日々棒組み 500~
TOPへ
日々棒組み469~499へ
日々棒組み441~468へ
524

子供の頃からちょっとだけ噛み合わせが悪くてさ。下顎が少し出てるのね。
で、物を噛むと上下の歯がまともに当たってガチガチ鳴るのね。
小学生の時に近所の歯医者に母親が指摘されて自覚したんだけど、その歯医者がまた「矯正してもいいけどしなくてもいい」なんてあいまいなこと言うから矯正しなかったんだよね。
あの時からだな。やってもやらなくてもどっちでもいい場合には「やらない」を選択するのを人生のモットーして生き始めたのは。なんてのは余談で。
ここんとこ歳のせいだかこの噛み合わせの悪さ率が増加してるような気がするんだよね。歯が当たる感じが強まって、下顎がじわじわ前方にせり出してるような気がしてならないんだよ。
どうなっちゃうの?これ。
年々しゃくれてくの?俺。
何歳まで生きるかわかんないけど、じーさんになって死ぬ頃にはものすごいしゃくれ度になってんのかな?
火葬場で「それにしてもしゃくれたじーさんだったよなぁ」とか話題にされちゃうのか?焼き上がり待ちであられとかつまみながらビール飲んでるあの席で?
言っとくけど人生の大半は「ごく親しく、また注意深い者のみが気づく程度のしゃくれ」として生きてきたんだからな。
いや別にしゃくれた人を見下してるわけではなくて、私のような半端なしゃくれが、死ぬ時にどんなにしゃくれていたとしても所詮はにわか。まっとうなしゃくれ人間のカテゴリーに加えてもらおうなんてめっそうもないというむしろへり下った心境なんだよ。

で、焼き上がって (ってまだ火葬場のシーンね) 係りの人が「これが下アゴです」って説明すると場内がどよめくのね。あまりに立派な下アゴの骨に。
「すごいなぁ、じーさん下アゴだけは立派だったからなぁ」って、なんだテメェ!下アゴ「だけは」ってどういうことだよ?「だけは」ってよぉ!
なんて、自分の葬式で下アゴだけになって怒りを爆発させるような事態にならないように最近意識して下アゴを引っ込めるように努めてるのね。自己矯正。
巨乳の人が目立たないようにちょっと前かがみで歩くのと似てるかな。
似てないね。
2015.01.18


523

空飛ぶ夢の話、第何弾だか。
時々空を飛ぶ夢を見るって話を前に書いた記憶がうっすらぼけぼけあって、その時に夢の中で飛ぶときは長めのジャンプから気力で飛行、みたいなことを書いたと思うんだけど、その件についてある重大な
「気づき」がこないだあったのね。
もうあまりに画期的で、今まで一部分しか使われていなかった私の脳がすべて覚醒したんじゃないかと思うような大発見。
眠ってる夢の話なのに「覚醒」とか言ってるところが私の表現が巧みなところなんだけど気が付かなくても恥ずかしくないから気にしないで。

深海の生き物の様子をいろいろ紹介するテレビ番組を観ているときにやってきたのね、その気づきが、覚醒が。
なんか海底をヒレで歩く感じで移動する魚っているじゃん?あいつらちょこっとだけ海底に触れて、跳ねる感じで移動してくでしょ、ちょんちょん、ぴよーんって。
で、海流の関係だか時々ちょんちょん、ぴよよよよーんみたいに遠くまで行ったりするのね、身をくねらせたりしながら。
あれ?って見てたら、ちょちょんぴよよよよーーーーーーんってもう歩いてるっていうより泳いでると言っても過言ではないくらい長距離移動したりするんだよね、身をくねらせながら。

で、気づいて覚醒しました。私。
これって飛ぶ夢の長めのジャンプからの気力で飛行、とそっくりじゃん!

これだな、と。
我々人類が見る空を飛ぶ夢の原型はこれだな、と。フライングドリームのプロトタイプをついに発見したぞ、と。
そもそも空を飛ばない人間が空を飛ぶ夢を見るのはおかしい、そして怪しい、何か間違ってる、などと思ったことはなかったけど、でもそれが水中にいた遠い祖先の記憶なら?
おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおばあちゃんのおじいちゃんのおかあさんのおばあちゃんのひいばあちゃんのひいばあちゃんのもっともっとばあちゃんが海底で生活していたころの記憶がわ
れわれ人類の脳の原始的なところに残っているのだとしたら?
われわれは空を飛んでいる夢ではなく、海中を浮遊してる夢を見てるんですよ、みなさん。ちょんちょんぴよよよよーーーーんって。そしてそれは遠い祖先の海中生活の記憶からやってきていたのですよみ
なさん。

しかしこの発見はとても恐ろしい発見だったと、書いてて気づいた。
今度空を飛ぶ夢を見たら、その時はきっと息ができなくて苦しくて苦しくてしょうがないことになるんだろう。
嗚呼。恐ろしい。
こんなこと気づかなければよかった。脳は眠ったままでよかった。地上になど上がらずに海底でひっそり暮らしていればよかった。
2014.9.06

522

笑った人もいたでしょう。呆れ返った人もいたでしょう。あのニュース。
そう。JTB中部の30歳の社員が高校の遠足のバスの手配していなくて、生徒を装って自殺をほのめかす手紙を自作して遠足を中止させようとしたあのニュース。

