日々棒組み  122〜147

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147
引き続き「鳩サブレー」のお話。

鳩サブレーの箱に、B4判くらいの紙を二つ折りにした(つまりB5判4頁程度)の説明書が入っていたので読んでみた。
一ページ目は表紙で「鳩のつぶやき」とタイトル。ペラっとめくると、三段組みで、挿し絵をまじえながら、「鳩サブレー」誕生から今日に至るまでの経緯が書かれていた。
それによると、初代の主(明治時代の人)が、ビスケットを見本にして新しいお菓子を作ったところ、外国人に「これはサブレーというものに似ている」と言われ、初代は「サブレーは三郎みたいで親しみがあっていいじゃん」と「鳩三郎(サブレー)」の製造を決定した、とのことだ。
逆だと思ってた。
鳩サブレーキャラクターグッズを作った後で、「名前はどうしようか?」と考えて「鳩サブレーだから鳩三郎なんていいんじゃない?面白くない?ねえねえ」なんて調子で決まっていったんだと思ってた。
誤解してた。
すまぬ。鳩三郎よ。
お前の名前には初代とのそんな絆があったのだな。

「鳩のつぶやき」には、売り出した当初はあまり売れず苦労したとか、戦争中に材料が調達できなくて製造を中断したというような話が淡々と、しかしそこはかとないユーモアと気品すら漂わせる達者な文章で書かれていた。
その押し付けがましくないところに好感が持てたが、読み終わってはっと気付いた。
押し付けがましくなく、ユーモアと気品を兼ね備えている、これは「鳩サブレー」そのものではないか。
目から鱗が落ちた。
すまぬ。鳩サブレーよ。
何だかわからぬが、お前を誤解していたようだ。
これからはもう少しありがたくいただくこととしよう。

といったわけで、私は「鳩のつぶやき」を読んで「鳩サブレー」への接し方を改めたのであるが、オカーは「鳩のつぶやき」を手にとってしばらく読んだ後、
「つぶやき過ぎ」
と、ひとこと言って、テーブルの上にパサリと置いた。

次回は「鳩サブレーのおいしいいただき方『第一回 紅茶と合わせる』」をお送りします。


もちろんウソです。

2003.10.7


146
「鳩サブレー」っていう不思議なお菓子があって、何が不思議かって言うと、別においしいともまずいとも思わないし、好きでも嫌いでもなくて、積極的に食べたいと思うようなものではないんだけど、なぜか定期的に口にする機会が訪れるんですね。なぜか。
で、ショウヘーの修学旅行のおみやげが「鳩サブレー」だったんですね。
鎌倉に本店があったんですよ「鳩サブレー」。
で、なんだかんだ言っても、そこにあれば食べるんですね「鳩サブレー」。
食べた印象はまったく「鳩サブレー」で、それ以上でもそれ以下でもなくて、「可も無く不可も無く」という感じですね。控えめなやつですね。
「鳩サブレー」よ、いつかまた会おう。

で、本当は「鳩サブレー」そのものはそんなに話題にしてもしょうがないんですが、一緒に買ってきた物が面白かったんですね。
「日々棒組み」は、文章だけのコーナーのつもりでしたが、今回は「ショウヘー君、修学旅行から無事帰還記念」として特別に写真を貼り付けちゃいます。
「鳩サブレー」の鎌倉本店でしか買えないそうです。こいつ。

ですって。
「鳩三郎」。すてきなお名前。
つい声に出して呼びたくなる「鳩三郎」。
変にかわいいキャラクターとかにしてないところがすてき。
色といい形といい、「鳩サブレー」を忠実に再現しています。小さな子供はかじっちゃいそうです。

子供が山道で迷っている。
歩き続けてへとへとなうえ、お腹も空いてきた。
「ああ、もうだめだ。誰もいないこんな山道でもうだめだ」子供はあきらめてへたりこみそうになる。
と、その時。
子供の頭上に羽ばたきの音が。
大きな鳩サブレーが子供の目の前に舞い降りる。
「僕の名前は鳩三郎。さぁ、僕をお食べ」

え?
アンパンマンのパクリじゃないかって?
ふふん。
アンパンマンは顔だけ食べさせるけど、鳩三郎は全身サブレーなので、全部食われちゃうのさ。
そして鎌倉の鳩おじさんがせっせと焼くのさ「鳩四郎、鳩五郎、鳩六郎、鳩八郎、…」
?はとはちろう?

2003.10.6


145
ショウヘーくん、明日から修学旅行だって。
鎌倉へ行くんだって。バスレク係として。
バスレクは何をやるのかと訊くと、「インデアンゲーム」だって。
あれ?
今気付いたけど、「インデアン」じゃなくて「ネイティブアメリカンゲーム」って言わなきゃダメなんじゃないか?出発前に言っとかなきゃ。
あと、よその学校の生徒とガンの飛ばし合いするのもダメだって言っとかなきゃ。

私が小学生の時の修学旅行は東京見学だった。
国会議事堂、羽田空港、東京タワー、NHK放送センター、そして後楽園遊園地。
なつかしいな。NHKの前は毎日通ってるけど。
羽田で記念写真を撮ったっけな。
そういえば、ショウヘーたちにはひとり一個づつ、使い捨てカメラが配布されたんだって。
ショウヘーは「太っ腹」とか言ってたけど、高価なカメラを持ってこられるよりいいんだろうな。

まぁ、とにかく無事に楽しく一泊二日過ごしてきてください。
できれば変なおみやげとか買ってきて笑わせてください。

2003.9.30


144
久しぶりにタバコの話。

少し前に、タバコを吸っている夢を見たという話を書いたが、その後も何度か同様の夢を見た。
会社と思われる室内でスパスパ吸っている。周りには同僚やら、誰だかわかんない人やらが机で事務仕事のようなことをしている。
誰かに何を言われているわけでもないのに、定期的に「今日はいいんだよ、今日はいいんだよ」と言いながら私はタバコを吸い続けている。
言いながら「なぜ今日はいいんだろ?そんなわけないじゃん」なんて考えている。
目覚めた時に、「なぜ吸ってもよかったんだろう?」と一瞬考えたが、「そんなわけないじゃん」と打ち消した。

