1.名前(ニックネーム)
団長
2.タイトル
J.S.バッハ "Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit"BWV106
「神の時こそ、いとよき時」 (ミュールハウゼン、1707)
3.アーティスト
Monteverdi-Chor Hamburg Leonhardt-Consort
Jurgen Jurgens
recorder:
Frans Bruggen, Jeanette van Wingerden
4.レーベル
Teldec,1963(復刻版)
5.コメント
バッハの教会カンタータです。
8年前にプネウマに入り、福永先生を知り、先生主催の京都バッハゾリステンによるバッハカンタータ
全曲演奏プロジェクトに触れ、初めてその存在を知りました。
ほぼ200曲のそのそれぞれが独自のみずみずしい魅力に輝き、くめども尽きぬ小宇宙を形成している。
教会歴に合わせて毎週日曜にバッハの教会カンタータのCDを聴く習慣ができました。
今年で6年目のサイクルを迎えます。
で、実はバッハはリコーダーのための独奏曲は残してくれませんでしたが、20曲あまりのカンタータで
素晴らしいリコーダーによるオブリガートを作曲してくれました。
ひいき目かもしれませんが、傑作ぞろいのバッハのカンタータの中でも重要な役回りをリコーダーが担
っているように思われてなりません。
その中でも一曲をあげよ、と言われればこの曲になります。バッハ20代前半、最初期のカンタータ。
「哀悼行事」Actus tragicus と呼ばれ、親族の葬儀のために書かれたとされる。
冒頭のソナチナ、静謐で簡素で奥深く澄み渡っている、死を幸せとして受け入れる世界観。ブリュッヘ
ンのリコーダーが滋味あふれ迫ってきます。
他にも、例えば第161番「来れ、なんじ甘き死の時よ」。
第一曲アリアでリコーダーが淡々と紡ぐ旋律を受け、アルトが死への憧れを歌います。
そして、マタイの受難コラールが響き渡ります。
通常はオルガンなんですが、J.E.ガーディナー指揮CDだとトランペットで演奏され背筋がゾクゾクします。
他にも、例えば第127番「主イエス・キリスト、真の人にして神よ」。
第三曲アリア、リコーダーのスタッカートで表現される弔鐘(死の鐘)のもとにこの世のものとも思われ
ぬ美しいアリアが歌われます。
バッハにとってリコーダーの存在が「死」に密接に関わるものであったこと。そしてキリスト者バッハに
とって「死」は幸せと受け止めるものであったこと。それがバッハのカンタータに刻印されていると思い
ます。
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