笑った人もいたでしょう。呆れ返った人も怒りを覚えた人もいたでしょう。
でも。
私は笑いも呆れも怒りもしませんでした。こう思いました。
「そういうこともあるよね」

みなさんご記憶でしょうか?昨年この場でも報告した「カレンダー部材発注漏れ事件」。
もしも部材が間に合わなかったらカレンダー完成が年明け、という、業界では決して許されない事態に陥るところだったあの事件。
既報の通り主に運と神様のお助けで乗り切った私であったが、もしも運にも神にも見放されていたら。
JTB社員のような行動をとらなかったと誰が言えるでしょう。

事実、部材発注漏れに気づいてからなんとか手配をつけるまで、私は、「手配失敗時に自分が取るべき行動」を、30パターンくらい、脳みそがギリギリ音を立ててねじれるくらい考えました。
カレンダーの印刷に間違いがあって作業中止にならないかと、印刷物を舐め回すようにチェックして、
お客さんに「大変です!5月3日がふたつあります!ええそうです。そしてなんと!5月4日がどこにも無いのです!」と電話する自分を夢見たり、みんなが見ている前で派手に倒れてそのまま入院しちゃおうか、とか、貯金を全部下ろしてレバノンへでも逃亡しようかとか、その他ここではとても書けないようなことも26個くらい思いつきました。
部材の手配がうまくいったおかげで幸いにもどのプランも実行しなくて済みましたが、一歩間違えば今回のJTB社員のように追い込まれ、今頃レバノンに潜伏しているか、ここでは書けないような状況になっていたことでしょう。

だから、私は笑ったり呆れたり、まして怒ったりしません。
彼がどんなに追いつめられ切羽詰まったか、自分のことのようにわかるからです。
彼にひとつだけ言いたいのは、

「ホントにやるなよ」

です。

でもまぁ、彼がどういう人間か知らないけどみんなもさ。
あんまり責めんなよ。
仕事で失敗しただけじゃんか。
2014.4.30


521

「うひゃっ」
湯船に足を入れたアヤがその足を引き抜き、桶でお湯をかき回し始めた。
「お風呂の下のほうが冷たいよぉ」
そうそう。君もそういうことに気づくお年頃になったか。
お風呂は放っておくと上のほうが熱くて下のほうが冷たくなるというこの世の真実に。

そこで教育パパの私は、液体の重さについて、暖めた物質は膨張するということについて、同じ質量のまま体積が増えることを軽くなるということについて、重い軽いを比較するには条件を揃えなければ決めることができないということについて、ていねいに解説してあげた。
意外と話に食いついていたアヤがやがて言った。
「そうか!そうだよね!」
その眼は知性の輝きでキラキラしていた。
「ネズミ2匹と角砂糖5個だったらネズミのほうが絶対重いもんね!」








アヤさん…



君は、


文系だね。

2014.1.22


520

部材事件最終報告。
そんなわけで、仕事納めの日に部長に自首してそのまま逃げ切れ作戦を遂行した。
仕事納めなので、朝、部長から「今日中に自分の机周りとあそことあそこをきれいに片付けておくように」というお言葉。
いつもなら「ういっ」とか「い~す」とかいいかげんな返事をするところだがきょうは「はいっ!」といいお返事。後への布石である。
自分の失敗なので、不必要な人間には知られたくない。間違った人間に知られるとあっという間に会社中に知れ渡るのだ。そういう職場なのだ。
なるべく部長の周りに人がいない時に自首したい。
自分の机周りやあそこやあそこを片付けながら機会を伺う。

しかし。
年末は意外とみんな事務所で仕事している。おまけに仕事納めの日ということもあって、いろんな業者が部長のところに挨拶に来たりして、なかなかチャンスが無い。
もたもたしているうちにお昼近くなってしまった。
人間というものは空腹時には不機嫌になりやすいということを経験から知っていたので、午後に自首することにした。
なんだかんだ尻込みしている気もする。

で、午後。
午後になってもあまり状況は変わらず、なんとなく部長の周囲に人がうろついている。
あ、いいかな、と思うとするっと誰かがやって来て部長と話したりしている。
もうっ!

卒業式の日に告白しようとしている中学生みたいだなと思ったらちょっとおかしくなった。きたないオヤジがもっときたないオヤジに自分の失敗を白状するだけのことだが。
しょうがないので出頭する条件をちょっとだけゆるくして部長の元へ。
事情を話すと、
「もうしょうがねぇよなぁ、返品するわけにもいかないしな、いくらぐらいなんだよ?」
「えと、さんまんひゃにせんえんくらいです」
「しょうがねぇなぁ、来年使えるかなぁ、忘れるなよ」
「はいっ」
いいお返事をして離脱。
終わった終わった。これで本年の業務はすべて終了!また来年までさようなら!
まだ午後2時過ぎだったけど、こうして平成25年の私の会社でのお仕事はすべて終わったのでした。

2013.12.30


519

んで、その話には続きがあってさ、

え?
何の話?
ほら、こないだの、カレンダーの部材が発注されてなくてでもギリギリなんとかなった話。
読んでてあれっ?て思わなかった?
思わないよね、覚えてないくらいだから。

とにかくあの話にはあれっ?ていうポイント、アレポイントがあって、問題の部材を二箇所に頼んじゃってるじゃん?
そもそも発注するつもりだった業者と後から頼み込んだ業者と。ね。
そもそも業者の方にも最短でやってくれって言った手前キャンセルできなくなっちゃったんだね。気が小さいから、俺。金額もニンテンドー3DSが2台は買えない程度だし、って思っちゃったのね、その時は。