きのうも、道端に停めた車の中でタバコを吸っている夢を見た。
吸いながら私はこんなことを考えていた。

「あー、吸ってるなぁ…
思いっきり吸ってるなぁ…
いいのかなぁ…吸ってもよかったんだっけ?
いいわけないじゃん。
あ…
…そうだ…
吸ったら…
書かなきゃいけないんだ。『日々棒組み』で。



いいかな。
書かなくても…いいかな。
ね」

最後の「ね」が誰に向けられているのか不明だが、こんなことを考えていたのだ。
すまぬ。
と、あやまっとこう。
タバコ吸っても内緒にしておこうと思ってるみたいだ。
なんて卑怯なやつなんだ。もうゴミクズのような人間だ。俺なんて。

だけどこんな夢を何度も見るなんて、やっぱりタバコを吸いたがっているのか?この体は。
いや、ひょっとしたら夢はこっちのほうなのかも。
現実にはとっくに禁煙に失敗していて、それをうしろめたく思っている自分が禁煙を続けたかった願望を夢で見ているのかも。
そうだ。そうに違いない。これはすべて夢なんだ。
それじゃあこんな文章書いたって無意味だ。だれもこんな文章読まないんだ。すべて喫煙者オトーの夢なのだ。

え?
誰?
今「ここで読んでるよ」って言ったの。
だれー?
れーれーれーれー…。
誰かいるなら答えてー。
えてーえてーてーてーてーてー…。

誰もいない…。
振り向いても誰もいない。そこにはただ風が吹いているだけだ。
やっぱり夢なんだ。
喫煙者オトーが目覚めたらこの世界ごと消えちゃうんだ。
消えちゃうんだ。
まるで。
タバコの煙みたいに。

おあとがよろしいようで。

2003.9.17


143
あー、もう、だからこういう暑さにどんな意味があるのさ!
残暑なんか何のためにあるのかぜんぜんわかんないね。
お前さんにどんなレーゾンデートルがあるのさ、と問いかけたいね。残暑に。残暑に向かって。

今ごろ暑くなったからといって、「今度の日曜日は海水浴にでも行こうか」という家族が続出して、冷夏で大打撃を受けた海の家の人たちが助かるとでも言うのかな?
本当は冷夏のおかげで電力消費が少なかったのが100ワット電球よりも明らかなのに「皆様のおかげで夏を乗り切れました」だの、「この夏を忘れません」だの、どこかで聞いたような寝言を並べている東京電力の目を覚まさせるとでも言うのかな?
繰り返すけど、今暑くても何の意味もないわけだ。
すでに農作物の不作が伝えられ、越谷のしらこばとプールも今年の営業が終わったこの時期に、「いや、今年はちょっと『暑さ』が余っちゃってさぁ」なんて暑くなったって、まったく世のため人のためにはならないわけだ。

よし。
よしわかった。
今週いっぱいはいいだろう。
いや、この三連休までは見逃してやろう。
しかしもし。この三連休が明けてからもまだ暑いようだったら。
こっちにも考えがあるからな。
考えちゃうぞ。
いろんなこと。

2003.9.13


142
何年か前まで『週刊プロレス』を買っていたのを除けば、大人になってから週刊誌というものを買ったことが無い。
しかし、毎日通勤電車に乗っていると、中吊り広告というものがいやでも目に入る。
中には興味を惹く見出しもあるが、記事の意義みたいなものを考えてしまう見出しもある。
きのう見たのは、ある写真週刊誌のこんな見出しだ。

「マツキヨ前会長の愛人激ヤセ」

どうでもいいな。
って言うか、すべての要素がなんか遠いな。自分から。
「マツキヨ」「『前』会長」「愛人」「激ヤセ」。
分解してみても私にその週刊誌を買いたいと思わせる要素はなにひとつ無い。
もしも要素「愛人」と要素「激ヤセ」の間に新要素「マツキヨの薬を飲んで」がプラスされたら買うかも。

いや買わない。

なんてことを考えながら歩いていたら、今度は駅の売店に貼り出してある、スポーツ新聞の広告が目に入った。

「中日監督に落合」

野球のことなどまったくわからないし興味も無いが、落合は監督なんかできないと思う。
あの息子を見ればわかる。

さ、明日から世界柔道だ。がんばるぞ。

2003.9.10


141

ショウヘーぼっちゃん、宿題追い込み期に突入。
こないだの日曜日、習字の宿題をやっていた。
しばらくして「できたー」と持ってきた物を見ると半紙に黒々と

「公的年金」

なんだそりゃ?と思って「なんだそりゃ?」と訊いた。「課題か?」と。
もし自分でそんな単語を選んだとしたら相当なギャグセンスだな、と思いながら。
しかし、よく聞いてみると、JA主催の習字大会みたいのに参加するための課題なんだそうだ。
一応納得したが、それにしても「公的年金」て。どういうつもりだよ。
「年金の振込みはJAでね」って言いたいのか?そういう作戦か?

