ペルテス病に関するご質問
ご質問No 2 2018年9月 こちらのホームページを拝見し、メールさせていただきました。 もうすぐ12歳になる息子がペルテス病と診断されました。装具での治療になると言われ、その日に型取りをしました。ペルテスのことをいろいろ調べると、9歳を超えた年齢での発症の場合装具での治療は難しいと言う事が載っています。 ――――――― 主治医の話では、装具での治療の他に長期入院や手術という方法もあるが、いろいろな事情から積極的には行っていないとのことでした。実際に装具を装着してみて、これから長期にわたって学校生活が可能かどうか、また本当に装具での治療で治るのだろうかと心配です。 ―――――― お返事 |
ペルテス発症が9歳以後であれば一般的に装具療法の適応はありません。これはここ数年前からですが専門学会で提唱されてきたことです。いろいろ理由があるのですが、この年齢になると装具による骨頭の完全な包み込みが困難であり、たとえ完全に包み込まれたとしてもそれを何年にもわたって維持することが大変なことだからです。したがって、この年齢での装具療法の成績は私達の経験からも良くありませんでしたし、他施設からの報告でも同様の結果が出ています。ももちろん手術療法を行っても難しいことに変わりはないのですが、装具療法と比べれば格段に成績は良好です。この年齢では骨頭を完全に包み込むために、大腿骨だけでなく、骨盤の手術が必要なのでどこの施設でもできるというわけにはゆきません。
ご質問No.1 2018年8月 |
ペルテスの早期発見が重要なのですが、現実には半年以上もわからずに放置されるケースが後を絶ちません。これは医学教育に問題があります。一般整形外科医にいろいろ聞いてみると、たとえば関東の大学医学部の授業における小児整形外科教育の内容は不十分なことが多いようです。大学によっては非専門医がわずかな時間の講義でおわっている場合も本当にあるのです。ペルテス病においては膝痛が主訴のこと少なくありません。しかし、一般整形外科医の場合このような時に膝しか診ない、ということが本当に多いのです。とにかく跛行があったら股関節を疑え、というのが原則です。そしてすみやかに小児整形外科専門医を訪ねるということが重要です。
滋賀県立小児保健医療センター在職中にメールにてペルテス病に関するご質問をたくさんいただきました。すべてにご返事を差し上げてきましたが、その中でも他の皆様のご参考になると思われる重要なご質問については固有名詞を削除し、個人情報に触れると思われる部分についてはご質問された方に掲載の許可をいただいた上で、ホームページ上でご紹介してまいりました。また、その後の経過がはっきりしているケースについては新たに加筆編集をおこないました。ペルテス病に関する皆様からのご質問はほとんどここのご質問のどれかに当てはまるのではないかと思っておりすので、ご参考にしていただければ幸いです。
ペルテス病についてご質問のある方は、ort at kir.biglobe.ne.jp (atは@に変えてください)にメールをください。
御質問252
はじめてメールいたします。5歳**月の長男の事なのですが、*月++日に初めて左股関節に痛みが発症。2〜3日で痛みが消失いたしました。その後、痛みを訴える事もなく幼稚園に通園しておりました。その間に再度痛みを訴える事もなくまた、歩行時にもそのようなしぐさは見受けられませんでした。しかし、**月+日に再度、左股関節に痛みを訴えたため近所の整形外科を受診しました。その際、単純な関節炎・ペルテス病ではという診断でした。ただ、その場では確定ではなく今後MRI・骨密度検査などの精密検査をおこないながら経過観察をしていくとの事でした。ただ色々と文献・インターネットでの検索を行うと万が一ペルテス病と診断された時には家族一丸となってがんばらなければならないと思いました。そこで教えていただきたいのですが、
1。確定診断が出るのはいつ頃になりますか?
2。また、専門の医師の診断を受けたほうが良いのでしょうか?
3。現在、**市に在住しており専門の医師もしくは医療機関はありますでしょうか?
よろしくお願い致します。
御返事
*月++日発症とすれば、通常、関節炎・ペルテス病の鑑別は可能です(臨床所見、X線、MRIなど)。数カ月わからないことがありましたが、そのようなケースは稀です。専門医師を受診した方が良いと思いますが、**市の専門医の情報がありません。
緊急を要するものではありませんので、しばらく現在の病院で診断がつくまで受診し、万が一ペルテス病ということが確定したならば、その時点で専門医を受診することで良いと思います。
御質問248
初めまして…
**市に住む**歳の男子の母です。近くの整形外科の先生に診て頂いていて、レントゲン撮影、MRI撮影の結果、ペルテス病のようなので…と、**病院を紹介され、MRI撮影後、右足付け根に血溜が見られるとの事で、ペルテス病と診断されました。
お忙しいところ申し訳ございませんが、質問は、以下の通りです。
Q1.貴病院のHPを拝読した限りでは、手術療法を選択したくなるのですが、子供の年齢と、明らかな変形が確認されていない今の段階では、やはり装具療法がベストなのでしょうか?**病院では、今のところ手術療法の説明は受けずに、早々に装具を作るために型、サイズを取って頂きました。
Q2.手術療法を選択した場合、手術前後の入院、訓練期間を合わせてどれくらいの期間が必要ですか?
どこかお勧めの専門病院はありますか?
Q3.小学校入学したばかりで、休ませるのも不安です。
しばらく装具療法を行って学校に行かせ、夏休みの早い時期に手術をして貰う様にすると、病気には悪い影響となりますか?
御返事
**日に股関節痛はじまり、最終的にはMRIでペルテス病と診断されたとのことで御心配のことと存じ上げます。
さて、まず診断ですが、ペルテス病の場合には痛みがおさまっても跛行が続くことがおおく、また、上向きに寝かせた状態で、股関節をおへそにむかって曲げると痛みがでることが特徴です。また、MRIでは関節内に血溜だけでなく、骨の壊死がみられることが診断の根拠となります。
御質問におこたえいたします。
Q1.貴病院のHPを拝読した限りでは、手術療法を選択したくなるのですが、子供の年齢と、明らかな変形が確認されていない今の段階では、やはり装具療法がベストなのでしょうか?**病院では、今のところ手術療法の説明は受けずに、早々に装具を作るために型、サイズを取って頂きました。
年令を考慮すると装具療法でも手術療法でも正しくおこなえば成績良好です。重要なことは、それぞれの方法を御家族ならびに本人がただしく理解し、実践することです。治療期間とか、学校のこととか、つらいことはなにかとか、そして経過によっては方法を切り替えることも必要ですが、そうした説明を納得ゆくまで聞く必要があります。
Q2.手術療法を選択した場合、手術前後の入院、訓練期間を合わせてどれくらいの期間が必要ですか?
どこかお勧めの専門病院はありますか?
いかなる方法をとるにせよ、まず股関節の動きをよくすることが前提です。したがって、装具療法でも手術療法でも、股関節の動きが悪ければリハビリが必要です。その後手術療法の場合は、術後4週のギブス、その後2-4週、松葉杖で歩く練習をして自信がついたら退院です。
Q3.小学校入学したばかりで、休ませるのも不安です。
しばらく装具療法を行って学校に行かせ、夏休みの早い時期に手術をして貰う様にすると、病気には悪い影響となりますか?
最初からどちらかに決めた方が良いと思います。
ということでがんばってください。
御質問238
**歳になる男の子のことで相談したくメールしました。お忙しいところ誠に恐縮ではありますが、ご質問にお答えくださいますようよろしくお願いいたします。
経緯は以下のとおりであります。
平成14年**月時々びっこをひいて歩く。痛みはないとのこと。かかりつけの小児科で診察してもらうが、「特に問題なさそうだが、気になるようだったら整形外科で見て貰ってください」とのこと。
整形外科を受診。歩行状態を観察し、膝のレントゲン撮影した結果、「特に問題はないようです。痛みもないようだし、大丈夫でしょう。びっこも時々ということだし、わざとそういう歩き方をしているのかも。しばらく様子を見て痛がったり、気になるようならまた来てください。」とのことでした。
その後びっこのひきかたが顕著になってきており、別の小児科で受診しようと思い総合病院に行くと、整形外科で受診するように言われ、股関節のレントゲン撮影の結果ペルテス病と診断されました。レントゲン写真では右足の大腿骨の頭頂部が扁平し、波打った状態で、左足のと比較すると1/2以下になっており素人の自分でも異常がはっきりわかりました。また、左足も卵型で球形ではありませんでした。担当の先生は「末期的症状になっており、治療しても今よりもよくなることはないです。一応紹介状を書くので股関節の専門の先生に見て貰ってください」とおっしゃいました。
確かに親として子どもの異常に対して無関心であった非が自分にあるのは重々承知しております。ただ、子どもの今後の事を考えるとどうにもやるせない気持ちでいっぱいになります。誠に申し訳ありませんが、以下の点についてお答えを頂けませんでしょうか。
質問1 発症から1年以上経過していると思いますが、その状態ではいかなる治療をしても完全に直ることは絶対にないのでしょうか?
質問2 症状の見られた右足だけではなく卵型になっている左足もペルテス病の疑いはありますか?
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長々と書いており、また文章だけでの質問も誠に失礼かと存じますがどうかお答え頂けますよう重ねてお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
御返事
5才未満発症のペルテス病の場合、一般的には予後良好なのですが、すべてではありません。とくに訓練などの指導がなかった場合には、骨頭の変形が強くなり重大な結果を招くこともあると推測されますし、実際にそのような報告も散見されます。
お子さんの場合、骨頭が著しく変形しており、今なお跛行がある、ということは、股関節の動きが相当制限されていると思われます。このまま特別な治療をおこなわなければ変形が固定してしまい、最終的には変形した骨頭が形成されて将来変形性股関節症となる可能性があります。
今早急に成すべきことは、股関節の可動性を回復することです。それにはとりあえず入院の上牽引ならびに理学療法が必要です。場合によっては股関節洗浄などが必要となるかもしれません。とにかく、可動性を回復することに全力を傾けなければなりません。可動性が回復した後に、変形の状態によっては装具、或は手術療法も必要かもしれません。
まだ年齢が小さいですので、これからただしく治療をおこなえば1年前に発生した変形でも、矯正される余地が充分あります。
この疾患は専門治療が必要です。一般整形外科が対処できるような疾患ではありません。
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いま非常に重要なな時期と思われます。がんばって下さい。
御質問209
**市に住む**と申します。 5歳になる息子が、ちょうど一年前に左ペルテスの診断を受けました。**病院の小児整形の先生にお世話になっているのですが、不安なことがあってネットをみていたところこのホームページを見て、メールさせていただきました。
一ヶ月の牽引、両足の装具(あるけないもの。車椅子をつかっていました)を8ヶ月、それから 歩ける装具をつけて治療しています。半年以上の車椅子生活で、かなり我慢をしていたので、その歩ける装具になってからの“走らない、ジャンプしない” などの制約が守りにくく、最初の一月後の検診では股関節の動きが悪くなり、また一月歩けない装具にもどり、その後、また歩ける装具に変わって、一月後の検診に昨日いったところ、また動きが悪いと・・・
装具はこのままで、「とにかく走らないように」「とばないように」と注意をうけて帰ってきたのですが この一年、保育園もやめて、かなり制限させているつもりなのでこれ以上どうしよう・・という思いでした。それで、このHPを見て、“訓練が肝心”とあったのですが、それはどんな訓練なんでしょうか? この一年、そんなことは一度も聞いたことがなく、とにかく装具を外さない事、と、寝るときもつけており他の部位への影響などはないんだろうかと心配もしつつ、主治医を信じてきたのですが・・・ 動きが悪くなるのはもしかして、その訓練をしていないからということはありますか・・?