どうなっちゃうのかな、これ、どうなっちゃうのかな。
それはね、部材がね、必要な数の2倍、手に入るんだ。不思議だね。魔法のポケットみたいだね。
で、これ、まだ俺しか知らないんだよね。
後からの分が届いた時にさーっと駆けつけてさーっと自分の棚の奥に隠しちゃったから。特別狙撃隊みたいにすわーっと。

でもこれバレるんだよね。請求書ってのが来るから。
ひどいよね。血も涙もないよね。
請求書が来てから、なんだこりゃあ!って騒ぎになる前に部長ってのに言わなきゃなんないだよね。で、いつ言おうか悩んでたんだけど、明日自首することにしたんだ。
ほら、明日で仕事納めじゃん。で、9日間休みになるじゃん。ね。
9日経てばすっかりほとぼりも冷めて爽やかにあけましておめでとうが言えるよね、お互い。わだかまりなしに。

んで、この話にはひとつ救いがあって、来年、同じ仕事を同じ数量受注すれば、棚の奥に隠した部材が使えるんだよね。
だからほら、俺は思ったわけだよ。これから一年間、人には親切に、を心がけて生きていけば、それを見ていた神様が、またこの仕事を与えてくれる、って。きっとそうしてくれるって。
でも。なんか。もしそうなっても、棚の奥の部材のことなんかすっかり忘れてまた同じ部材を頼んでいる自分の姿がうっすら見えたりするけども。
頼み忘れるよりずっといいけどさ。

ま、いずれにしてもニンテンドー3DSが2台買えない程度の、

あ。

部材を取りに行った時の高速代。往復。あれ足すと2台買えるな3DS。2台買ってお釣りが来るな。

あ、でもほら、

ソフトは買えないから。

2013.12.26


518

「神も仏もあるもんか」が座右の銘の私であるが、年に何回か「神様っているのかな?いないのかな?」って考える。
たいてい何か困った時。
いるとしたらちょっとお願いがあるんだけど。

年の瀬も宴たけなわの今日が今年のそんな日だった。
すべて私の落ち度というわけではない(と思う)が、そこそこ私の落ち度で仕事で使うある部材が発注されていなかった。
普通に発注する時は2週間以上前に頼むような部材である。
最悪でも今週金曜日、20日の朝に無いとえらいこっちゃな部材であった。
それがこの月曜日に発注されていなかったのである。えらいこっちゃ。
どのくらいえらいこっちゃかというと、この事実を知った瞬間に家庭も仕事も投げ出してJboyのようにどこかの山奥に逃げてしまおうかと本気で思ったくらいのえらいこっちゃである。

んで、最短でいつ納品できんの?と、本来発注した(つもりだった)業者に訊くと、「最短で25日です」だと。
あっはっは、クリスマスプレゼントかよおまいさん。カレンダーで使う部材を25日にもらって作業したらカレンダーが出来上がるのは26日だ。あはは。次の日仕事納めだあははのは。しかも最短で。
もうどうなるかよくわかんないけど「とりあえず最短で段取りしていつもらえるか教えて」と言って電話を切った。

追いつめられたJboy候補は逃げ込む山を本気で考え始めた。高尾山くらいしか思いつかなかった。

いや、
待てよ、
そうだ!
もう1社、ほぼ同じ製品を作ってる会社があったじゃないか!
あくまで「ほぼ同じ」だけど。この際だ、かまやしねぇ。
必死の想いでそっちの営業をつかまえて事情を説明。
「即答はできませんが工場と相談してみます。また電話します」

電話を切った私は三回つぶやいた。
「神様お願い神様お願い神様お願い」
「これがうまくいったら良き人間になります困った人がいたら助けます神様お願い神様お願い神様お願い」
都合6回お願いした。

それから体感時間で86時間後(実時間で約45分後)、電話が。
「最短で20日届けですね。それが精一杯です」
と、いうことは、だ。
「どっかに取りに行けば前の日にもらえます?どこで作ってます?」
「どっか」次第だが訊いてみた。
「工場に行ってもらえるなら、前日の夕方できてます」
これが種子島工場とか言われたらあきらめるところだが、場所を訊くとご近所ではないがまぁ行ける場所。
「はい。それでお願いします。すぐ手配して下さい」

こうして。
忙しい年末に山奥に逃亡する必要がなくなった私は、この緊迫した一件で乾いた喉を潤すため、近くの販売機で「あったかクリーミーカフェオレ」を購入し、事務所へ戻ろうとした。
すると。
一台のプリウスが遠慮がちに会社の駐車場に乗り入れてきた。
停車したプリウスの運転席の窓ガラスが下降して、ちょいと上品なおばあさんが私に話しかけてきた。
この住所になんとかいう老人ホームがあるはずなのだが知りませんか?という。
この敷地にはいくつか会社が入っているが、老人ホーム?聞いたこと無いよ。
おばあさんは番地はここのはずだとネットで検索してプリントアウトしたらしい地図を私に見せる。
細かい道を探すには縮尺が大きすぎる地図だったが、確かに番地はここだし、老人ホームがあることになっている。周囲のスーパーや交番との位置関係も間違い無さそうだ。うむわからん。
ちょうど3時あがりのパートの奥様たちがいたので老人ホームを知らないかと訊いてみると、みな熱心に考えてくれ、老人ホームは知らないが、これは交番の手前を入ったところではないかと教えてくれた。
そうか。たしかに交番の手前の道を入って行くと、どん詰まりに何か施設的な物がある。老人ホームかなんか知らないが、あそこなら会社の真裏で、番地が同じでもおかしくない。