孫が書いた習字がJAの支店のようなところに貼り出される。
じいちゃんばあちゃん見に行く。
孫のお習字を、目を細めて見るじいちゃんばあちゃん。
「公的年金」
そのかたわらに「さりげなく」置かれている「年金」に関するJAのパンフレット。
「ばあさんや、年金の振込みはJAにお願いしようかねえ」
「そうですねえ、じいさんや」
なんて会話が交わされればJAの思う壺。
もしもその場でそんな結論が出なくても、じいちゃんばあちゃんの頭の中では「公的年金」「かわいい孫」「JA」が同じエリアに記憶されるはずだ。それは時が経つにつれて混じり合い、「かわいい孫のために年金をJAに振込もう」に変わっていったとしても不思議ではない。
なんと巧妙な作戦。
そんな作戦にいたいけな小学生を利用するとは。おそるべしJA。
と、おそるべっていたら、息子が
「もう一枚書けたー」
と別の習字を持ってやって来た。見ると

「巨大首づか」


もうわけがわからない。今度は誰の作戦だ?ショッカーか?
「な、なにそれ、自由課題か?」
「ううん、書いただけ」

…紙が余ったからちょっと書いてみたんだそうだ。
JAの作戦は見破れても、我が子の行動は時々わからなくなるのがちょっと淋しいオトーであった。


●解説

・「巨大首づか」というのは、江戸時代の人がエジプトのスフィンクスを呼んでいた名前で、この何日か前に放送された「トリビアの泉」というテレビ番組を一家で観ていて知ったのだが、私は一瞬忘れていた。

・「JA」というのは、農協がイメージチェンジを狙って付けた名称だが、私の周りの人は今でも「JA」の外交員を「のーきょーさん、のーきょーさん」と遠慮なく呼んでいる。

・ぜんぜん関係ないが、「JRって、どういう意味?」と問われた時に、「要するに国鉄のこと」と答える人は多いんじゃないかと思うがどうだろう。

2003.8.29


140

今日仕事中に歩いていて、赤信号で止まっていたら、でかいバスが曲がりかけて俺の目の前で止まったのね。
妙に窓が大きいバスで、しかも中の座席が低い位置にあるもんだから座ってたおばさんと目が合っちゃって、恥ずかしくて目を逸らしたのね。
そしたら逸らしたところに「このバスは環境にやさしい電気バスです」なんて書いてあんの。
ほえー、デンキバスかぁー、こんなに大きいバスも電気の力で動くのかー、さすが21世紀、と感心して、そう思って見れば未来的に見えなくもないデザインの車体を見回していたら、今度は前のほうに「丸の内無料巡回バス」とか書いてあって、前のドアの横にはもっと大きな字でさらに「無料」とか書いてあんの。
「とにかく無料だから」みたいな感じで。「ホント無料なんだから」くらいの感じで。

見ると路線図みたいのもあって、このあたりをグルグル回ってるみたいなのね。
ほえー、無料でグルグル回ってるのかー、さすが東京だなーって、感心してたら、反対の信号から渡って来たサラリーマン二人組もそのバスを見つけて
「お、無料か、いーなこれ」
「どこ回ってんだ、いーなこれ」
「サンケイのとこも通ってんのか、いーなこれ」
と、語尾に必ず「いーなこれ」を付けてしきりに感心してんだよね。そのうちドアを叩いて「今乗せろ、すぐ乗せろ」なんて言い出しかねない勢いで気に入ってたよ。

しかし、どこが走らせてんだろ、あのバス。
たぶん冷暖房完備だろうし、快適かも。
誰でも乗ってもいいのかな?何周でも乗っていいのかな?リストラで失業したけど会社行ってるふりしてるお父さんとか。道にダンボール敷いて寝ているおじさんとか。

2003.8.27


139
さあ。
いよいよ始まりました。「世界陸上」。
誰が走ったり投げたりぐるぐる回ったりしても全く興味のない私ですが、「世界陸上」にはひとつだけ気になっていたことがありました。
少し前から、夜中に「織田裕二の世界陸上」という番組を放送していたのを新聞のテレビ欄で見かけていたのです。

織田裕二の物なのか?「世界陸上」。
「みのもんたのクイズミリオネア」くらい「織田裕二」の物なのか?「世界」の「陸上」って。
まさかそんなはずはないだろうということくらい、いくらスポーツ観戦オンチの私にもわかる。
ひょっとして。
「織田裕二の世界 陸上」なのか?
すると、
「織田裕二の世界 水泳」
とかもあるのか?
「織田裕二の世界 体操」
はどうだ?
いや、待てよ。
そうじゃないのかも。
「織田裕二の世界 陸上」の次は
「織田裕二の世界 海底」なのかもしれない。で、
「織田裕二の世界 成層圏」と続くのかもしれない。
ほっとくと「織田裕二の世界 月面」とか、「織田裕二の世界 冥王星軌道」あたりまで行ってしまうかもしれない。ほっとくと。

止めるなら今のうちだぞ。やつを。

いや。
もう遅いのかも。

役者として人気や実力があるからといって、他のジャンルでも「我がもの顔」というのは、前埼玉県知事やその娘に利権が集中して、どーにも恥ずかしい人間を大量生産して、どーにも恥ずかしい状態になっちゃったのと、構造としては同じで、ものすごーっくいやな気分になるんですけど。

2003.8.24


138
ちっとも夏らしくならないままもう八月も下旬だ。
涼しくて過ごしやすいのは結構だが、「夏の雲コンテスト」二連覇を狙っている私としては、夏らしい雲が現れないのはちょっと困る。
なにしろ、このところ悪い天気が続いて、真っ白な空しか見ていない。真っ白いのも雲だからいいじゃないか、いや、雲だらけなんだからむしろ喜ぶべきだと思う人もいるかもしれないが、そうではないのだ。私が撮影したいのはいかにも夏らしいはっきりくっきりした雲なのだ。