それから、骨頭はまだ再生の途中のようなのですが、大腿骨が右にくらべて太くなっていて、 「これは変形です」と言われたのですが、この変形については「将来的に手術はしない。」「年をとってから支障がでやすい」「変形してしまったものはどうにもならない」という説明で、一体どれほどのダメージなのか よくわからないまま、不安ばかりが大きくなっています。今までは、とにかく吸収された部分に骨が形よく再生すれば・・と思っていたので、その下の骨の変形なんて考えてもいませんでした。 本当に、その変形はどうにもならないものなのでしょうか? それとも、手術などの必要がないくらいのものなのでしょうか?
突然のメールで、思いつくままの文章で、本当に申し訳ありません。 お返事いただけたら幸いです。
御返事
ペルテス病の治療の目的は、球形の大腿骨頭を形成することです。その為には、骨頭を臼蓋に深く包み込むことと、股関節を訓練によってあらゆる方向に動かして可動域を保つことです。この2つによって、すでに変形している骨頭を球形にすることができます。意外と忘れられているのが訓練です。年少児の場合は、訓練だけでもよい場合があります。また、極端なことを言えば、年長児であってもあらゆる方向に絶えず動かしていれば球形を保つことができるはずです。実際には日常生活で絶えず動かすことはできないので、変形を防ぐ為に骨頭を臼蓋に深く包み込むような装具を使うわけです。
理想的には、装具治療をおこなっている場合でも、一日に一定時間は股関節をあらゆる方向に動かす訓練をすべきです。ただし、お子さんの場合は、歩く装具をしていたわけですから、歩くことそのものが股関節を動かすという訓練の役割を果たしていると主治医が考えられているものと推測します。訓練そのものはむずかしいものではありません。
この疾患の治療中に動きが悪くなることはしょっちゅうおこります。動きが悪くなれば、そのつどまめに入院して集中訓練をおこなって動きを回復させることが必要です。動きが悪いままにしておくと、骨頭を球形にすることができなくなるからです。
さて、発症が5才未満ですので、予後は良好と推測します。指摘されているように骨頭、大腿骨の股関節に近いところ(大腿骨頚部)の幅が大きくなるというのはよくあることです。幅があまりにもおおきくなるようでしたら臼蓋が相対的に小さくなるので臼蓋で骨頭を被せる手術が必要となるかもしれません。
しかし、重要なことは骨頭が球形になる、ということです。球形にさえなれば実際、大腿骨の股関節に近いところ(大腿骨頚部)の幅が大きくなっても、後でいくらでも完璧な股関節を手術的に形成することができます。この手術は確立した安全なものです。
ということでがんばって下さい。
御質問205
はじめまして
私は13歳の男の子を持つ母です
昨年小学校の卒業の日,養護の先生に「足びっこひいてる」と言われ即整形外科に行きました。そこでレントゲンをとり、先生から「ペルテス病をおこし、その結果変形股関節脱臼になつていると判断されました。足の長さは2、5cm違います。それからというものどうすれば,この子のために一番いい方法はないかと、あれこれいろんな整形外科に行きました。
今は6ヶ月に一度の診察,観察です。痛みはありません。7歳から少年野球をしています。将来はプロ野球の選手になるのが夢です。スポーツが大好きです。この病気をもっていても運動はさせたいです。これからどのようにしたら,よいか、教えてください。ある整形外科では、手術ある整形外科では,今は手術は止めたようがよいといわれています。
よろしくお願いします。
御返事
レントゲンをとり、先生から「ペルテス病をおこし、その結果変形股関節脱臼になつている」と判断され、足の長さは2.5cm違うということであれば、すでに発症後かなりの期間が経っていると考えられます。現在13才ということであれば、今後骨頭が球形になってゆく可能性は低いと思われます。
これからどのような病状になってゆくかは、現在の骨頭の変形がどの程度かによって決まります。ということで、この疾患を多数あつかっている専門病院で診断を受けるべきと考えます。
御質問188
**市で整形外科を開業しております++と申します。
お忙しいところ恐縮ですが、ペルテス病の早期 MRI
像について質問させてください。
患児は3歳、男児で、今年の10月初めより走り方がおかしいことに気づかれています。徐々に跛行が目立つようになり、10月18日当院を初診しました。このときは代診医が診察、私が診たのは24日でしたが、右股関節屈曲内転で痛がり、X-P上は明らかな所見はみられませんでした(骨頭の側方化なし)。入院・下肢牽引・眠っているタイミングを見計らって
MRI をとりましょうと母親を説得し、昨日入院、本日 MRI のはこびとなっております。
さて MRI
所見ですが、関節液貯留なし、T1強調像で等信号、T2強調像で骨頭 epiphysis
全体が均一に高信号を示しています。明らかな左右差ではありますが、ペルテス病だとして、信号強度の変化が骨頭全体に均一にみられるにもかかわらず関節液貯留がないということはあるのでしょうか?単純性股関節炎だとして、骨頭の信号強度変化はありえるものでしょうか?
鑑別に悩んでおります。経過を追えばおのずと分かるものとは存じますが、早期
MRI 像について御教示いただければ幸いです。
御返事
ありがとうございました。
MRI 所見ですが、関節液貯留なし、T1強調像で等信号、T2強調像で骨頭 epiphysis
全体が均一に高信号を示している、ということであれば、すくなくとも現時点で血行の途絶はないと考えます。また、ペルテス病の初期であれば滑膜増殖を伴った水腫を認めるのが普通です。また、発症後3週たち、しかも3歳という年齢を考えると、すでにXR上骨頭の変化がでていることが多いと思います。ということで、単純性股関節炎の滑膜の増殖の無い、或は少ないタイプのものと推測されます。ペルテス病を疑ってMRをおこなったところ(最終診断ではペルテス病ではなかったのですが)、T2でepiphysis
に信号強度に左右差があるのはしばしば経験します。この理由はわかりません。
ただし、症状発現後2ヶ月あまりにわたって、XRはもちろんのこと、MRIでも変化がなかったにもかかわらず、2ヶ月後に完全なペルテス病と診断されたケースを経験しています。ということで現時点で画像診断で所見が無くても、長期にわたって厳重に経過を観察することが重要と考えます。
御質問194
初めてメールを書かせて頂いています。5歳*ヶ月になる娘のことで相談したくメールさせて頂きました。9月**日より、左股関節のぺルテス病で、**病院に入院し、MRIで右の方もぺルテス病のようだと言うことで、両足の牽引治療を行っています。(左は壊死範囲が広く、素人の目でも全体的に波打っているのがわかり、右は写真を見て、白さが濃いとか説明を受けましたが、私らの目ではわかりませんでした。)両股関節造影と、骨シンチでは、臼蓋に骨端が治っているので、装具装着は可能と言われました。来年から小学校に入学となるのですが、装具装着は両方か左足のみでよいのか主治医Drも悩んでいるらしく、++病院を紹介されました。
関節可動域をチェックしてもらったところ、まだ娘が痛みを訴えているので、あと2〜3ヶ月は牽引治療をした方がよいとのことでした。(左は外側の可動域が狭いところで痛み、右は痛くないようです。)免荷を重視しているらしく、両方の装具装着で、車椅子の生活を2〜3年余儀なくされるとゆうことで、現在検討中です。親の意見としては、なるべく近くの普通学校に入れたいと思っているのですが、どうしたらよいのでしょうか?是非先生のアドバイスをお願いします。あと他のDrの意見も聞きたいと思っておりますので、**地方で信頼できる先生のいる小児整形外科で、教育施設の整っている病院がありましたら、是非紹介して頂けませんか?よろしくお願いします。
御返事
5歳女子の両側のペルテス病にたいしては、治療方法にはいくつもの選択枝があると思います。装具療法も一つですが、両側となれば普通学校に通うには周囲の理解が必要です。治療期間は1-1.5年くらいは必要と思います。装具療法は手術よりも難しい、ということを認識しておいて下さい。
手術療法であれば装具療法よりは簡単で、成績も良好です。治療期間は短縮されますが、それでも半年から1年は無理はできません。
ということで、疾患そのものの診断と、本人、御家族の様々な状況を判断して治療方法をきめるべきです。
**地方では、==病院があります。
がんばってください。
御質問174
はじめてメールいたします。
ペルテス病について調べています。
5歳*ヶ月の男児です。9/27午後より左膝が痛みだし、9/**朝には左足の付け根が痛いと言って立ち上がることができなかったため、**病院の整形外科を受診いたしました。以前から足が痛いということはあったのですが、立ち上がることができなくなったのは今回が初めてです。
左膝、左右の足の付け根などのレントゲンを撮っていただいたのですが、今のところ骨に異常は見られないとのことでした。ただし、ペルテス病の可能性もあるので、一週間後に同病院にて再度受診することになっています。診察は問診、触診とレントゲンのみです。血液検査やMRIなどは行っておりません。痛みのある間は安静にと指導されました。お薬などは処方されていません。
上記のような状態で、もしペルテス病であったらと大変不安に思っています。この病気についていくつか質問させていただきたくメールいたしました。
質問1 ペルテス病かどうかはレントゲン以外でも判断できるのでしょうか?
質問2 もし、ペルテス病だった場合、本人が痛みを自覚してからどれくらいの期間で骨に異常があらわれるのでしょうか?
質問3 痛みがおさまった場合、保育園に通園してもよいのでしょうか?
質問4 ぜひ小児整形外科を受診したいのですが、**で小児整形外科のある病院をご紹介いただけますでしょうか?
以上、本来であれば担当の先生にきいておくべきことばかりなのですが、耳慣れぬ病名に気が動転して質問することができませんでした。勝手なお願いで申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いいたします。
また、最後になりましたが、こちらのHPの情報がとても参考になりましたことお礼申し上げます。ありがとうございました。
御返事
御質問にお答え致します。
質問1 ペルテス病かどうかはレントゲン以外でも判断できるのでしょうか?
疑いをもつことはできますが、確定診断はレントゲンかMRIです。
質問2 もし、ペルテス病だった場合、本人が痛みを自覚してからどれくらいの期間で骨に異常があらわれるのでしょうか?
さまざまです。少なくとも2週以内には骨異常がでると考えています。しかし、骨の異常が先の場合もあると推測されます。
質問3 痛みがおさまった場合、保育園に通園してもよいのでしょうか?