プリウスに取って返し、その旨告げると、おばあさんは礼を言って、歳の割には鋭いハンドルさばきで駐車場を出て行った。
走り去るプリウスを見送りながら、はっと気づいた。
俺。
今、困ってる人を助けたよな。

「神も仏もあるもんか」が座右の銘の私であるが、今日は思った。

「神様っているのかも」

そしてもうひとつ。
「神頼みって、後払いもオッケーみたい」

神様。もしくは仏様。
もしも本当にいらっしゃるなら。
きょうはありがとうございました。

んで。
19日ね。
そこそこの距離走るので。
雪とかあんまり積もらさないでね。
良き人になりますから。
困ってる人がいたら助けますから。
後でも先でも。

2013.12.16


517
自分の机でなにやら作業中のアヤの後ろを通りかかったら、ニコニコしながら「ねぇ見て見て、すごいでしょ?」とノートを開いて私に見せた。
B5ノートの上部三分の1くらいのスペースに1センチ角くらいの四角いものが何十枚も貼り付けてある。
元々ド近眼な上に最近では老眼側からも攻撃を受けている私がその狭い可視領域まで顔を近づけて目を凝らすと、むむ、これは。
ベルマーク。

誰もがその存在を知っているが、普段は存在を忘れているものなぁんだ?
答えはベルマーク。

ああ、そうか。集めて学校へ持って行くんだ。そうそう。そういうシステムだよね、ベルマーク。自分も昔集めてたっけな的懐かし感を覚えながら、
「学校で集めてるんだ」
と言うと、首を横に振って
「ううん、自分で集めてるだけ」
え?

だって…、ベルマークじゃん?
みんなが集めたのを学校に持ち寄って生徒会とかが集計してその後どうにかなるのがベルマークじゃん?それがベルマークじゃん?

では一体何を目的に集めてるんだと問い質したかったが、
「ねぇ、すごいでしょ」
うっとりノートを見つめるアヤにそれ以上何も言えない父であった。

それでも何の目的も無く集めてるというのが信じられなくて、一晩考えた末思いついた。
そうか。点数だ。点数が増えて行くのが楽しくて集めてんだ。
そうだそうだ。そうに違いない。集めるだけじゃ何万点になっても何の役にも立たないが、ただノートに貼るだけが楽しみってこたないだろ。そりゃないだろ。

疑問が解決した私は翌朝アヤに訊いてみた。
「アヤ、ベルマーク、何点集まったの?」
「知らない」
「け、け、計算してないの?」
「小数点とかあってめんどくさいじゃん」

ただノートに貼るだけが楽しみだった。

年頃の娘が何を考えているのか、もうまったくわからなくなり、途方に暮れる父であった。

2013.9.23


516

あらら。俺、負け組だったのね。

とある週刊誌の見出し。

「年収500万円程度で終わる男の実像」

まぁまだ終わってないけど多分終わるな。あはは。

記事本体は読んでないが(読みたくもない)、記事を解説したブログ記事によると、年収が「500万円に届くか否かに一喜一憂しながら働き盛りが過ぎていく万年平社員。彼らには、どんな特徴が?」あるのかというと、「言われたことしかやらない“指示待ち人間”。新プロジェクトに手を挙げない、ビジネスに役立つ飲み会にも参加しない、土日は寝るだけで趣味に没頭」だとさ。

見事に全部当てはまるな、俺。

ちょっとだけ違うのは「言われたことしかやらない」じゃなくて、「言われたこともやらない」ってあたりかな。

身の回りに「ビジネスに役立つ飲み会」なんか無いけどあっても行かないだろうな。
あ、あと「プロジェクト」なんてしゃれたもんはうちの職場には無いよ。

ダメな方で自分のこと言われてるようで不愉快になるけど、周囲でお仕事的に成功してるやつは確かにこの逆だな、とは思うよ。

飲みに行って「(俺と)一緒にやれる仕事が無いか考えてるんですけど」とか本気の目つきで言ってきたりするんだよね。

「いらないよ」って言っちゃうけど。

それと、休日寝たり趣味に没頭したりがダメなのは、『社会人の土日=勉強する日』だからだそうです。ああそうですか。こちとら1年の三分の一の土曜日は出勤してらぁ。なんて言ってる時点で負け組か。

週刊誌の記事にはこの手の「うだつのあがらなかった先人」の共通点が63個も載ってるとか。

全部当てはまりそうな気がする。むしろ読みたくなってきたぞ。
読まねぇけどな。

2013.9.11


515

11月1日まで絶対に交通違反はいたしません。
と、天の神様に誓う私でした。
そうです。
罠に落ちました。ポリースの。
駐禁とられました。
ポリースじゃないかな、駐禁は。なんか、あいつら。

そんなわけで。2点背負って生きてゆきます。三カ月。

悔しかったので出頭した警察署の、警察車両しか入れない駐車場に停めてやりました。
実はわざとじゃなくて知らずに入れちゃったんです。
だって門が開いてたんだもーん。
何の表示も無かったんだもーん。
駐車場にいた制服ポリースが怪訝な顔をしてたから、あれ?っと思ったけど、もう入っちゃったし、ダメなら何か言ってくるだろうと、目の前で見事に車庫入れしてやったよ。