しかし今年は、時々晴れる日はあっても、夏らしい、形のはっきりした雲はなかなか見られない。
夏らしい雲が見られるのはテレビドラマ「ウォーターボーイズ」の中だけだ。

そんな中。男のシンクロは無事開催できるのか、というドラマが盛り上がる中。
また夢を見た。
住宅街のようなところを歩いていた私が、ふと空を見上げると、高いところに人間の脳のような形をした雲が浮かんでいる。色こそ真っ白だが、形も表面のしわも本物の脳のようだ。その下には細い細い竜巻のように渦を巻いている雲が神経のようにつながっていて、鞭のようにしなりながら脳と一緒にこちらへ近づいてくる。
「これだ!この雲だ!」
と興奮したがデジカメを持っていない。
「ちきしょうめ!誰かカメラを持ってないのか!」
「お店に行けば使い捨てカメラがあるはず!」
隣で叫んだのは、以前何度か行ったことのあるスナックのおねえさんだ。
「借りるよっ!」
言うが早いか店に向かって走り出す。
「クリスマスツリーのところにあるからっ!」
後ろからおねえさんが叫んだ。
夏の雲を撮影しようとしているのにクリスマスツリーなんておかしいぞ、と、夢の中では気付かない。さらにおねえさんが叫ぶ。
「新しい子、入ったからー。17歳ですっごくかわいいんだよー!」
17歳とはずいぶん若いな、と思いながら今はそれどころではない。

しばらく走ってから振り返ると、さっきの脳みそ雲は消えていて、今度はガスタンクの10倍はありそうな丸い大きな雲がふたつ、表面を小刻みに波打たせながら、住宅街を飲み込むように転がってくる。
ツーバイフォー住宅が、電信柱が、街路樹が。巨大な雲の玉に溶け込むように消えてゆく。
あまりに豪快な光景だ。
「これを撮らなきゃ何を撮るってんだぁ!」
走りながら道路にかかる歩道橋を確認し、そこを撮影場所と決める。

さらに走り続けてやっと店に着いた。中に入ると店のすみにコタツが置かれ、どこかのおばあちゃんと、2歳くらいの女の子があたっている。
私は女の子に近づいて頭をなで、
「うちにもちっちゃいのがいるんですよー」
と、おばあちゃんに話しかけるが、おばあちゃんは私など存在しないかのように、黙って女の子に笑いかけている。

へんなばあさんだな、と思いながらも、カメラを探そうと店内を見回すと、今入ってきた扉のあたりに、クリスマスツリーと呼ぶには貧相な飾り付けの植木があり、その根元を探ると紙製のパッケージの使い捨てカメラが見つかった。
こんなカメラであのガスタンク雲の表面のさざ波のような模様が写せるかとやや不安になったが、他に選択肢は無い。

とにかく急ごうと店の扉を開けると外は土砂降りで、思わず軒下で立ち止まってしまった。氷の粒のようなものも混じっているようだ。
「くそ!雲の中に入ったか!」
私はあの巨大な雲がこのあたりを覆っている光景を想像して少しくらっとした。

ふと横を見ると、軒下の少し離れたところで、若い女が携帯で電話をかけている。
「これが新しい17歳の子かなぁ」
と思うが今は雲のほうが大事だ。
二つ目の雲を逃さないために土砂降りの中を駆け出す。
しかしあまりに雨が強く、10メートルほど走ったところでどうにも前に進めなくなってしまった。
しかたなくさっきの軒下まで引き返すと、女はまだ電話中だった。
話の内容からその女が、店の中にいた女の子の母親だとわかり、「あんな小さな子がいるんじゃ働くのも大変だなぁ」とか、「17歳ってちょっとウソ臭いなぁ」とか考えながら雨宿りしていたが、そのまま夢は終わってしまった。

この話のキモは、こういう夢を見たからといって、私が潜在意識で、たまにはスナックに飲みに行って、おねえさんやら17歳やらと楽しいひと時を過ごしたいけど、コタツや小さな女の子に象徴されるような家庭的なもののために我慢している、というようなことではなくて、ちょっとはそれもあるかもしれないけれどそれが主ではなくて、でももしもそれが主だったとしても決して恥ずかしいことではなく、むしろ健康的と言ってもいいくらいなのだが、やっぱりそうではなくて、この話のキモは「いい写真を撮りたければカメラを手離すな」とか、そんなようなことだと思うな。
違うかな。

2003.8.21


137
タバコをやめたことによって、私の呼吸器系及び循環器系は、一日につき一日分、確実に清浄の地に導かれている。
しかし、毎日午後3時過ぎころに胸の辺りがもやもやするのは、これは禁断症状なのであろうか。
といっても、禁断症状というほど強い症状ではなく、例えれば、「初めて恋を知ったあの夏の胸のもやもや」程度なのだが。

そんな中。そんな初恋の胸のもやもやの中。
タバコを吸ってる夢を見ました。
見渡す限り緑の草原の真ん中で、木製の折り畳み椅子に腰掛けて、思いっきりスーハースーハー吸ってました。ダースベーダーみたいでした。

「ああ、吸っちゃったなぁ…」

なんて考えてました。

「なんて書こうかなぁ…」

なんてことも。

そう。タバコを吸ってしまったことをここでどう書こうか考えていたのだ。夢の中で。
「人間は弱いものである」
という主旨の文章を考えていた。
古今東西、人間(できるだけえらい人)の、心の弱さから起こった事件を並べ立てておいて、
「私のような凡人が禁煙に失敗したからといって誰が責められよう」
とつなげるか、もしくはもう少し身近なところで、ダイエットに失敗する人、ギャンブルをやめられない人などの話を書いて
「これらはすべて人間の弱さと言えるだろう。しかし私はそんな弱さをもった人間がたまらなく愛しいのだ。人間万歳…。そうつぶやいてそっとタバコに火をつけた。私も万歳」
と、消極的に告げるか。
そんなことを考えながら草原でタバコを吸っていた。スーハースーハー、ダースベーダーみたいな息づかいで。

ダースベーダーって、どうやってタバコ吸うんだろう。

そんなことはどうでもいいが、多分ベーダー卿はタバコなんかお吸いにならないんだろうがそれもどうでもいいが。

この話のキモは、こういう夢を見たから私が潜在意識ではタバコを吸いたがっているのではないか、というようなことではなく、タバコを吸ったことを隠さずに報告しようとしている私の潔さにある。夢の中なのに。
その潔さは西部警察製作中止に匹敵すると言ってよかろう。
もし現実にタバコを吸ってしまったら土下座も辞さない覚悟だと断言しておこう。

でも誰に?