痛みがおさまり、なおかつ跛行がなくなれば通園OKです。
質問4 ぜひ小児整形外科を受診したいのですが、**で小児整形外科のある
病院をご紹介いただけますでしょうか?
++病院が小児専門病院の看板をかかげています。もしペルテスと判明したら一度訪ねてよく説明を聞くべきと考えます。
御質問180
はじめまして、**と言います。
5歳になる娘が、単純性股関節炎からペルテス病の疑いが有ると、診断されました。
経過といたしましては・・・
今年9月**日の早朝に左太もも辺りが痛いと言い出し、自分で起き上がるどころか、寝返りさえも出来ない状況でした。以前から「足が痛い」とは言っておりましたが、(成長痛だろう)と思い放っておいていました。ただ、その2日前の9月++日の朝に同じ所が痛いと言っていましたが、すぐに痛みもおさまったようです。病院へ連れて行ったところ「関節炎の疑い」と言ううことで入院しました。MRIでは間接周りにかなりの水が溜まっているとの事とでしたが、血液検査ではCPKが正常値の10倍もの値を示していましたが、CRPは正常でした。(関節炎とCPKとの関連は判らないとの事でした。)4日目の血液検査では、全て正常値でした。この結果から単純性股関節炎だろうと診断されました。入院8日目位には痛みもおさまって来たのか、牽引されているのも関わらず、ベットの上で動き回る程でした。9日目に「痛くないのなら牽引を外しても良いでしょう、多分水も引いてるんじゃないかな?歩けるなら退院してもいい、今後ペルテスの疑いも有るので、2週間後にMRI、3ヵ月後位にレントゲンを撮りましょう」と言う事で、11日目の9月+日に退院しました。退院1週間後に、また股関節が痛いと言い出し慌てて病院に連れて行きましたが、レントゲンに異常は無く、診察していただく頃には、痛みも治まったようで、特に何もせず帰ってきました。
10月**日にMRI検査の結果、水は無くなっているが、骨頭部に前は無かった白い影のような物が映っていました。それがペルテスの疑いが有るとの診断でした。ただ先生がおっしゃるには、「ペルテスならまだ痛がるはず、この子の場合痛みもひいてるし、ペルテスだとしてもごく軽いものかもしれない」との事でした。そして12月12日にもう一度、MRIとレントゲンを撮りましょうとの事で、その間は特に何もせず、様子を見るだけで良いとの事でした。ただ気になるのは、今日現在痛みは無いものの、びっこをひいています。
質問といたしましては・・・
1 12月**日までの2ヵ月半もの間放って置いて良いのでしょうか?
2 次の検査までの間、進行を止める為の方法(薬とか装具とか)は無いのでしょう
か?
3 飛んだり跳ねたり、走ったりしても良いのでしょうか?
4 次の検査までにMRIに映っていた白い影は消える可能性は有るのでしょうか?
長々と書いてしまいましたが、よろしくお願いいたします。
御質問
ペルテス病の初期経過はさまざまです。症状が出てからすぐにレントゲンやMRIで異常所見が見つかる場合もあり、一方、しばらくの間、まったく異常の出ない場合もあります。おおくは2週以内にはっきりするのですが、つい最近、症状発現後1ヶ月以上レントゲンで異常が見られなかった例を経験しました。その例では、2ヶ月の間症状が出たり消えたりしていました。その後除続的な痛みと跛行が出現し、レントゲンではっきりと診断できるようになりました。
重症度についてはまだわかりません。症状の程度と重症度はかならずしも相関しません。
診察の間隔については、実際に診察していないのでなんとも申し上げられません。
もし御心配であれば、他の病院でセカンドオピニオンを求めるのがよいかと存じます。
次の検査までの間、進行を止める為の方法(薬とか装具とか)はありません。
診断がはっきりするまで、飛んだり跳ねたり、走ったりすることは禁じるべきです。
次の検査までにMRIに映っていた白い影は消えるかどうかは、推測できません。
ということでがんばって下さい。
御質問156
はじめまして。小学2年生の息子がペルテス病(左足のみ)だと分かり、10ヶ月目を迎えようとしています。発病は6歳**ヶ月の時、現在7歳7ヶ月です。**で2ヶ月に一度のレントゲンで経過を見ている状況で、日常生活においては左股関節の免荷を続けています。病気がわかってから松葉杖を使っています。免荷の方法として装具を進められ、発病2ヶ月目から装具をつけて学校にも行っていましたが、本人が思っていたほど楽な物ではなく、2ヶ月ほどで圧迫感や不自由さを訴えはじめました。何とか頑張って装具をつけるよう、話をしたり工夫したりもしましたが、病院で松葉杖でも免荷出来ているのであれば問題はないとのことでしたので、本人の希望する松葉杖を使っています。
そんな毎日の中の不安や疑問点について、アドバイスいただければ有難いです。
質問1.2ヶ月に一度のレントゲンで経過をみてゆくのは、妥当でしょうか?
初めに、病気に関しては年単位で取り組むよう、お話されたので日数が必要
なのは分かっているのですが。
診察の度、続けて免荷、となるのでつい不安になってしまいます。
質問2.免荷の方法として装具をつけるのと松葉杖を使うのとでは経過の違いはあるで
しょうか?
松葉杖もすっかり慣れ、かなり動きも速くてしっかり免荷出来ていないのでは
ないかな、と感じます。
聞いてみたい事は沢山あるのですが、さしあたって上記の件が気になります。
ご返答、宜しくお願い致します。
御返事
ペルテス病発症よりすでに10ヶ月たっているならば、すでに新たな骨頭が形成しつつあるところです。問題はこの新しい骨頭が完全な球形になっているかということです。
免荷療法というのは昔によくおこなわれていた方法で今では古典的(実施している施設は少ない)方法です。もちろんこの方法によって骨頭が球形に形成されつつあるならば問題ないのですが。
それに対する再度の御質問
お返事有難うございます!本日2ヶ月ぶりの診察でした。レントゲンの結果、骨頭は前回より少し削れていて、松葉杖による免荷はうまくいってない様です。主治医の先生から、もう一度装具による免荷を進められました。本人にとって何が一番適した療法なのか・・・疑問が湧きます。ーーーーー
それに対する御返事
すでに変形が確認されているわけですから、早く治療を開始し、変形を矯正しなければなりません。
ーーーーーー
御質問150
はじめまして。私は6歳**ヶ月の息子をもつ30歳の母親です。6月++日 ”ペルテス病”の診断でした。
さかのぼって見ますと、昨年末より膝のあたりを痛がる。
1月ーーーー個人の整形外科へ来院。成長痛、筋肉痛、使いすぎと言われる。
2月初旬ーーーー別の個人の整形外科へ
両膝の辺りに腫瘍がある「先天性・・・・・・」と長い病名をいわれる。悪性でなく、成長するにつれてなくなるといわれる。そのころは、膝と太ももを痛がっていた。腫瘍の大きさを見るだけでいいので、半年後に来てくださいと言われる。
2月*日(日)ーーーー 朝、低い階段の最後の段を両足で飛んで着地した時、「痛い、歩かれへん」と泣きながら激痛を訴える。(少々の痛みでは、泣かない子なので、すぐ救急病院へ)膝のあたりの腫瘍以外、股関節もさわられたりしていたが、どうもないとの診断。使いすぎと・・・。
2月**日(月)ーーーー昨日の救急病院へもう一度行き、腫瘍のことを聞く、しかし前回の大きさがわからないので、全病院へ、このレントゲン持って行ってほしいと言われ、すぐに行く。診断は、何もなし、でも痛がってるのか、びっこを引いてる事などを話しても何もないと言われる。しつこい親にあきらめたのか?***病院へ紹介状を書いてもらう。
3月*日(月)ーーーー***病院の部長先生のところに診察を受けに行く、レントゲンを再度とり、大丈夫の診断。念のためMRIをとる事に・・。予約してかえる。
3月**日(水)ーーーー MRIだけとって帰宅。
3月***日(月)ーーーーMRI結果、腫瘍は大丈夫の判断、1年後に来てくださいと言われる。心配ですといい続け、来月の診断の予約を入れる。
5月初旬ーーーーレントゲンをとる。腫瘍はなくなってるとの事。問題ないので、来なくて良いと・・・。びっこがこの頃から目立つ。びっこのことも伝えたが「癖になっているのでしょう、甘えているのでしょうね」と。そんなことないと言ったのですが、
心配ないとの診断。心配なので、せめて3ヶ月後という事で予約をとる。
5月中旬ーーーー整体にかよう。(評判の良いことを聞き・・・。)びっこを直すため。一週間に一回のペースで・・・。
6月++日(土)ーーーー 整体から、レントゲンをとってくるよう指定の放射線科へ。私の通院中の歯科の先生の知り合いの++の整形外科へ、至急行くように勧められ、レントゲンをもって受診。そこではじめて”ペルテス病”の診断。装具治療の事や、長期になる事を聞く。
6月+++日(月)ーーーー**病院へ紹介状を持って受診する。ペルテス病の診断、「ひどいですか?」の質問に「まあまあ」「手術は、入院は?」 と尋ねても、「装具で経過観察」とあっさり言われる。「期間は・・。」「最低で一年半、治療も始めてないのに、先のこと考えないで」「でももうすぐ7歳です、骨の成長期も、精神的にもぎりぎりではないのですか?」「やってみないとわからないし、「装具をつけたまま小学校に通えるし、運動もできると書いてある、片足を曲げた形の装具です。股関節が全く開かないわけではないので、装具の型とりを木曜日にします。」と。
先生にメールをしているのに、こんな事書いていいのかわかりませんが、いくつも病院をまわり、すべての先生を信じてきました。でもいまは、悔やんでも悔やみきれません。どうしてもっともっと強く嫌われても言わなかったのかと・・・。だからこそもう後悔だけはしたくないのです。今私ができることは、本当に少ないですが少しでも最善の方法を選択して行きたいと思い、メールをさせていただきました。ペルテス病の治療法、期間、子供の精神的ダメージ・・・・等。何もわかりません。路頭に迷っていると言うのが、いまの率直な気持ちです。あんなサイボーグみたいな装具つけて一年生で通えるのか・・・。助けて下さい。何でもいいです。教えてください。このままでいいのか・・・。
右足の大腿骨は素人がみても扁平してるのが、よくわかります。1/2以下です。どうか宜しくお願いします。
御返事
ペルテス病の発見が遅れるのはしばしばあることです。医学生の授業や研修医の教育ではこのようなことを少なくする為に力をいれているのですが、まだまだ改善の余地があるということを思い知らされます。
この疾患についてはホームページのペルテス病の所を熟読してください。専門治療が必要です。よろしければ診察治療いたします。
その後の経過
手術的治療(大腿骨内反骨切りと骨盤骨切りを同時におこないすでに数年経ちましたが経過極めて良好です。私が東京に移ってからも引き続き経過観察させていただいていますが将来問題となることはないと思われます。
御質問139
ホームページを拝見し、勝手ですがメールしています。
私は現在二児のママです。ーーーーーー。私が7歳だった時に左足のペルテス病になりました。最初は原因が分からず、親も必死で整形外科や整骨院をたらいまわしにされました。ようやく病名が分かった小学2年の冬に、***センターに入所しました。退院したのは小学4年の夏でした。その後、座禅が組めないぐらいで生活に何も支障がなく、何不自由なく今まで来ました。子供が大きくなるにつれ、母に「あまり飛び降りたりしないように」といわれていましたが、他の子より激しい運動をする活発すぎる子になり、そのたび私もはらはらしていました。2ヶ月ぐらい前から、「ヒザが痛い」と言うようになり、おかしいな?と思っていました。私の症状ととても同じだったので。。。だんだん痛がる回数も増え、たまに足を引きずったりするようになり、今日保育園に迎えにいった所、ひどく引きずった歩き方をしていたのでとうとう整形外科に連れて行きました。診察するより早く、「ペルテス病だと思うのですが。。。」と伝えたところ、レントゲンで私が昔見たのと同じ、骨の減りが。。。もしかして、とは思っていたのでそれ程ショックではなかったのですが、この子の少しの遊ぶ時間を奪ってしまうと思うと涙がとまりません。甘えたい盛りなので離れると思うと。。。私自身も離れると思うと寂しさでいっぱいです。医者は「遺伝はないはず」と言っています。でもこんなまれな 病気が子供にまで。。。
私が行っていた所と同じ所の紹介状をもらったので、明日行って来るんです。まだスタートに立ったばかりで動揺していて、すぐネットでペルテス病を検索したところ、あなた様のページがあったので、気を紛らわすかのようにメールしてしまいました。身勝手で申し訳ないです。
落ち着かないうちにメールなど出してしまい、文章に失礼がありましたら申し訳ありません。今は、この子にできることをせいいいっぱいしたいです。また、ホームページのほうにお邪魔したいと思っています。
御返事
現在のところこの疾患は遺伝的なものとは考えられていません。母子ともペルテス病というのは珍しいケースです。
さて、お子さんは5歳ということですから、予後良好であることはしっかり覚えていて下さい。また、17年前にお母さんが治療を受けていた時代から整形外科も大きく進歩しました。そのころは、長期入院治療をしているところがほとんどだったと思います。いまでも1年以上入院させて治療する施設がありますが、装具療法を徹底的にするには長期入院治療の方が確実なのでこれも1つの選択枝ではあります。ただ、こうした方法は、子供を家族や社会から隔離することになるので、様々なところで入院期間を短縮する試みがなされてきたわけです。その1つの答えが、移動しやすい装具であったり、手術療法であったりするわけです。
ということであまり悲観的になることはありません。
心配なことはいつでも御相談下さい。
御質問141
はじめて、お便りします。実は、私、小学校の教師をしております。今、2年生の担任をしているのですが、受け持ちの児童(男児)がペルテス病と診断されました。右側が修復期で、左側が分節期だと聞きました。今は、激しい運動(走ったり、跳んだり等)を制約して装具をつけない生活をしています。
昨日、主治医の先生をお尋ねし、学校側でできることを相談に行きましたが、体育の授業を見学させることだけで良いということでした。
ですが、一日の大半を学校で生活するため、もっと、病気のことについて知っておく必要があるのではないかと思い、いくつか教えていただきたく送らせていただきました。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。
1,将来的にこの、病気は完治するのか?