雨が強かったから小降りになるのを待って署の玄関側に行こうとしたらさっきの門が閉まってたさ。がっちり。
人が通る隙間もありゃしない。
幸い錠はかかっていなかったので、カンヌキをずらして開門、かいもーん。

署内に入るとカウンターに「当警察署には駐車場がありませんので云々」の表記。
バカか。ここで伝えることじゃないだろ。
門のとことかに書いとけ。でっかくさ。

ニッポンポリースはバカなのかと思いつつそれは口には出さず、あいつらが車に貼り付けた駐禁ステッカーを見せながら「なんかこれ」と言うと係りに案内された。
係は、女相撲の横綱みたいな体格だったが、自信なさそうな変な対応だった。
きっと文句言うやつとかいるから対応に気を使ってるんだろうな。
俺は文句なんか言わないよ。駐車場の門が心配で。あそこに錠でもかけられたらどうやって脱出しようかそればかり考えてたよ。

手続きを終えて駐車場に戻ると、門はそのまま開いていて、数人の自転車ポリースが出動するところだった。
こういう時は堂々としていたほうがいいと思ったので、胸を張って車に戻った。
敬礼でもしてやろうかと思ったが、気が小さい僕にはそんな大胆なことはできなかった。

出動する自転車ポリースの後を追うように門を抜け、歩道の前でしっかり一時停止して、私は
娑婆に出た。
もう二度と罪を犯すまい。この手を汚すまい。

2013.8.8

514

水曜日の朝。起きたらアヤがいなかった。オカーに訊くと、「大きな荷物を抱えて出て行った」とのこと。何事だ?
夜になってもアヤは帰って来なかった。何があったんだ?家出か?家に何か不満でもあったというのか?

やがて私のiPhone5に不審なメールが。
「13時30分 白根山頂でコバルトブルーのカルデラ湖を見ています。5年生参加児童は全員元気です」
なんと。
5年生全員での家出、じゃなかった、林間学校だったのだ。

そんなわけで。次の夜もアヤは帰って来ず、狭い我が家もちょっぴり広く感じた二日間であった。
あ、三日間か。二泊三日。でも三日目は私が帰宅したらもう帰ってたから実質二日間か。そのへんはどうでもいいか。

でも最近の林間学校ってホテル宿泊なのね。贅沢。贅沢三昧。
俺の林間学校はバンガローだったよ。思い出すなぁキャンプファイヤー。
火の神様役に抜擢されてたいまつでキャンプファイヤーに着火したっけ。
その後たいまつの火で手にやけどして二日目を台無しにしちまったっけ。

アヤたちは、ネイチャーガイドとやらにガイドされたり、夜には蛍を見たり、お土産を買ったり楽しい時間を過ごして帰って来たんだけど、その間1日3回くらいメールが来るのね。今どこで何してる、とか全員元気です、とか事細かに報告して来んのさ。安心ちゃあ安心だけど、うるさいっちゃあうるさい。
そのうち生で動画とか送るようになるぞきっと。
子供にとっては窮屈な時代がほらそこまでやって来ているよ。

ってそんな話が書きたかったわけじゃないじゃん。

2013.8.3


513

『私はこれで痩せました! 驚異の虫歯ダイエット!』って電子書籍を出して大儲けしようと思ってるんですけどいかがでしょう?

そんなバカなことを考えているのは、ここんとこ歯が痛くてどうにも食が進まず、このままじゃどんどん痩せてっちゃうじゃないのか?という恐怖に襲われていたからです。
痩せなかったけどさ。
噛めなくても飲めるからね。酒とか。
そこがこのダイエットの弱点だな。
マリー・アントワネットなら「噛めないなら飲めばいいのに」って言うね。

痩せないのはまあいいとして、痛いのはいやなので今日歯医者に行って来ました。会社休んで。
最近、以前にも増して「勤労意欲」みたいなものが減退あるいは枯渇していて、ちょっとでも理由があると休んじゃうんだ。そういうことにしてるんだ、ぼく。

痛かったのは右上の一番奥の歯。そうです。親知らずです。
痛いだけじゃなくて、もう自分でもわかるくらいガクガクしてて、まぁ「抜き」だなと、むしろ「とっとと抜いてくれ」という心構えで診てもらったら、「とっとと抜きましょう」という診断。

レントゲン写真を見ると、土台になる骨が溶けて無くなっています。怖い怖い歯周病。

というわけで、とっとと麻酔を打ってとっとと抜いてもらいました。
もう根っこも勤労意欲を無くしていたんでしょう、ひとひねりって感じで簡単に抜けました。ほぼ無痛。きゅきゅっとひと針縫って終わり。
俺もこんな風に会社から引っこ抜かれてお払い箱か…。なんてことは全然思わなかった。

抜歯の後の本日の注意事項は、「激しい運動をしない」「長湯をしない」「お酒を飲まない」の三つ。どれも新しくできた穴からの出血を防ぐためらしい。
「お酒に飲まれない」だったら面白かったのに、と今思った。