2003.8.20


136
なんだって?コンピューターウィルス?Blaster?
ブラスターって読むの?かっこいー。熱線銃じゃん。

少し前に、「『暴走族』なんて呼ぶからなんだか凄そうな感じがしておつむの弱い子が走りたがるんだ、みんなで『珍走族』と呼べば恥ずかしくてやめるだろう」というような説を読んで、思わず納得したことがあるけど、コンピューターウィルスにもブラスターなんてかっこいい名前を付けちゃダメだな、と思う。
呼ばれて恥ずかしい名前をくっつけてやれば作ってるほうのモチベーションが下がって被害が減るんじゃないかな。『Blaster』じゃなくて『どっこいしょ』とか『よっこらしょ』とか。
相当やる気無くすと思うけどな。
「『どっこいしょ』の作者かよー、俺」

コンピューターウィルスもただ『きん』ね。平仮名で。
『感染』じゃなくて『生えた』。
「『コンピューターウィルスBlaster』が広い範囲で感染しています」じゃなくて
「『きんどっこいしょ』があちこちに生えています」

でもこの『どっこいしょ作戦』は、日本でしか通用しないってところが致命的だな。

2003.8.18


135
もうてるてる坊主なんか信じるもんかっ!てるちゃんのばかぁっ!

って書き出しにしようかと思ったが、考えてみたらてるてるぼうずなんか作ってなかった。
おかげで帰省中はずっと雨。しょうがないから実家の近くのジャスコに行ってみた。
広くて屋根があるからお散歩気分でいいかな、と思ったらすごく混んでた。
みんな行くとこ無いんだな。お盆休み難民だ。

まあ今回は私の父親にアヤを見せるというのが大きな目的だったからよしとしよう。すごく喜んでたし。
親戚関係に赤ん坊が現れるのは久しぶりだから、おばちゃん連中にも珍しがられてたな。
帰る時に缶詰めだの果物だの、救援物資みたいにたくさん持たされるのは毎度のことで、今回はところ天とか、ミキプルーンなんかも入ってた。まんじゅうやようかんもあったな。

それにしても今回帰省していちばんビックリしたのは、中3の甥っ子が身長187センチに成長していたことだな。
靴のサイズ29センチだって。どーする?
どうもしないけど。

2003.8.16


134
こうしている間にも、短いながらも楽しみなお盆休みは刻々と近づいてきているわけだが、私のように鋭い洞察力の持ち主になると、刻々とやって来たお盆休みは、ほぼ同じスピードで刻々と過ぎていってしまうということを知っている。
しかしそんなことはあえて考えずにはかないお盆休みを楽しむのが大人のたしなみというものだろう。

今年は家族4人で私の実家に帰る予定だ。8月14日から8月16日の間に富士山が見えたら、あのあたりにオトー家の人々がいると思って、「おーい」と手でも振ってくれたまえ。
きっと周りの人に頭がおかしくなったと思われるだろう。

でも天気悪いみたいだなー。悲しいなー。神様は残酷だなー。
って神様なんて信じてないってこないだ書いたばっかじゃん。
でもてるてる坊主は信じてるぞっ!

2003.8.11


133
柔道田村、アニメ「こち亀」で声優に挑戦。
アニメネタかスポーツネタか、はたまた芸能ネタなのか、迷ってしまうが、これはお笑いネタではないかとにらんでいる。

ハードディスクレコーダーを購入して、操作方法をひと通り覚えたころ、私の心にひとつの野望が生まれた。
「これを使って自家製の『お笑いDVD』を作ろう!」
私の、私による、私のためのお笑いDVD。
なんて素敵。私だけ笑いっぱなしの2時間。

お笑いっぽい番組を片っ端から録画して、特に笑える部分だけ抜き出す。編集が容易なハードディスクレコーダーならではだが、それなりの作業量はある。番組のチェックも気が抜けない。
しかし私はがんばった。いや、まだがんばり中だ。2時間笑いっぱなしになるために。完成したDVDを観ながら笑い死んだとしてもそれは本望というものであろう。

そうやってお笑いを収集しているのだが、ボブサップが「ガキの使い」に出たシーンとか、「タモリ倶楽部」の「空耳アワー」といった、各種番組の一部分の他に、コマーシャルが(今のところ)2本だけ収録されている。1本目はキンチョーの、大滝秀治が「つまらん!」ていうやつ。そしてもう1本は、我らが田村亮子出演の「ペンタくん」のコマーシャル。
初めて見た時は、なんだかバカにされているように感じた田村の半端な演技だったが、何度も見ているうちに笑いがこみ上げてきて、晴れて収録の運びとなった。

「だいぶできあがってきたねー」
「ペンタくん、ほら見てあっちもー」
演技しようとして途中で放り投げてしまっているようなセリフに思わず笑ってしまう。そして、最後に拳を振り上げて「イェーィ」と叫ぶシーンでは、何度見ても「イェーィじゃねぇよ」と突っ込んでしまう。何度見ても。

そんな田村がアニメの声優に挑戦。必見必録か。
私が読んだ記事では「初めてとは思えないセリフ回し」なんて書いてあったけど、もちろんペンタくんで演技は経験済みだから初めてとは思えなくて当然なのだ。ぷぷぷ。
放送は9月7日。オープニングのシーンだそうだ(って、自分で忘れないように書いてるんだけど)。