右足は修復期だと言われました。この後、扁平化した骨は元のような形になるのでしょうか。後遺症はないのでしょうか。
主治医の先生は、左足の治療として、装具治療を考えておられるようです。今は運動を制限した状態ではありますが普段と同じような生活をしています。もし、骨が再生するのであれば、このままの状態がいいのではないだろうかと素人ながら思います。
装具をつけるとかなり、動が今以上に制限され、つらいと思うのですが・・・どうでしょうか。
2,この病気で気をつけなければならない姿勢、格好等あったら、教えてください。(学校生活内において)
・主治医の先生は正座よりの体育座りが良いと言われました。一番負担を少ない座り方は?
・他の児童はおんぶをして連れて行こうとしてくれます。おんぶのように足を外向きに広げたような格好は大丈夫なのでしょうか。
今、気になることを思いつくままに書きましたが、よろしくお願いします。
御返事
小学校2年生のペルテス病ということで御心配のことと存じ上げます。
まず、右側ですが、修復期ということで、骨頭が正しい形になっているのか心配です。もし、問題があれば早急に治療が必要です。左は、病状にもよりますが慎重な診断と、厳重な治療が必要です。これらの点については主治医にしっかりと尋ね、必要な指示に従わねばなりません。この疾患の重要性を考えれば今やれるだけのことをする必要があります。
御質問にお答えいたします。
1,将来的にこの、病気は完治するのか?
右足は修復期だと言われました。この後、扁平化した骨は元のような形になるのでしょうか。後遺症はないのでしょうか。
病気が完治するかどうか、が問題なのではなく、治癒したときに骨頭が球形であるかどうかが問題です。もし、今骨頭が扁平化しているならば早急に治療を行い、球形にする必要があります。さもないと将来後遺症に悩まされます。壊死の範囲が小さい場合はそのままにしてよい場合もありますが、通常はなんらかの治療が必要であり、放置してはなりません。
2,この病気で気をつけなければならない姿勢、格好等あったら、教えてください。(学校生活内において)
すでにそういうことを論議する段階ではありません。骨頭の変形が進まないように、そしてすでにある変形を早急に矯正するように、できるだけ早く治療を開始すべきです。
ということで、主治医の指示に従い、できるだけ早く正しい治療を行って下さい。
御質問127
突然のお便りですいません。
9歳の女の子の母親です。3月**日の朝、左足の付け根が痛いといって近くの整形外科を受診し、レントゲンを撮ったのですが別に今のところ異常は見られないとのこと。ただし、一番厄介な可能性としては、ペルテス病かもしれないといわれました。
23・24日の両日とも全く痛みがなく、25日にも受診したのですが、今のところ普通の生活で経過観察のみ、3ヶ月間痛みがなければ大丈夫。痛みが出たらすぐ診察を受けてくださいといわれました。質問は以下の3点です。
質問1 本当に3ヶ月間普通の生活で良いのでしょうか。3ヶ月の間何もできないのでしょうか?
質問2 先生はペルテスと決まれば、則、専門医のほうに行かせるといわれますが、どういうことになるのでしょうか?
質問3 **在住ですが、近くに小児整形外科の信頼のおける先生の病院はありますか?
お忙しいところまことに申し訳ありません。今まで聞いたこともない病名で、病気のことも説明され、自分でも多少ですが調べもしましたがわからないことばかりで不安ばかりが襲ってきます。どうかよろしくお願い致します。
御返事
9歳の女子で股関節痛みがある場合に、もちろんペルテス病を疑う必要があります。とくにこの年齢でのペルテス病の治療は難しいので、早期発見をして変形防止することが極めて大切です。したがって3ヵ月そのままにするのはよくありません。発症後2週間後には確定診断が出来ますので、その頃近くの総合病院で診察を受けてください。もし本当にペルテス病であったならば専門治療が必要ですので、御連絡下さい。
御質問130
現在の5歳*ヶ月の長男の事で相談します。
今年の2月頃より左膝関節痛出現し、3月末にペルテス病と診断され、現在装具による保存的治療を行っていますが、なかなか装具になれず、保育園への通園もできず家の中のみの生活となっています。
貴院のHPに現在の治療は、保存的治療法より手術療法が主流になりつつあるということが書いてあります。
長男の先生は、今まで保存的治療による完治した症例が数多くあるようで、手術は1例しかないとのことでした。
保存的治療法の場合、約2年と長期にわたることで、小学校の入学などのことを考え、もし選択できるのならば、手術療法も考えてみたいと思うのですが。
御返事
5歳*ヵ月であれば、正しく装具療法がなされれば多くの場合成績良好です。しかし、御存じのように、すべてのお子さんが装具に慣れるわけではなく、かって、本センターでも装具がどうしてもつけられなくて手術療法を選んだことがあります。このように、以前は装具療法が不可能な為に手術をおこなっていた、というのが実状でした。
ところが、このような経験を通して実際手術療法を行ってみると、思い掛けないことに、本人や御家族にとって装具療法よりも手術療法のほうがはるかに楽で、しかも成績が良いことがわかってきたのです。
私達は、それぞれの治療の長所短所を御家族にすべて提示します。それにもとずいて治療法の選択は御家族が決めておられますが、現在では手術療法を選択する場合が多くなっているのが現状です。
御質問132
貴医療センターのホームページはしばしば拝見させていただいております。ご相談させていただきたくメールさせていただきました。
11歳の息子が昨年夏、ペルテス病の診断を受け、現在タヒジャン型装具で通院治療中です。 半年以上たった今も、壊死した部分が吸収されている状態です。年齢的に装具治療の限界の年齢と主治医の先生からは言われておりますが、壊死部分は前側3分の2位で幸いにも外側側面部分が残るので、予後はよいであろうと言うことです。現在の段階では手術の適応ではないということですが、色々な文献などからもこの年齢での装具療法の難しさが指摘されているようです。
このまま時期を待っててよいものなのでしょうか?
手術療法を選んだ場合、2足歩行出来るまでの期間はどの位短くなるのでしょうか?手術をする時期はいつ頃がベストなのでしょうか?足の長さが短くなる割合が少ない手術の方法があると聞いていますが、どのようなもので難易度と平均短縮センチを教えてください。
足が短くなるということでの将来生活上またスポーツをする上での問題はないのでしょうか?(スポーツ選手になることが夢です)
手術中の出血量と輸血の必要性があるのかどうか
以上のこと教えていただければ幸いです。現在は****にて治療中ですが、入院治療を強く勧められましたが、子供の希望で通院を選択しております。入院されてる方で特に高年齢の方は、1年半から2年入院して治りが悪いからその段階で手術される方が多いようです。親としては将来手術しなければならない可能性が高いなら、足の状態のよい早いうちにした方が、子供の精神的負担も少なく、よいのではと思っておりますがいかがなものでしょうか?