しかしそうか。
「噛めないけど飲める」は、治療すると「噛めるけど飲めない」にチェンジするんだな。攻守逆転ってやつだな。ちょっと違うな。
2013.5.31


512

今日から5月。早いもんだ。
アヤも5年生になって一ヶ月が経ちました。早いものです。

あの日、ショウヘーも一緒に産院へ行き、夜中に産声をあげたのがついきのうのことのようです。
初めて立ったあの日、初めて歩いたあの日もやっぱりきのうのことのように思い出されます。
「とっちゃ」と呼ばれたあの瞬間など、つい今朝のことのようです。
幼稚園に入園したあの日もやっぱりきのうのことのよう。
そんなこと言ったら小学校入学なんてついきのうのことのようです。
前後関係わかんなくなっちゃったけど自転車に乗る練習に汗を流したあの日々もついきのうのことのように思えます。何日もかかったけど全部きのうのことのようです。

人間の一生なんて二日間くらいに圧縮できるんでしょう。きっと。
え?そんなことない?
なくてもいいよ。

そんなわけでもう5年生。小学校生活もあと2年だね。
5年生の新しいクラスでアヤさんは、クイズ係になりました。
「なんだそりゃ?」
と言ったら、クラスのみんなにクイズを出す係なんだと。
そんな係必要なのか?
最近の小学校の係はずいぶんくだけてるね。

と思ったら、クラスには他に「お笑い係」というのもあるらしい。
それは何をする係かと問い質したら、帰りの会でネタを披露してみんなを笑わせる係なんだと。
くだけすぎだ。砕け散ってるぞ、小学校。

で、お笑い係(男子ふたり)が披露したネタで今までに一番ウケたのが、ミッキーマウスがドナルドダックを喰っちまうってネタだったんだって。
みんな大笑い。鼠がアヒルを喰う話で。
だいじょぶか小学5年生。

でも、小学5年生のツボはそのへんなんだな。覚えとこ。
2013.5.1


511

お風呂の丸いやつ。
ほら、お風呂にさ、丸いやつふたつ付いてるじゃない。沸かす時に熱いのが出てくるとこに。
うちの風呂のやつゆるくなってすぐ外れちゃうようになったのね。しばらく前から。

風呂入ろうとフタ開けるとぷかぷか浮いてんの。ふたつとも。
入ってる時もちょっと油断してると外れてぷかぷか浮いてくんのね。
そのたびはめてんだけどめんどくさいんだよね。
「↑上」とか刻印されててそれ見ながらはめんのね。
すぐ外れるくせに何が「↑上」だよ。

あれってどっかに売ってるのかなぁ?
新しいのをカチっとはめ込んで快適な風呂ライフを送りたいんだけど。

ホームセンターみたいなとこにあるのかなぁ。
見たことないけど。
見たことないし、あれの正式名称も知らないや。

で、店員に訊くのね、
「すいません、お風呂の丸いやつありますか?」
って。手であのくらいの丸を作りながら。
でも察しの悪い店員だったりすると、
「は?」
とか言われてね。
今だと「実習生」みたいのもいそうだから要注意だね。
「少々お待ちください」
とか言い残してどっか行っちゃうのね、そういうやつって。

で、忘れたころに遠くからベテランおばさん店員の遠慮の無いでかい声が聞こえてくるのさ
「え?丸いやつ?お風呂?丸いやつ?丸?ちゃんと訊いてきなさいよまったく最近の若いもんは」

そんな事態に陥るのが目に見えているのでまだお風呂の丸いやつ新しくしてないのね。
だから風呂のフタ開けると毎回ぷかぷか浮いてんの。丸いやつが。




毎回?

ぷかぷか?

でも風呂入れてるよ。沸かせてるよ、普通に。

いらないんじゃないの?お風呂の丸いやつ。

何が「↑上」だよ。
2013.4.20


510

あれは先週の金曜日。帰宅途中の北千住駅ホームでの出来事。
準急を待つために並んでいると、階段方向から大声が。

「なんだよーなんだよーこりゃないよー」

二人の若いサラリーマンがこの場の何かを悲観しながら降りてきた。
悲観してる割には楽しそうな、若い、ひょっとしたら新入社員かもしれない二人のサラリーマンの大声がホーム中に響き渡る。

「なんだよー電車いないよーなんだよー」

かなりお酔いになっているご様子で、大声をあげながら私が並んでいる列に近づいて来たが、並ぶでもなく二人でよろよろしながら何やら声を張り上げている。
二人のうち、茶色い上着を着ている方がよりお酔いになっている様子で、もう一人の両腕を後ろから揉むように掴みながら、

♪クリッ クリッ クリト●ス♪

と、さすがの私も伏字処理せざるを得ないような歌を歌いだした。
ホーム中に響き渡るような大声で。
何度も何度も何度も。

素面で大人の私は黙ってイヤホンを耳に突っ込み、いつもより15パーセント増しの音量で伊福部昭先生の音楽を聴き始めた。
やがて電車が着き乗車。そこそこ混んだ車内であったが、音楽を聴きながら本を読み、平和に過ごした。