お願いだから演技がうまくなってたりしませんように。

2003.8.7


132
お盆を前にしてこんな話もどうかと思うが、私には信仰している宗教は無い。
生きている人間には魂があると信じているが、心霊現象とか、悪霊とかそういうのは信じてない。
こっくりさんも、前世の記憶も、病気を治す奇跡のナントカもインチキだと思っている。
でも時々祈る。
死んだばあちゃんに、この子達を守ってと祈る。
なぜ死んだじいちゃんじゃなくてばあちゃんなのか。
ばあちゃんが、神棚にお経を上げて、キリスト教の教会でもらってきたお菓子を孫に与えるような人だったことと関係があるかもしれない。
とにかく時々ばあちゃんに祈る。
事故、病気、犯罪、戦争からこの子達を守ってと祈る。

世の中は手に負えない悲惨に満ちている。
手に負えないものを死んだばあちゃんに担がせるのもどうかと思うが、ばあちゃんは気にしないだろう。なにしろもう死んでるわけだし。

矛盾しているな、とは思っている。

2003.8.6


131
もういいよ。
夏は。終わってもらって。
あちーもん。こんなにあちーとは思わなかったよ。忘れてたよ。いいよ。明日から長い秋で。長い秋見つけたで。

今年はまだアヤがちっこいから夏的なアクティブなレジャーはできないからね。海水浴とか、サーフィンとか、ボディーボードとか、沈没船の探索とか、カツオの一本釣りとかそういうのはね。まだね。
だから短くていいよ。今年の夏は。
早く秋にして、秋っぽい落ち着いたレジャーをしようね。
栗拾いとか、もみじ狩りとか、おいも掘りとかね。
おいも掘ったら枯葉を集めて焼き芋だね。ほらもう冬だ。寒い寒い。
温泉でも行ってあったまりたいね。
除夜の鐘がゴンと鳴って年が明ければすぐにアヤも1歳だ。
そうこうしているうちにひな祭りだ。
なんて思ってるとすぐ花見だ。
ゴールデンウィークはどこ行こう。

なんていってるうちにまた夏になっちゃうんだな。暑い暑い夏に。
逃れられないんだ。夏の暑さから。夏の呪いから。怖い怖い。
そんなわけで夏は怪談が流行るのです。

2003.8.5


130
今日で7月も終わり。さらば7月の日々。なんだか短く感じたよ。
ふと気付けば「日々棒組み」と「オカーの日記」以外は更新が無いまま7月が終わってしまった。
オカーに「最近の『オトーラの書』は面白くない」と言われてしまった。更新が無いから。
更新できない事情はいろいろ複合的で、話せば長くなるのだが、言い訳はすまい。だって男の子だもん。
だが見てろ。
と、オトーは思う。
見てろ、と。
次の「さすらいロボ・ヤスジロー」を。
泣くぞ。
絵が多くて。

泣くのは自分か。
描いても描いても終わらないものなーんだ?
答えは「さすらいロボ・ヤスジロー第27話」のおえかき。

と、私がこんなにがんばって描いてるのにショウヘーが私のピンクの消しゴムをどこかへ持っていってしまった。
バカ息子め。今日プールへ行ってアバレッドのように真っ赤になって帰ってきた親不孝者め。
背中パァーンってやってやろうか。
オカーが黄緑色の消しゴムをくれたから勘弁してやるよ。

2003.7.31


129
お誕生日おめでとうございます。ありがとうございます。

というわけで今日から41歳だ。きのうまで40歳だったのに今日からは41歳。さらば40歳の日々。別に惜しくないけど。
それよりも41歳の誕生日というものが「めでたい」ものなのかが気になる。
いや、それを言うなら、子供の頃から「誕生日はめでたい」と疑いも無く信じてきたのは正しかったのだろうか?
我々はだまされていたんじゃないのか?ケーキ屋とかおもちゃ屋とかに。ひょっとしたらローソク屋とかに。
実はまったく普通のなんでもない日だったんじゃないのか、誕生日なんて。
まったくなんでもない日をみんなで「おめでとうおめでとう」と言うから本人も「ああ、めでたいんだな」と思い込んでただけなんじゃないのか?
「おめでたい日」なんてそんなのばかりなんだろうけどさ。

まぁ「とりあえず一年過ごせてよかったね」という意味で「めでたい」と言ってもよかろうよ。最近世の中物騒だから、一年大過なければ「めでたい」と言ってもいいんだろうね。
でもこの調子で世の中が物騒になっていったら毎朝起きたら「おめでとう」だな。一分一秒「おめでとう」だ。
「おめでたい」が多い社会は実は物騒な社会だということがわかりましたね。ためになりましたね。

そういえば英語の「ハッピーバースデー」って、あれ命令形?
「ハッピーになれ!」「ハッピーになりなはれ!」とみんなで取り囲んで命じてるわけだ、やつらは。
え?違うの?「ハッピーバースデー」でひとつの単語?ラッキーストライクみたいに?
え?え?41歳になっても相変わらずバカなこと言ってる?へへーんだ。

2003.7.24


128
というわけで小学生は今週から夏休みでございます。
くやしいので私も今週から夏休みということにいたしました。
いや、会社は行ってるけど。これからも行くけど。
気分は夏休み、っていうか。たまたま会社に行ってるだけっていう設定でいこうかな、と。夏休みだけどたまたま働いている、と。休日出勤とかじゃなくて、あくまでたまたま。
つい仕事してる、でもいいかな。ついうっかり。基本の状態は夏休みで。
どうでしょう。

たとえ「たまたまついうっかり」といえども働いているのに夏休みと呼ぶのは抵抗がある人もいるかもしれませんね。でもいいんです。私が良ければ。
この調子で8月一杯夏休みです。あはんはあはんはうれしいな楽しいなっと。何しよっかな、夏休み。宿題も登校日も無い素敵な夏休みあはんはあはんは。

それにしても涼しいなぁ。気分出ねぇじゃねぇかよ、夏休みのヨ。

2003.7.23


127
なんだか涼しいけど夏だ。
夏と言えばチューブの歌だ。なんてやつはホントはあまりいないだろうが、小学校は今週いっぱいで一学期終了で、19日から夏休み突入だって。
「なんだよ、それで9月まで休みかよ」
とショウヘーに言ったら
「登校日はあるけどね」
だと。

いーなー、夏休み。
入道雲
カブトムシ
プールの塩素のにおい
海の家のしょっぱいラーメン
そしてチューブの歌

オトーなんかお盆休みが土日入れても5日間あるだけだぞ。
いーなー、小学生。
やだなーサラリーマン。
まぁ小学生は小学生で大変なことが多々あるようなのでよしとするか。よしもわるしもないけどさ。

そういえばアヤは生まれてからずっと休みか。休みと呼称するかあの状態を。6ヶ月ずっと休み。の赤ちゃん。

しかし夏かー。そーか夏かー。

梅雨は明けたってこと?