御返事
11歳ペルテス病ということであれば、装具療法はなかなか難しいのが現状です。そのむずかしさというのは骨再生が遅いとか、装具での特殊な肢位がとりにくいとか、そうした医学的(生物学的)理由からだけではありません。年齢相応の運動機能が著しく障害される、友達との関係、学校の問題など、いわば社会的治療適応という問題からむずかしくなります。
幸い、骨頭外側部が残っているということであれば早く手術をして運動面の不自由だけでなく心理的障害をも除去したほうが良いと考えます。
手術療法の場合、特別な肢位をとる必要がありません。壊死の状態によりますが、一般的には術後2ヵ月前後で松葉杖歩行を開始します。半年から1年の間には杖無し歩行にもってゆきます。
手術時期は遅くする理由はありません。むしろ装具療法を長くおこなえば筋肉の萎縮とか骨の萎縮が進行して手術がやりにくくなります。
下肢の長さは手術方法によっては短くなります。できるだけそれを避けるように種々の手術法を組み合わせ、2cmをこえることのないようにしています。
手術は安全で確立された術式ですので、慣れた施設であれば特別難しいことはありません。
出血量が多く予想される場合には、自己血を採取しておきます。これまで輸血をした例はありません。
ということで手術を強くすすめます。そしてその時期は早い程よいと考えます。
御質問136
はじめまして。このホームページを拝見し、メールさせていただきました。
我が家には五月で四歳になる男の子がおりますが、昨年秋、長時間の歩行や走ったりする度に左足の付け根を痛がるのに気づき、整形外科へ連れて行きレントゲン撮影をしてもらいました。
結果は、右足大腿骨の頭部が壊死しており、右ペルテス病と診断されました。しかし、痛がっている足と反対だと思い、そのことを説明したのですが、写真を見ると右足の方が悪いからということで、結局、右足へ装具をつけての治療を半年間続けてきたのですが、この春幼稚園に通うということもあり三月末にレントゲンを撮った際、結果を見て唖然としました。良くなっているかと期待していた右足には大きな変化は見られず、逆の左足の骨頭が潰れてきておりました。
先生は、装具を外して様子を見ようと言うことで、とりあえず幼稚園は治るまで通わせず、家で静かにさせておくことになりました。しかし、これでは治療をしていないのと同じであり、既に半年間「じっとしていろ」と言われてきた三歳の息子にも、ストレスが溜まっています。最近では普通に歩くにも左足をかばうような仕草をしており、本当にこのまま放っておいてよいものか心配です。
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もし**県内に専門の病院をご存知でしたら、教えていただけないでしょうか。
又、今後息子に対してどのような対応をしていったらよいか、アドバイスをいただけないでしょうか。
御返事
両側発症のペルテス病ということで御心配のことと存じ上げます。
一般的には5歳未満発症の場合には予後がよく、訓練をしっかりやり、関節の動きをつねに良好に保つことができれば結果は良好です。
ただ、お子さんの場合は左側は半年程訓練を含めた治療をしていないわけですから、慎重な診断と治療方針をたてなくてはいけません。
**県であれば、**病院が専門です。紹介状が必要です。今の病院か、かかりつけのお医者さんで紹介状をいただき受診してください。
御質問135
友人の長男(小3、8歳)の病気についてご質問いたします。
先週の金曜に長男が足の痛みを訴え、友人も走り方の異常に気が付いたとの事です。(走る時に右足を円を描くようにくるくる回した)。週が明けた月曜に近所の整形外科にて受診、レントゲンの診察の結果、ペルテスの疑いありとの診断がくだされたそうです。翌日、紹介状を持って、大学病院へ再度診察に・・。結果、ペルテスと診断。右足は素人の目でもはっきりわかるほど、大きくなっていたそうです。先生は、右足は1年程前に発症して、今は治癒している、しかし、左足も発症するおそれがあるので、1ヶ月後に再度受診の必要あり。
とおっしゃられたそうです。
質問1、ペルテスは自然治癒するケースもあるのでしょうか?
質問2、右足はこのまま放っておいて大丈夫でしょうか?
質問3、右足は1年前に発症し現在は治癒しているにも関わらず、痛みを感じたのはどうしてでしょうか?
質問4、左足の治療方法はどういったものになるのでしょうか?
以上です。不明瞭な内容で、申し訳ありません。良いアドバイスをよろしくお願いいたします。
御返事
御質問にお答えいたします。
質問1、ペルテスは自然治癒するケースもあるのでしょうか?
すべてが自然治癒します。問題はどのような治癒の仕方をするか、ということです。治癒したときに骨頭に変形がなければよいのですが、変形が残存すれば将来に問題を残します。特別に治療しなくても年齢が低ければ骨頭は変形を残さずに自然治癒することがあります。
質問2、右足はこのまま放っておいて大丈夫でしょうか?
骨頭の変形の状態によります。これは診察しないとわかりません。
質問3、右足は1年前に発症し現在は治癒しているにも関わらず、
痛みを感じたのはどうしてでしょうか?
このようなことはしばしば起こります。特に変形がのこっている場合には瀕回におこります。また、単純性股関節炎などが偶然合併した可能性もあります。
質問4、左足の治療方法はどういったものになるのでしょうか?
これは現在の病状によります。診察しないとわかりません。
ということで早期に専門医を訪ねる必要があります。
御質問125
5歳になる息子が、ちょうど一年前に左ペルテスと診断され**大学病院で治療をしています。一ヶ月の牽引、8ヶ月の両足装具(足首までの固定で、その間は車椅子でした)その後、歩ける装具に変わったのですが、変わって一月で股関節の動きが悪くなりまた、前の装具に戻り、それを一月して、また歩ける装具になりました。そして、おととい、その一月後の検診に行ったところまた、動きが悪いとのことで、なかなか、経過が思わしくないことに、こころをいためております。(発見は、幸いにして、とても初期だったのですが。)
保育園もやめ、かなり運動制限はしているつもりなのに、これ以上・・?という思いで、ひたすら、安静をいわれる治療にも疑問をもち、ネットで調べてここを知りました。すると、装具療法には訓練が重要とあり、訓練など何もしていないので、もしかして股関節の動きの悪さはそれが原因ではないかと思ったのです。毎日、装具で固定して、他の部分への支障はないかと前から不安はあったのですが主治医の指示で、とにかく真面目に装具をつけることと、走らないこと、飛ばないことのみに気を使ってきました。動きがわるくなるのは、動きすぎのせいだと言われてきました。
訓練とはどういうものなのでしょうか?
訓練なしで、このまま装具をつけていて、いいんでしょうか?それから、骨頭部は少しづつ再生している段階なのですが、おとといのレントゲンでその下の骨(大腿骨、になるんでしょいうか?)がいい方の足よりも太くなっており主治医に聞くと、変形とのことで、これはもうどうしようもなく(手術等)、将来的に支障がでる可能性はあるとおっしゃったのですが、これはもう本当にどうしようもないんでしょうか?今のままの治療でいいのか、不安で一杯です。
お忙しい中、恐縮ですがお返事いただけると幸いです。どうぞよろしくおねがいします
御返事
ペルテス病の治療において訓練は重要です。5歳未満でしたら訓練が一番重要といっても過言ではありません。訓練を毎日家でおこない、定期的に訓練をチェックし、もしすこしでも動きがわるくなればただちに入院して、集中訓練します。このようにして絶えず良い動きを保つことが治療の根本です。
大学病院というのは一般的に(私も昔大学病院にいましたので良くわかるのですが)、患者さんの状態によって、そのつどまめに入院させることが出来ない仕組みになっています。そのため、しだいに訓練が重視されなくなっているものかと推測します。
骨が太くなっているというのは、骨頭壊死により大腿骨骨幹端の幅が太くなっていることを意味しており、その程度によっては骨頭が巨大になって将来手術が必要となる場合があります。
御質問99
はじめまして、7歳の息子の母親です。2ヶ月前にペルテスと診断されました。
悩んだ末、来週中にでも手術を行う予定です。
ご質問したいのは、手術方法についてです。
右足の骨頭が半分くらいつぶれています。大学病院の先生がグループVといっていたようにおもいます。(納得せず大学病院で診ていただいたとき)
MRI検査や血管造影検査もしました。****という手術を予定しています。
子供のために、ベストな治療をしてあげたく思いますが、この手術方法がベストな方法なのでしょうか。
御返事
メールありがとうございました。
7才男子のペルテス病で変形強く、手術を勧められている、と理解しました。
さて、ホームページに載せましたように、手術には 内反骨切り、Salter、Triple, 或いはSalter +内反骨切り、 Triple+ 内反骨切り、などいくつもの方法があります。****。それぞれの方法の長所短所を検討し、お子さんにふさわしい方法を御家族の方が選択するということになります。
***病院で勧められている手術方法を理解し納得できれば主治医を信頼し手術を受けるべきと考えます。
もし、まだ迷いが有るならば、(すでに入院し、手術予定もある状態で言い出しにくいかもしれませんが)他の医療機関での意見も聞きたいということをはっきりと主治医に告げた方が良いと思います。そうすれば御家族も主治医も後で後悔することがないからです。
それではがんばって下さい。
御質問97
12月**日の夕方、突然6歳の息子が左の股関節辺りが痛いと言いました。次の日は起きられない程痛がり、歩行も出来ないほどでした。
すぐに、近くの整形外科に連れて行きました。病院では、先生が息子の足を曲げようとすると、泣くほど痛がっていました。
レントゲンの結果、異常はないので股関節に炎症があると思われるので、シップをして安静にしていれば、3日ぐらいで治るとの事でした。
膿が溜まったりしてないか心配です。レントゲンで膿は見えますか?安静にしてるだけでよいのでしょうか?