下車する駅に着いたので、人をかき分け扉へ向かうと、あれ?誰かが…ドアのところで…座っ…

そこにはあいつ。
茶色い上着の男が、真っ白い顔に焦点の定まらない目で、黙ってぺたんと座り込んでいたのであった。


沈没早ぇーなー。
2013.4.6


509

ちゃくちゃくと進む「オ電計画」。フルネーム「オトーラの書電子書籍化計画」。
「電子書籍」という呼称はまだるっこしいので、「オトーラの書デジタル化計画」、略して「オデジ計画」にしようかと思ったけどもともとデジタルじゃん!と自分で突っ込んで却下。
それに、「オデジ」ってなんか良くないものを連想しかけるんだよな。
これ、とはっきり言えないんだけど…
オデジオデジオデジ、、、、、なんだろう?
なんか汚い語感がある。汚物とかだな。
「汚デジ」。汚れたデジタル。

まぁ私がこんなに呼称について考えていても世間様はとんと気になさらないだろうけどさ。

それでもちゃくちゃくと進んでいるのだ。オデジが。じゃなかったオ電が。

かつて電子書籍用端末を買ったと報告したら、
「本は紙で読む派じゃなかったのかこの裏切り者」だの、
「爆発しろ」だの、
「今日がお前の命日だ」だの、さんざん非難されましたが、まったく意に介さず、ちゃくちゃくとちゃくちゃくして、現在アマゾンのKindleストアで買えるオ電は3冊。
『西域探行絵巻』1,2,3と、『故郷を百万歩』。

あ、4冊だ。
相変わらず数字に弱い50歳。

レビューを書いてくれる天使のような方や、表示がおかしいところの直し方を丁寧に教えてくれる神様のような方もいて、日々感動の連続です。

そんな中、オ電を紹介してくださったり、私のインタビュー記事を掲載してくださったりする立派なサイト様も現れ出でたので、ここにご報告いたします。

『西域探行絵巻』を紹介してくださったのが、『キンドる速報』さん。
レビューURLは、
http://bookdi.gger.jp/archives/24222852.html

『故郷を百万歩』のインタビュー形式の記事を載せてくださったのが『きんどるどうでしょう』さん。
インタビュー掲載URLは、
http://kindou.info/8286.html

となっています。ぜひのぞいてみて下さい。

そんなわけでちゃくちゃくと進むところは進んでいるくせに進まないところは全然進んでないように見えます。
ここのトップページの写真がさっきまで謹賀新年でした。びっくりしました。
でも水面下でいろいろ進んでもいるみたいですよ。
近日中にあれの更新もします。
うふふ。あれですよ、あ、れ。

って、今年最初のヒビボじゃん。
怠けるにもほどがあるなぁ。
でも最近目が疲れやすくてさ。
2013.2.17


508


誰に似たんだかアヤは大変な漫画好きである。
こないだ一緒にお風呂に入っていたら、
「マンガっていいよねぇ」
暖まってほかほかした頬でしみじみとこんなことを言う。

さらに、
「お父さんはどんなジャンルが好き?ホラー以外に」
と訊いてくる。
「ホラー以外に」というのは、私が常々ホラーが好きと公言している(ホントはそんなでもないけど)のと、アヤが怖いもの嫌いであることから、あらかじめ回答から外すための言葉だ。
「じゃあSFかな」
と答えると、
「二人で自分の好きなジャンルのマンガを読ませっこしようか」
「いいねいいね」
いい試みだね。

「う~ん、何にしようかなぁ…」
アヤが本気で考え始めた。
こっちも何にしようかなぁ。

手元にいくつかあるSFマンガの名作が頭をよぎる。
よし。決めた。やっぱりあれだ。

「決めた。『モジャ公』にする」
「え~アヤはどうしようかな、う~ん」
アヤは何でもなかなか決められない。

私はアヤに「藤子・F・不二雄大全集」の『モジャ公』を貸してあげた。
600ページくらいのマンガだが、あっという間に読み終えてしまった。

私もアヤくらいの頃『モジャ公』を読んだ。
何度も読んだ。
程よい長さ。そして何より面白い。

そんなわけで、私はアヤに次に何を読ませようか悩んでいる。
『サイボーグ009』か、『火の鳥』か。いや『火の鳥』はまだ早いか?いや俺もアヤくらいの頃には読んでたぞ。だがどうしよう。

うれしい悩み。

しかしアヤからはまだどのマンガも紹介してもらっていない。
まだ決められないのか。そうなのか。

あ、そうそう。
「面白かった?」
と感想を訊くと、
「うん。マンガは何でも面白いに決まってるじゃん」
だって。

お前、幸せだなぁ。
2012.12.24

507


日曜日。
アヤとお風呂に入っていると、
「アヤねぇ、50メートル走速くなったんだよ」
「すごいねぇ、何秒?」
「8秒」
「前は何秒だったの?」
「9秒」
「おー!1秒も速くなったんだ、すごいすごい」
「ううん、でも8秒ぴったりじゃないから」
「はちびょうなん?」
「えーと、はちびょうはち、くらいかな」
「で、前はきゅうびょうなんだったの?」


「わすれちゃった」


まだゆとり教育なんだっけ?
円周率は3なんだっけ?