2003.7.17


126
去年フランクフルトブックフェア視察(とは名ばかりの観光旅行)ツアーでお世話になった旅行会社から、少し前に私宛にダイレクトメールが届いた。
「今年もブックフェア視察ツアーやるからよろしくね」というわけだ。
もちろん行かないが、目を通してみる。
今年も10月に8日間の日程か…あれ?あれれれ?
「3日間にわたりフランクフルトブックフェア視察」だって。
あらぁー。なんだこりゃ。3日間も行くの?ブックフェア。
フランクフルトに3日で…すぐパリだよ。ベルリンが無いんだ、きれいさっぱり。
やだねー。
これでもう「ブックフェア視察とは名ばかりの観光旅行」とは言わせねぇぞってわけだ。誰がそんなこと言ってるのか知らないけど。
でもよかったー、去年で。ベルリン行けてよかったー。神様ありがとう。
一昨年の海外研修は5日間機材展にビッタリだったらしいしなぁ。
九死に一生を得るとはこのことでしょうか。
日々地味に生きている私だが、意外とラッキーマンかも、と思っちゃうのはこんな時だ。
そういえば今年の海外研修は誰が行くんだろ?もう決まってるころだよなぁ。聞かないなぁ。ひょっとして去年私があまりにいいかげんな研修をしたのがどこかから漏れて今年は中止になってしまったのでは…。
だったらスマン。許せ。でもよかったー、俺は。俺だけは。

2003.7.8


125
きのうオカーが車を運転していたら前に「関東狂乱一家」って、ステッカーだかペイントだかで大きく書かれた車が走っててビビったんだって。
俺でもビビるな。「関東」はともかく「狂乱」だもんな。狂ってる上に乱れてるわけだ。一家で。一家揃って。お父さんもお母さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんも僕も私も狂い乱れてるわけだ。場合によってはおじいちゃんおばあちゃんも狂い乱れてるのかもしれない。遊びに来た従兄も狂い乱れてる可能性も否定できない。しかもそれを外部の人間にアピールしてるわけだ。やだやだ。そんな一家は。

「私たちは狂ってますよー」
「狂ってる上に乱れてますよー」
「おじいちゃんおばあちゃんもいっしょですよー」

どんな一家だよ。
みなさんおなじみの家族で言えば、波平もフネもサザエもマスオも狂い乱れてるって感じか?もちろんカツオワカメタラ、全滅だ。赤潮が原因かもしれない。イクラタイコもやられてるかもしれない。ノリスケだって怪しいもんだ。アナゴくんは顔が変だ。
まぁ、サザエは前からおかしかったけどね。はだしで駆けてったり、お財布忘れたり。
お日様が笑ってるなんて言い出したこともあったっけ。とにかく危ない子だったね。
子犬も笑ってるんだっけ?

アニメの歌詞に突っ込んでも虚しいだけだな。
ガンダムなんかいきなり燃えちゃってるしな。
何の話だっけ?そうそう「狂乱一家」。
もともとたいした話じゃなかったな。

2003.7.3


124
今日から7月だって、早いねー。
もうすぐアヤさん誕生から半年、早いねー。
さらにもう少しでオトー誕生から41年、早いねー。
え?今日からタバコ値上げなの?へー。ぜんぜん関係ないけど。
タバコって銘柄もたくさんあって値段もまちまちで、今回の値上げ幅もまちまちらしいけど、タバコ屋のおばあちゃんは対応できるのだろうか?
「マイルドセブンスーパーライトいっこ、ケントマイルドさんこ、キャスターワンにこ、ベヴェルライトじゅうはっこね。そうそうこのライターも。今日は暑いねぇ」
なんて客に。いないか、こんな客。
そもそもタバコ屋のおばあちゃんというのが絶滅危惧種なのかもしれないが。レッドデータアニマルなのかもしれないが。アニマル?

私は禁煙する前は「ケントスーパーライト」というタバコをしばらく吸っていたが、タバコ屋で買う時は「ケントスーパーライト」と、フルネームで指定しなければならなくてちょっと面倒だった。同じ「ケント」でも「マイルド」だの「メンソール」だの何種類もあるからだ。
今検索してみたら「ケント」ファミリーだけでも14種類も出てきたよ。なんだこりゃ。
「ケント・ウルトラメンソール」と「ケントメンソールスーパーライト」ってどこがどのくらい違うんだろうか?ウルトラマンタロウとウルトラマンレオくらいには違うんだろうか?
マイルドセブンファミリーなんて18種類もあるぞ、おい。
「マイルドセブンEX100」「マイルドセブンEXライト」「マイルドセブンEXライトソフト」ライトソフトって、漫才コンビかよ。
「マイルドセブンOne100」って、ワンか百かどっちなんだって突っ込みたくなるね。
これじゃ吸ってる本人もわからなくなりそうだ。「マイルドセブンEXまでは覚えてるんだけどなぁ、何だっけ?」
おばあちゃんなんかもうわけわかんなくなってる。「昔はよかったねぇ…」なんてうつむくばかりだ。客が来ても「自動販売機で買っとくれ」と言うしかない。
今思い出したけど言われたことあったな。銘柄を言って買おうとしたら「そこの販売機に無いの?」って。おじいさんだったけど。無いから言ってるんだけど、そう言ったらものすごーくめんどくさそうに売ってくれたな。
その店は間口が狭いのに正面に販売機を置いてあって、窓口が15センチくらいしか開いてないんだよね。そこに手を突っ込むようにしてタバコやお金をやり取りしてたけど、ちょっと「取り引き」みたいな感じだったな。