御返事
メールありがとうございました。
それまで元気だった6才の男子が、突然強い股関節痛を訴え歩行困難になる場合、一番考えられるのが単純性股関節炎です。レントゲンでは診断が困難で、超音波断層像、MRIで股関節内に関節液がたまっていることがわかります。痛みは数日から数週間でおさまりますが、関節液は1ヵ月くらい貯留している場合が多いものです。少数ですが関節液がたまらない単純性股関節炎もあります。この場合には激痛というよりは軽度の痛みが持続する、という場合が多く、かえって症状が長く持続します。いずれにせよ後遺症は無いとされていますし、私達の経験からも問題となったケースはありません。
次に考えられるのはペルテス病です。これは痛みと跛行が特徴で、たとえ痛みがおさまっても跛行がつづくのがふつうです。初期にはレントゲン診断が困難な場合があります。超音波断層像では関節内に滑膜の増生をともなった水腫がみられるのがふつうです。MRIで診断可能です。
リウマチ熱も時々見られます。この場合には血液検査でASLO値を計れば診断できます。
また、御心配なさっているように化膿性股関節炎のこともあります。この場合は超音波断層像では濁った水腫がみられるのがふつうです。また、発熱などの全身症状が見られることが多いのですが、一般の感染症にみられるような全身症状が無いことがあるので注意が必要です。また、血液検査でも炎症所見が無いことがあります。疑わしい場合には穿刺して得られた液を検査します。もし主治医が感染をまったく考慮されていないならば、今度病院に行かれた際に、「感染している可能性はないでしょうか?」と尋ねてみるのがよいでしょう。
若年性関節リウマチをはじめとする膠原病の場合もあります。この場合は股関節以外にも所見がありますし、初期になくても経過観察中に他の部位の症状が出現してきて診断がはっきりしてきます。
その他には、たとえば骨嚢腫のような腫瘍ができて、それが原因で骨折がおこる場合です。しかし、すでにレントゲンをとって確認しているわけですからその可能性はないでしょう。
大腿骨頭辷り症のこともありますが、年齢的にはちょっと考えにくいです。
あとは結構多いものとして心因性股関節痛があります。これは、他人が見ていないところではふつうに歩行することで診断できます。
その他にも考えればいろいろありますが、いずれにせよ現在の主治医を信頼して継続して受診してください。
それではお子さんが早く完治することを祈っております。
御質問83
初めまして。多々失礼な質問や不躾な質問をしてしまうかもしれません。娘を不憫に思う親の気持ちを含みいただきお許しください。よろしくお願い申し上げます。
私は****に住む37歳の父親です。******
さて、本題に入りますが、本日5歳3ヶ月になる次女(第3子)がレントゲンで見る限り、ペルテス病という診断を受けました。仕事の関係で妻と娘だけの診療になりましたが、妻は兄と友人がペルテス病を患った経験を持っているため、多少なりとも知識があり、かなりショックを受けて帰ってきたようです。私も早速どういうものか調べるために、今ある家庭医学の本やインターネットで調べました。妻も貴センターのことは知っていました。メール相談もしていただいているとのこと、早速アドバイスしていただきたくキーボードを叩きました。
経過
2001.4/**夜間体育館で、たまたまウェートトレーニングの器具で遊んでいて左足をひきずるようになる。
4/**まだ左足をひきずり、左足内大腿部を痛がる。また、左足股関節の動きが悪いため、**病院に診察してもらう。レントゲンの結果「膝の辺りに腫瘍らしきものがある。そちらのほうが心配だ。」とのこと。痛みは股関節が普通の人よりかぶりが深いのでそれが原因かなぁ。中学校ぐらいに経過を観察するぐらいでいいのでは。そんなに股関節は心配は要らないということでした。ただ「膝の腫瘍」という言葉を聞き、慌てふためき、同じ病院の下肢の専門の先生に予約をし、診療していただくことになりました。
5/*レントゲンの結果、確かに腫瘍だが、進行性である可能性が極めて低く、念のための3ヶ月ぐらいの経過観察で十分でしょうとのこと。病名は長い名前なので覚えていないが、とにかく心配ないとのこと。一安心で帰る。
7/**娘が足を引きずり、左足内大腿部を痛がるため、定期検査には少し早いが診察に伺う。膝の腫瘍は問題なしとのこと。しかし妻は股関節の動きが悪いのが気がかりで、「股関節をきちんと診ていただきたい。」とお願いする。心配ないと思うので3ヵ月後の10月の水曜日に股関節の専門医がいるので来てくださいとすすめられる。
10/**
股関節の専門医である**医師に診療していただく。レントゲンの結果、5歳の娘はペルテス病にほぼ間違いなしと診断される。10/***にMRIで精密検査をし、治療にあたるとのこと。妻によればレントゲンの様子は明らかに左足の大腿骨頭というのでしょうか?股関節の近くにある丸みを帯びているはずの大腿骨が明らかに扁平していたとのことでした。半分まで磨り減っているとはいかないものの素人の目から見ても明らかだったということです。氏によれば骨頭が波打っているという表現で話されました。また治療法の見解を聞くと、至急手術が必要であろうとのこと。装具などの治療もあるが手術を勧めるというものでした。
今現在の娘の症状
歩く、走るには足を引きずる様子はない。今日運動を禁止するまでは、縄跳びをするぐらい元気があるし、それによって足の痛みを訴えない。これは4月からずっとであるが、仰向けに寝転ばせ、股関節を回すと右足に比べ、左足の可動範囲が狭い。
今現在の私たち親の考えと質問
言うまでもありませんが、とにかく娘の足を完治するための最善の方法をとりたい。
質問1
最善の病院をどのように選択すればよいか。
・今診療していただいている**には言いにくいのですが、妻の兄、友人がヘルペスになっているため、心配して病院に行くたびに「ヘルペスは心配ないですか?」と聞いているにもかかわらず、「心配ない」の返事しか返ってきませんでした。そして、いきなりの診断に病院に対してとても不安を感じております。また、貴センターのホームページを拝見したところによると、ペルテスは小児専門外科医でなければならないとのこと。どのように見つければいいのでしょうか。
質問2
**先生は小児外科専門医であるのでしょうか?
質問3
娘の今の症状や経過から、私たちが最善の治療法と選択するための選択肢にはどんなものがあるのでしょうか。
・もちろん詳しくレントゲンをみて診察していただいていないのに教えてくださいということ自体ナンセンスは承知の上です。どんなことでもいいのでお聞かせください。無理なお願いですみません。
質問4
今回の手術は4ヶ月の入院が必要とのこと。一般的な入院期間中の療養や訓練の様子を知りたく思います。
質問5
手術がうまくいかず、再手術や装具治療の可能性は高いものなのでしょうか?
質問6
娘の年齢、経過、現在の症状から完治する可能性ははどれくらいあるものなのでしょうか?
質問7
にわか知識で申し訳ないのですが、**先生は著書の中で「ペルテスのほとんどは治療せずとも問題なし」ということを書かれているそうです。(インターネットで検索しました。)それに対してどう思われますか?
御返事
メールありがとうございました。
娘さんが今年の4月に跛行を生じ、御両親の御努力により10月にやっとペルテス病の診断がついたということでさぞかし様々な思いがあることと存じ上げます。こういうことの無いように医学生、研修医の教育には力を入れなくてはいけないのですが、我が国ではまだまだ不十分です。私達の力が足りないのが原因です。申し訳ございません。
さて、親類に同様の疾患の方がおられ、また、ホームページなども読まれておられますので、この疾患の概略については御理解いただいていると思います。
5才発症で、早期に発見され変形も小さければ装具療法と毎日の訓練を正しく行うことで成績は良好なことがおおいのですが、すでに半年経過し骨頭の変形が強ければ治療法の選択はあらゆる角度から慎重に決定しなければなりません。変形の程度、臼蓋の状態、関節可動域(可動域の改善の無いまま手術を行っていることもよく見かけます)、本人の性格、そして、専門の訓練士がいて正しい訓練ができるかどうか(実をいうとこれが一番重要なのですが、意外と忘れられていることがあります)、治療する環境(子供の発育に相応しいかどうか)、などを考慮する必要があります。装具療法にせよ手術療法にせよ、多くの患者さん、御両親、そして一般病院の整形外科医師の話しを聞いても、一般の病院においてペルテス病を治療することは容易ではありません。
一番重要なことは言うまでも無く、完治するための最善の方法をとる、ということです。なぜならこの疾患は、今この時期に正しい治療をしないと、将来ほんとうに困るからです。また、娘さんは今考えられる限りの最高の医療を受ける権利があります。娘さんの将来の為に可能な限りのことをすべきと考えます。
「ペルテスのほとんどは治療せずとも問題なし」という意見は昔聞いたことがあります。この意見はいまから20-30年前のわが国では通用したかもしれませんが、いまではこうした考えをもっている人は、わが国のみならず世界中の小児整形外科医師を探してみても少ないでしょう(1人かな?)。我が国ではペルテス病の長期予後が明らかになっていないので、参考までに北欧、アメリカからの報告を紹介しますと、この疾患にかかった場合には、最終的に10-20%に「人工関節手術を必要とするぐらいの症状」が出現しています。これから推察すると、先天性股関節脱臼と比べれば変形性股関節になる率が少ないといえますが、けっした放置してよいものではありません。もし放置してよいものであれば先日の世界小児整形外科学会でシンポジウムとして取り上げられる事もないでしょう。実際に若年にもかかわらず痛み等を発現している患者さんをたくさん診察しております。
最終成績がどうなるかは、現在の股関節の変形の程度や、活動状況、体重など多くの因子に影響を受けますので予測はむずかしいと思います。ホームページに載せましたように、確かにペルテス病では治療をしないでも問題にならない場合があります(年少での発症の場合に)。しかし、国民の平均寿命も長くなり、いつまでも健康にそして行きたいところに自由に移動できるという願いがますます強くなっている今日、特殊な例を一般化した価値観は必ずしも現在にあてはまらないと考えます。
以上でほぼ御質問のお答えになっていると思いますが、わからないことはいつでもまたメールしてください。
それではいまこそ御両親にはがんばっていただきたいと思います。
その後の経過
内反骨切りをおこない経過極めて良好です。術後4−5年になりますが、先日水野病院にて診察させていただきましたがX線上からも正常とほとんどかわらないくらいになっています。
御質問90今年の4月に以下の内容のメールをいただきました。すぐにお返事を差し上げたのですが、それがきっかけでその後意外な展開があり、最終的にはうれしいお返事をいただきましたので御紹介いたします。
同じ会社に勤める方の息子さん(中学1年生)が昨年ペルテス病と診断され、現在は装具をつけています。彼女は会社でしかこのホームページを見ることかできず、しかも,会社ですから,本当は個人的な利用は禁止されていますので、代理でご質問させていただいています。
疾病者の母親の不満点
・どういう病気かの説明は大まかに受けたが、今後の治療計画、どのような治癒の仕方をするのか?などの説明はしていただけない。
・文献で手術も治療法のひとつとあったので,手術では治らないのかと聞いたところ,私の知っている範囲では手術という治療法はない、といわれた。文献にはあるのになぜ手術はしないというのかわからない、というようなことです。
疾病者の母親の聞きたいこと
・現在かかっている病院では不安があり,(原因はいろいろなことが重なっているようです)できれば現在すんでいる**県**市の近くによい病院があれば教えていただきたい。納得できる説明をしていただけるところで治療をしたい、ということです。
昨日、息子さん(疾病者)の入学式だったそうです。でも、担任の方に事前に説明をしていたにもかかわらず,入学式の会場でここは土足禁止だから靴は脱いでね、と簡単にいわれてしまったり、集合写真を撮るときには、装具をつけたままなのに名簿での順番が早いという事で一番最前列のいすに座らせられたり・・・説明したにもかかわらず、理解していただけていないことがわかる場面に直面したようで,息子さんもひどく落ち込み、母親もとてもショックを受けているようです。現在かかっている病院からも,治療に何年もかかるとは聞かされていない上に,治らないといわれていたようで、こちらのホームページをみたときも、すごく動揺していました。
私も彼女をどう励ましてあげたらいいのか…こういうことぐらいしかできないのが、もどかしくもあります。
御返事
メールありがとうございました。
さて、中学1年生のペルテス病ということで、さぞかし御心配のことと存じ上げます。
ホームページにも掲載しましたが、この年齢でのペルテス病は治療に難渋することが多いのです。まず専門医にかかることが絶対条件です。
今後の治療計画、どのような治癒の仕方をするのか、については明解な説明が必要です。たとえば、装具療法なら、どうしてその方法を選択したのか説明が必要ですし、また説明できなければなりません。というのは、この年齢での装具療法はむずかしく、様々な条件が整わなければ正しく実行することはできないからです。そのため、この年齢では手術療法が選択されることが多いのです(もちろんすべてではありませんが)。
残念ながら、**県の専門病院には心当たりがありません。そこからでしたら、すこし遠いかもしれませんが、信頼できる先生は、**病院整形外科の**先生です。疾患の重要性を考えれば遠いなどといっている場合ではありません。お子さんの一生に関わる問題ですから最善を尽くしてあげて下さい。その時は、前の病院でのレントゲンなどを拝借してきてください(これは先方にお願いすれば断ることはできないはずです。被爆を減らす為にも是非お願いいたします)。
それではがんばってください。
その後のメール
私、以前息子(中学1年)のペルテス病で、鈴木先生にご相談させて頂きました***と申します。
メールを、頂いたときは、本当に驚きました。はっきり申し上げてお返事がくるとは思っておりませんでしたから。本当にありがとうございました。
その後、通院しておりました2つの病院から、照会状やレントゲン写真などを取り寄せ、先生からのメールを握り(お見せし)・すがる思いで、**病院の**先生を訪|ねました。**先生をはじめ整形外科のスタッフの皆さん、心よく迎えて下さいました。
**先生は想像以上に素晴らく、私達親子の不安材料を一気に吹き飛ばして下さいました。
結局息子の病名は(ペルテス病ではなく)「大腿骨すべり症」と判明し、滑っている角度も大きかった事もあり、すぐ手術を勧められました。
**月**日に退院し今では、自転車に乗って元気|に学校に通学しております。入院時から14キロもダイエットをした息子は、自信に満ち溢れまた、装具(トーマス)を付けていた苦痛の日々とは全く別人のように、心身共に成長致しました。お蔭様で、我が家は母子家庭の二人きりではありますが、何処の家族よりも深い絆で結ばれそして幸せ一杯の日々を迎える事ができるようになりました。
これも、私のメールに真剣に答えて頂き、**先生を照会して下さった鈴木先生のお陰だと感謝しております。ありがとうございました。息子共々心よりお礼申し上げす。
時々、先生からのメールが無かったら将来息子は??と想像するだけで体中が震える程恐ろしくなる事があります。
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御質問72
はじめまして、9月末で6歳になる長男のことでご相談いたします。今年5月*日長男が足の付け根あたりを痛がり翌日もかなり痛い様子なので総合病院で診てもらった結果、右足がペルテス病であるということでした。以後、右足は下に着かない様に装具を付けることになりましたが、本人は数日で装具を付けたまま歩き回ることが出来、階段なども自分で昇降していました。(今思うとそういったこともよくなかったのでは・・・)初めは半月に1度、それから1月に1度レントゲンにより診察していましたが変化は無く、9月の診察で左足も疑わしいということで来月MRI検査を受けます。もし両足ということになった場合どうすれば良いのか心配です。今までそちらのセンターで両足といったケースはありますか?今後の対応のアドバイスをお願いいたします。
・ 装具はどのようなものがありますか?
