨延長(10/25)
骨形成不全(10/27)
スポーツ障害・外傷(06.4.27作成)
脳性麻痺の整形外科的治療(18.5/19)
診療実績(2024年.1/21) 扱った疾患や手術例の統計と解説です。
★ ご質問、ご意見などがありましたらどんなことでも結構ですので、ortATkir.biglobe.ne.jp (ATは@に変えてください)にメールをください。なお、ご質問内容がホームページに掲載されることはありません。
滋賀県立小児保健医療センター整形外科のホームページ
私が以前勤務していた施設です。小児整形外科のあるゆる疾患に対応できます。
たかせ整形外科のホームページ
元滋賀県立小児保健医療センター整形外科スタッフで京都で開業されました。患者さんの立場に立ってよく話を聞いてくれるやさしい先生です。悩みを抱えておられるご両親にとっては話をするだけで癒されるでしょう。京都ならびにその周辺で小児整形外科疾患でお悩みの方は、ここを訪ねてみてください。きっと明るい希望が見えてくるでしょう。
水野記念病院のホームページ
私の勤務先です。全職員が協力的なので気持ちよく働いています。すこしづつですが小児整形外科治療をおこなう環境が整いつつあります。やり甲斐のある仕事ができることに感謝の毎日です。