じいさんばあさんがこの調子だと(って勝手に決めてるけど)、タバコは販売機で買うしかないのかもしれないが、販売機で売れる種類なんて限りがあるもんなぁ。そういえば販売機完全撤去の方向、って話も最近聞いたな。どうなるんだろう、タバコ販売業界は。
その自動販売機は今回、夜中の12時を境に値上げに踏み切ったのだろうか?あ、販売機は夜中は稼動してないんだったね。全部に赤ランプが点灯して。ということは本日まるろくまるまるじを期して値上げ販売開始!だったのだろうか。販売機が何時から動くのか知らないから本当はまるななまるまるじとかまるごぉまるまるじだったのかもしれないけど。

あ、コンビニとかスーパーで買えばいいのか。
って、俺はもう買わないんだって。

2003.7.1


123
少年野球、高校野球、都市対抗野球、プロ野球、実業団野球、草野球。世の中に野球と呼ばれるものは山ほどあるが、どれにも興味は無い。
私の興味は、ジャイアンツよりジャイアント馬場、タイガースよりタイガーマスク、バッファローズよりバッファロー・アレン、三塁打よりサンダーライガー、ライトフライよりドン・フライ、レフトフライよりドン・フライ、ピッチャーフライよりドン・フライ、キャッチャーフライよりド…
いくらでも続けられそうだが本題ではないのでこのくらいにしておこう。まぁ、そんな人生を送ってきたということで。
あ。
伝統の巨人阪神戦より田コロの大巨人ハンセン戦。長いって。

セカンドゴロより鶴見五郎。

というようなわけで大リーグにも興味は無い。「野球」と「ベースボール」は別物だと言う人もいるが、もちろん私にはそんな区別はつかない。「野球」と「ソフトボール」はかろうじて区別できる。ピッチャーが下から投げるのが「ソフトボール」だ。どうだ。あとタマがでかい。どうだっ。

そんなレベルなので「大リーグ」と聞いても私の頭にはスプリングで絞り上げられたチョビヒゲ君しか思い浮かばない。しかし最近では日本人選手の活躍もあって、イヤでも大リーグ情報が入ってくる。
「イヤ」と言っても「イヤァッ!」っと顔を背けるような「イヤ」ではなくて「意識しなくても」という程度の「イヤでも」だ。

今朝もテレビを見ていたらイヤでも大リーグ情報が始まった。
イチローが外野からの送球で走者をアウトにしたらしいのだが、その時アナウンサーが「矢のようなレーザービームで」とその送球を表現した。
矢のような?
イチローの送球が「レーザービーム」と呼ばれていることはイヤでも知っていたが、「矢のような」?
速いということを強調したいのだろうが、すでに「レーザービーム」だ。それで究極に速いではないか。「矢のよう」では遅くなってしまうではないか。
そんなことないの?いいの?
じゃ、こういうのは?
石のように硬い超合金、氷のように冷たい液体窒素、盗っ人猛々しい人殺し、米粒ほどのビフィズス菌、米粒ほどの乳酸菌、米粒ほどのサルモネラ菌、米粒ほどのごま粒。
これじゃたけしのオールナイトニッポンでやってた「水くさいお湯コーナー」だな。

なんだかまとまりの無い文章になっちゃったけどこれで終りだ。冒頭くだらないことではりきりすぎたな。反省反省。

油の乗ったピッチャーよりアブドラ・ザ・ブッチャー。
反省だ反省。

2003.6.28


122
昼飯はたいていコンビニで買う。
会社の前のコンビニは設計ミスなのか、雨の強い日には入り口の庇から雨だれがボタボタボタボタ落ちてくる。入店直前にみんなびしょ濡れだ。
こないだ雨の強い日に昼飯を買って帰ろうとしたらどこかのOLの5人組が店に入ろうと傘をたたんだところだった。
そこへ雨だれの直撃。
5人組は甲高い声で一斉に
「むかつく」「むかつく」「むかつく」「むかつく」「むかつくぅ」
全員が小鳥のさえずるような声で
「むかつく」「むかつく」「むかつく」「むかつく」「むかつくぅ」
なんか怖かった。

万が一私が彼女たちの機嫌を損ねるようなことをしでかしたら取り囲まれて
「むかつく」「むかつく」「むかつく」「むかつく」「むかつくぅ」
「オヤジ死ね」「オヤジ死ね」「オヤジ死ね」「オヤジ死ね」「オヤジ死ねぇ」
なんて言われちゃうんだろうか?あの甲高い声で。
そんなことになったら怖くて泣いちゃうな。多分。

そりゃそうとうるさいよ。道端で勧誘しているやふーびーびーの人たち。
うるさいっていうか鬱陶しいよ。馴れ馴れしいよ。腹立たしいよ。あの小袋には何が入ってんだよ。
なぜあんなに馴れ馴れしく話しかけてくるんだろうか?なんかネット時代の雰囲気を醸し出そうとしてるんだろうか?そんなもん醸さなくていいよ。
あんまり鬱陶しいとあのテーブルの上に並んでいる小袋をたーって全部払い落としてやりたくなるね。たーって。この「たーっ」は気合ね。声に出して言うの。テーブルの上に体ごと滑り込んで行って「たーっ」って。小袋バラバラバラァー。どんな顔するかね?
え?その後どうすんだって?もちろん逃げるんです。どこまでもどこまでもどこまでも。マトリックスに捕えられないように。って、評判の映画につなげてみた。

2003.6.27