・ 全て車椅子による生活になるのか?
・ 手術法も考えたほうが良いでしょうか?(完治までの期間は・・・ 完治率は・・・)
お忙しいところ申し訳ございませんがよろしくお願いいたいます。
御返事
メールありがとうございました。
5才発症のペルテス病ということでさぞ御心配のことと存じ上げます。
片側性の場合には、装具が正しく装着され、なお訓練がしっかりできていれば成績は良好です。
問題は、両側性の場合です。ホームページには様々な理由から、まだ載せていないのですが、これについてはもっと話さなければなりません。実は、健側を自由について歩ける装具の場合には、その装具治療中に反対側にも発症した確率は、6.1%で、他の方法と比べて有意に高いことがわかっています。この事実は、ペルテス病の発症原因として骨頭に体重が加わることが無関係ではない、ことを示しています。詳細は、1997年世界でもっとも権威のある雑誌に私達が報告しました。
このことが判明してから、本センターでは、この装具を使用する場合には走ったり、階段を何回も行き来するなど、無理な運動を禁止しています。学会ではまだこのことについてあまり論議されていませんので、一般の病院ではこうした注意はなされていないと思います。
両側性でないことを祈っております。もし、両側性であることが判明した場合には modified A cast 法などが適応となりますが、これを1年以上装着するのはなかなか大変です。手術療法の場合には病状によって計画をたてなくてはなりません。
御質問62
初めて送らせて頂きます。
息子・7歳は2年前の8月に右足付け根を痛がった為、地元の総合病院に行ったところ「ペルテス病」と診断され、即入院となりました。かなり壊死範囲が広い!ということでしたが、けん引後、装具の着用・リハビリの繰り返しで1ヶ月半程で退院し、その後1年2ヶ月装具(タヒジャン)を着けての生活をしておりました。昨年の12月に装具がはずせて、大喜びしていたのですが・・・・
今年の4月から小学校に上がり、3キロ程在る登校距離の往復・学校でもクラスで1番元気な子・と言われるほど活発に動き回っておりました。春先に一度,「上手く歩けない」っと泣き出した事があったのですが、行き付けの病院では「レントゲンにも異常はないから、単に疲れでしょう。」と言われた為、その後も変わらずの生活を繰り返しておりました。
ところが夏休み前の7月末に定期検診に行った所、「かなり,骨が外に向いてきている。手術をした方が良いのかもしれない。」、「もう少し考えさせて欲しい。」と医者に言われ、次回の検診の12月まで待つ事になりました。担当医師もめったにないペルテスの治療に悩まれている様子が覗われ、親としましては一抹の不安がよぎっております。このまま、12月まで今まで通りの生活をしていて大丈夫なのでしょうか?9月・10月は運動会などの行事も多く、息子の動きは一層活発になることでしょう。12月までにさらに骨が外にいって、さらに悪くなってしまわないだろうか?その7月での検診の際に,担当医師が「学会に行くと、滋賀県ではどんどん手術で治してるんだがな〜」っと言っていた事が耳に残りインターネットで調べるうちに、こちらの整形が名医である事を知り、送らせて頂いた次第です。
こちらの意向としましては、経験のある先生に一度でも診て頂けたら・・・と思っております。
お返事を頂けたら幸いです。 宜しくお願いいたします。
御返事
メールありがとうございました。
大変ご心配のことと存じ上げます。
問題は、「かなり,骨が外に向いてきている。手術をした方が良いのかもしれない」、と主治医が判断したことですが、この場合、いくつかの可能性があります。
1)骨頭が大きくなり(骨頭肥大と呼んでいます)、そのために骨頭と臼蓋の適合性がわるくなって、臼蓋が骨頭を覆いきれない。
2)骨頭がなんらかの理由で臼蓋から外に向かって移動、つまり亜脱臼の状態である。
3)成長軟骨が障害を受け、外反股となって骨頭と臼蓋の適合性が悪くなった。
4)骨頭そのものが変形(2頂性骨頭)して、その1部が臼蓋からはみだした。
1)これはよく起こることです。骨頭肥大の程度にもよりますが、7歳ということを考えれば、もうすこし経過をみて良いとおもいます。
2)の可能性は小さいと思いますが、もしそうであれば手術を含めた早急な対策をとらねばなりません。放置すると骨頭の変形が生じて将来変形性股関節症に発展する可能性があります。
3)これもしばしば発生します。この場合は現在の状態をくわしく分析して対策を立てます。
4)これは装具が正しく装着されていれば、また、訓練によって可動域をたもっていれば起こりにくいのですが、もしこのような事態であれば手術的治療が必要です。これも放置すると将来変形性股関節症に発展する可能性があります。
御質問70
はじめてお便りします。
私の11歳の娘(身長139?、体重30?)がペルテス病と診断されました。レントゲン、MRIをとった結果、股関節の骨頭部分は左右潰れていて(特に左がひどい)関節の内側に入りこんでいる形です。関節の開きも悪いです。先生の話では「現段階では手術の必要ない。保護具も筋力の衰え等が懸念されるため着用しない18歳前後の経過で手術するかどうか決める。今は筋力をつける!」といわれました。
18歳前後までどのようなリハビリを行いどのような生活(制限事項等)を送ったらよろしいでしょうかご教示ください。
御返事
メールありがとうございました。
11才でのペルテス病ということで、さぞ御心配のことと存じ上げます。
ホームページにも載せましたが、この年齢での、しかも女子におけるペルテス病は成績が芳しく無い、ということをまずしっかり認識してください。とくに、股関節の骨頭部分は左右潰れていて(特に左がひどい)関節の内側に入りこんでいる形、ということであれば、すでに骨頭の変形は著しい、と推測されます。
18歳前後の経過で手術するかどうか決める、という主治医のお話は、おそらく現在の段階で骨頭を球形にすることは不可能と判断しているものと思われます。う〜ん、非常に難しいケースです。
年齢的なことを考えると、今できることは大腿骨の外反骨切りという手術、もしくは大腿骨頭回転骨切り術だけと考えられます。もし手術が可能であれば早い時期に行う必要があります。というのは、変形があるままにしておきますと、臼蓋(股関節の受け皿)に変形が出現してしまうからです。そうなると早い時期に痛みが出現してきます。
ということで、今重要なことは股関節を正確に評価し、今、手術が可能かどうかを判断し、可能ならば早期に手術をすべきであり、不可能であれば将来予想される変形性股関節症の発症時期をどうやったら遅らせることができるか(リハビリだけでなく、日常生活、将来の職業をも含めて)、を考えなければなりません。
御質問57
はじめまして。10歳の息子の事でご相談致します。
つい先日、息子は、ペルテスと診断され、今は,松葉杖を使い、片足を着地しないよう自宅で生活しています。レントゲン、MRIの結果、@牽引〜骨きり手術(入院約4〜5ヶ月)A牽引〜装具を着ける〜思わしくない場合は,骨きり手術(入院約1〜2年+約4〜5ヶ月)の方法が、あると言われました。レントゲンは、素人目にもわかるほど、片方の骨頭にまるみは、ありませんでした。
鈴木先生は、どちらの方法が、適当と思われますか?
御返事
メールありがとうございました。大変御心配のことと存じ上げます。
10才の男子のペルテス病というのは今日の小児整形外科の解決すべきテーマの1つです。
基本方針は、骨頭のもつ本来の球形を回復することですが、年齢的なことを考慮するとたくさんの壁があって、これをことごとく突破しなければなりません。本当にチャレンジングな治療であることをまずしっかり頭にいれておいてください。
まず、治療方法についてですが、「素人目にもわかるほど、片方の骨頭にまるみは無い」、ということであれば、壊死の範囲は広いと考えなければなりません。すると、再生までの期間も長いですし、その間、球形を回復するために骨頭を完全に臼蓋の中に包み込まなければなりません。これを装具で行うのは極めて困難です。また、年齢的なことを考えると長期入院は絶対に避けなければなりません。これはホーム−ページの「軟骨無形成症に対する骨延長」の項をお読み下さい。このようにあらゆる点から装具療法は非常に困難と言えます。ホームページに載せていますが、以前は私達は装具をつかっていましたが、現在では9才以上には手術療法を強く勧めていますし、実際全例に手術をしています。成績は11才の1例を除いて良好です。
迷うことは有りません。手術を勧めます。
手術方法は壊死の範囲や股関節の形態などから慎重に判断しなければなりません。この年齢で、壊死範囲が広いときは、普通大腿骨骨きりと臼蓋骨きりの両者が必要です。しかも臼蓋骨きりはトリプル骨きり術という難しい方法が必要となります。手術前には関節可動域改善のため牽引が必須です。もし可動域の回復が思わしく無ければ関節鏡によって関節内の洗浄(これも結構難しい技術です)を行い、可動域改善後に手術を行います。術後はギブス固定を行い、5週ののちに関節運動を始めます。入院期間は松葉杖で自由に歩行できるようになるまでです。個人差がありますが3-4ヵ月くらいです。その後は松葉杖歩行でMRIで診断しながら荷重歩行を慎重に開始(通常、術後半年から1年)します。退院あとも関節可動域を絶えずチェックし、すこしでも悪くなれば入院して訓練を行います。
おおまかに説明しましたがこの治療の難しさは理解していただけたと思います。ホームページにこの疾患の保存療法と手術療法の項を新たに設けましたので御覧下さい。
それではがんばってください。不安なことはいつでもお尋ね下さい。
御質問37
13歳になる長男についてご相談させて頂きたくメール致しました。
長男は、10歳の時「ペルテス病]により左股関節の手術を行ないました。手術自体は問題なく行なわれ、手術後1年半程は骨頭に負担が掛からない様に装具を装着しながらリハビリを行なっていました。その後装具は取り外し、最近のレントゲンを見ると骨頭も丸みを取り戻してきました。
しかし、正常な右側と比べると手術をした左足の方が4cm程短くなっています。ここで次の事についてご相談させて頂きたいのですが、宜しくお願い致します。
御返事
メールありがとうございました。
お手紙を拝見した限りでは順調な経過と思います。一番重要なことは骨頭の丸みです。この重要度を100とすると、下肢短縮問題の重要度は1もしくは2くらいです。このことをまずしっかりおさえておいてください。
下肢短縮は、大腿骨骨切りによって生じます。これは骨頭の丸みを作る為にやむを得ないことです。2cm以内の短縮であれば問題ありません。最終的に(成長終了後)、2cmを超えていれば歩く時に不自由(跛行)なので延長術の適応となります(現在の骨の状態から最終脚長差が計算できます)。オルソレノグラムという正確なレントゲン撮影法により、真の脚長差の計測が必要です。
御質問にお答えいたします。
1. この手術においては、足の短くなる事は避けられないのでしょうか。
大腿骨骨切りによる治療の場合は全例発現します。この治療法は一つの確立した正しい治療法です。
2. 担当の先生によれば、子供が成長期なので徐々に足の長さが近づいてくる可能性はあると言っておりました
が、その様な前例はあるのでしょうか。
身長が伸びている間はある程度改善します。実際にそういう例はありますが、年齢が高いのであまりたくさんはのぞめません。
3. このまま右足と左足の長さが違う場合は、短い方の足の「骨延長手術」しかないのでしょうか、ホームページ
を拝見すると、この手術は本人や家族にとって相当負担になるので、どうしても考えてしまいます。
最終的に2cm以上あれば延長術が必要です。ただし、関節の状態などの詳しい検査が必要です。
ということですが、最初に述べたように、骨頭が丸くなっているということが重要であり、大変喜ぶべきことです。骨頭の変形はこれから治すことはできないけれど、脚長差はいくらでもなおせるからです。
御質問20
はじめまして、
昨年8月、7歳で息子がペルテスと診断され、入院、牽引後、片足装具で小学校に通っております。
こちらの質問コーナーで、「巨大骨頭」というのを拝見し、先日、MRI結果説明で(ペルテスの骨頭が)「少し大きいけど・・・」とチラッと言われたのが気になりました。大きいことについては何も言われず、「中におさまっているし、そんなに潰れてもいないけど、まだ入れ替わりが始まったばかりで、まだまだ潰れやすい時期」とのことでした。
質問させて頂きたいのは、
1.「巨大骨頭」とはどういうものなのかと、それを防ぐ方法はあるのでしょうか?
2.壊死した骨頭はどういう経過で治っていくのでしょうか?(レントゲンで黒い、
白いと説明を受けますが難しいので・・・)
3.装具で走ったり、家では松葉杖ですが、ついケンケンしたり片足でズリズリ動き
ますが、装具をつけている時、いない時、足をあまり動かすのは良くないでしょうか
?
お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
御回答
メールありがとうございました。
さぞ御心配のことと存じ上げます。
御質問にお答えいたします。
1.「巨大骨頭」とはどういうものなのかと、それを防ぐ方法はあるのでしょうか?
ペルテス病で骨頭が大きくなるのはよくあります。むしろ、大きくなるのが普通といってよいと思います。原因として、1)骨が再生する過程で血行がむしろよくなって巨大化する、2)骨頭が潰れて扁平化するため、3)滑膜炎症により軟骨が肥大する、事などが考えれれますが、よくわかっていません。防ぐ方法は現在のところありません。骨頭巨大化については、極端で無ければ問題ありません。大きさよりもむしろ形の方が問題となります。極端に大きくなると臼蓋との不適合がおこりますので、外科的治療が必要となる場合もあります。
2.壊死した骨頭はどういう経過で治っていくのでしょうか?(レントゲンで黒い、白いと説明を受けますが難しいので・・・)
血流が再開し、壊死骨が破骨細胞の働きで吸収され、同じに骨芽細胞の働きで骨再生が起こります。再生骨はレントゲン(薄く白い影がでます)、MRIで確認できます。
3.装具で走ったり、家では松葉杖ですが、ついケンケンしたり片足でズリズリ動きますが、装具をつけている時、いない時、足をあまり動かすのは良くないでしょうか?
装具をつける目的は、できるだけ骨頭を臼蓋の中におさめて、球形の骨頭を維持する、或は変形を防止することです。装具をつけている時、足を動かすのはかまいません。
問題は装具をつけて走ってよいか?ということです。これには議論があります。私達の病院では4-5年前までは走って良いとしていましたが、統計をとった結果、反対側もペルテス病になる確立が若干高くなることが判明しました。現在では走ることを禁止しています。
さて、装具装着と同じくらい、あるいはそれよりも重要なことは訓練です。当然指示を受けていると思いますが、1日に数回装具をはずして訓練をさせます。とくに内転が制限されやすく、また、外転が悪くなればなんらかの手を打たねばなりません。股関節の可動域(動く範囲)を十分に確保しておくことが最も大切なことです。訓練によって可動性を保つことが、球形の骨頭を維持し、変形を防止し、さらに変形した骨頭を球形にしてゆく役割をするからです。
ペルテスの装具療法で最も大切なのは訓練である、ことを強調しておきます。
御質問22
初めまして。
私は7〜9歳ころペルテスを患い、手術をせずに自然治癒(ギブス装着)で直したものです。現在40歳です。30過ぎてから運動や長距離を歩くと股関節に痛みがでるようになったので、37歳の時に、***で、RAOを受けました。骨頭がだ円に変形していたようです。その後は快適になったのですが、最近なんとなく股関節周辺の筋肉などに違和感を感じるようになってきました。実は趣味でスキーをやっているもので、そういう運動もまずいのかともおもいますが、ペルテスの場合、年齢の増加にって軟骨等に影響がでる可能性があるのでしょうか。またRAOの手術後の運動はどの程度までいいのでしょうか。本当は***にいけばよいのですが、ち
ょっと時間がなかったものですから、インターネットで質問させていただきました。わかる範囲で結構ですのでお願いします。
御回答
メールありがとうございました。
なかなかお答えするのが難しい問題です。何故かというと、我が国ではペルテス病の長期予後が明らかになっていないからです。
参考までに北欧、アメリカからの報告を紹介しますと、最終的に10-20%に「人工関節手術を必要とするぐらいの症状」が出現したそうです。これから推察すると、先天性股関節脱臼と比べればはるかに変形性股関節になる率が少ないといえます。
最終成績がどうなるかは、現在の股関節の変形の程度や、活動状況、体重など多くの因子に影響を受けますので予測はむずかしいと思います。しかし、**さんの股関節周囲に違和感があって、それが変形と関係しているのであるとするならば、運動によって軟骨変性が進む可能性があります。
整形外科医師の立場からは、以下の予測ができます。
1)このままスキーなどの激しい運動を続ければ、50-60才ぐらいで痛みがきつくなり、場合によっては人工関節置換術が必要となる可能性が高くなると推測されます。
2)逆に、無理の無い日常生活を送れば、将来にわたって手術無しに過ごせる確率は決して低くありません。
どちらを選択するかは、本人の価値観によると思います。一般の整形外科医師は2)を勧めると思いますが、スキーが人生に大きな位置を占めていれば、1)も選択枝のひとつです。なぜなら、ペルテス病では臼蓋の形成は良好(しかも臼蓋をつくる手術を受けておられます)ですから、無理な運動をして変形性股関節症が進行して、人工関節手術を受けることになっても、その成績も決して悪くは無いと考えるからです。
これ以上のお答えは、実際の診察抜きには自信がありません。手術をされた***先生に御相談されるのが良いと思います。
明確なご回答ができなくてもうしわけございません。
御質問6
9歳の男の子ですが、1年まえに、ペルテスと診断され、3ヶ月入院した後、装具を、つけて、小学校へ通っています。1月の検診で、骨化が始まってきたようだ、と言われました。レントゲンで、少し白くなってきたようです。早期に、発見されたので、早く直ってきたのかと、思うのですが、装具を除去するタイミングが難しいらしいのです。主治医の先生が変わられたのですが、新しい先生が小児の専門でなくあまり詳しくないようなので少し不安です。装具はどれくらいまで付ければいいのか、これから注意すべき点、教えて頂けませんでしょうか?宜しくお願いします。
御返事
メールありがとうございました。
お子さんがペルテス病とうかがいました。最初はさぞびっくりされ、その後長期の療養中にいろいろ心配なことがあったことと存じます。
この疾患についてはホームページでおよそのことは知っていただいたかと思います。
お子さんの場合は、8歳で発症し、すでに1年以上装具療法をつづけられたとのことですので、この間、御家族ぐるみでさまざまな困難を乗り越えられたことと存じます。生活様式の変化、親の指導のもとでの毎日の訓練、定期的な検査、症状の変化に応じて繰り返す入院治療、など装具治療は、本人・家族にとって肉体的、精神的に大きな負担がかかるものだからです。
装具と除去するタイミングというのは難しいものです。一般的にはレントゲン写真によって荷重部(骨頭に重みのかかる部分)において、新しい骨が死んだ骨に置き換わったことが確認されてから行います。通常は1年から1年半くらいかかります。新生骨の状態が分かりにくい場合には、MRIを行うこともあります。
さて、問題は現在の骨頭の形です。治療が順調に進んでいれば、骨頭が正しく球形になっているはずです。骨頭の形はどうなっているか?この点はしっかりと主治医に尋ねて下さい。また、たとえ球形になっていても、骨頭が巨大になることがあり(巨大骨頭と呼びます)、この為関節が不安定になる場合もあります。この点も必ず確かめてください。
この疾患の治療には高度な専門知識と経験をもった小児整形外科医師がおこなわねばなりません。もし、新しい主治医の先生がこの疾患に精通していないのであれば、小児整形外科専門医に相談すべきと考えます。