「ではここで問題です。アヤの50メートル走、前回が9秒ぴったりで、今回が8秒8だとしたら、何秒速くなったでしょう?」


「えー!!ちょっとまってまって」
まつよまつよ。
……
……


……


「れ、れいてんにびょうっ!!」
「正解!!」


しかしこの間、約10秒。
50メートル走より計算の方に時間がかかってしまったのでした。


でも、

そんなお前を愛しているよ。


2012.11.6


506


夜寝た時に見る夢は、お話も自分のポジションみたいのもその都度違うものだが、私の場合、変わらない設定がふたつある。

ひとつ目は、「少しならタバコを吸っていいことになっている」で、現実には煙草をやめて10年になるが、夢の中では少しなら吸っていいことになっていて、ちょくちょく「少しだけ」タバコを吸う夢を見る。
「少し」ってどのくらいだ、っていうと、なんか1日に2本くらいは吸っていいことになってるみたいだ。
「吸っていい」ってのが誰に許可を求めてんだって気もするが、なんとなく,、タバコを吸わない現実の自分、に対してのような気もする。そうじゃない気もちょっとする。

もうひとつは「空を飛べる」で、最近ではどんな内容の夢でも飛ぼうと思えば(たいてい)いつでも飛べる。
飛び方も、昔は「長めのジャンプ」程度だったが、夢の中での鍛錬の結果、最近では5、6階建てのビルを見下ろしながら飛び回れるまでになった。
夢の中でも努力すれば夢はかなう、夢の中だけで。ということを現代の迷える若者たちに伝えたい。

そんな中、昨晩は「飛ぶ」がメインエピソードの夢を見た。

雨上がりだろうか、きらきらきれいな黄緑色の林の上を、特に目的もなく飛んでいる私。

林の中にぽっかりとひらけた場所を見つけ、そこに降下してゆくと、草地の隅の方でひとりの男が私を見上げている。
ペンション経営でもしていそうな風貌の男だったが、関わりたくもなかったので、ぐるりと大きく旋回して適当に飛び去ろうとしていると、

「ああ、遠心力ですね」

男が話しかけてきた。

「私にはできないけれど、それは遠心力ですね。頭の上に遠心力が見える」

私の「飛ぶ力」のことを言っているらしい。

「ああ、ええ」

私は曖昧に答えながら、自分の頭の上にある「遠心力」を感じていた。
土星の輪っかを太くしたような円盤状の「遠心力」が、ぐるぐるぐるぐる回っている感じがする。
ぐるぐる回って私を引っ張っているような感じがする。

そうか。
私が飛べるのは頭の上で「遠心力」がぐるぐる回っているからだったのだ。
それまで飛ぶ理屈など考えたこともなかった。
そして。
天使の頭の輪っかは、天使の頭上でぐるぐる回る遠心力を昔の人が図案化したのだ、ということに思い至った。
さらに、そういうところにまで思い至るのが私の凄いところだということにも思い至った。

短い夢でいろいろ思い至ったが、そんなことに思い至ったのは、いま現実の私が『ドレの失楽園』を読んでいるからだということにこれを書いてて思い至った。
至りすぎかもしれない。

2012.10.7


505

自分が50歳になるなんて思ってもいなかったあのころ。
ブルース・リーが32歳で死んだと知ったあのころは、人間は32歳くらいで死ぬもんだと思っていたあのころ。
あのころに戻りたくもあり戻りたくもなし。

本人がどう思っていようと、毎年誕生日はやってくるわけで。
わたくし、本日めでたく50歳となりました。

そんな私のために家族がささやかな誕生日パーティーを開いてくれました。
ケーキ、サラダ、トンカツ、キャベツの千切り。そして豊富な酒類。
50本のろうそくを吹き消すくらいの意気込み。

アヤが言いました。

「お父さん、アヤが生まれた時は何歳だったの?」

父は優しく言いました。

「計算してごらん」

「えっと、アヤが今9歳で、お父さんが50歳、、、、
去年はアヤが8歳で、、、、49歳、、、、、
おととしはアヤが7歳で、、、、、、48歳、、、、、
、、、、、、;;;;、、、、、、;;;;;;;

おととしまでしか計算できないよ~」

娘よ。

なんて計算の射程が短いんだ。

でも、

そんなお前を愛しているよ。
2012.7.24


504

12年で100MB。

何のことでしょう?

12年間でMacBookを100台買い替えた。

ハズレ。

そんな豪快な人生歩んでません。

この12年で買ったMacBookは一台きりです。

てか、生まれてから49年間で一台きりだ。あはは。


12年間で100MB。

「オトーラの書」開設から12年あまり。ついに100MB(メガバイト)を超えてしまいました。

100MBを超えたからどうなんだと思うでしょう。

それが凄いのか?と。

凄くないのか?と。


凄い凄くないじゃなくて、「困る」、もしくは「ちょっとしたピンチ」が正解です。

我が家のプロバイダはbiglobeで、「オトーラの書」は、そこの個人ホームページサービスを使ってるんだけど、容量に制限があって、100MB以上は有料サービスになっちゃうのね。

50MBごとに月500円くらい、とか。

今時50MBに500円くらい(525円とかだったかな)ってすごく割高な感じがしますが、まぁ、個人ホームページサービスなんか充実させる気が無いんでしょうよ。

メールサーバーは5ギガとかいばってるくらいだから個人ホームページサービスをいかにないがしろにしてるかわかるってもんだ。


で、どうしようかな、と。

月500円くらいケチらないで増設しろよって気もするけど、何か釈然としないんだよなぁ、この値段設定。


12年で100MBだから50MBであと6年いけるのかな?もうちょっと短いかな?

今回の更新はちょいと調節して乗り切ったけど、次は無理だな。『キシワタリ天涯地』の絵をたくさん描いちゃったし。


悩んじゃうなぁ~。


って、こんな平日になんで悩んでるかっていうとぎっくり腰になっちゃって会社休んだんだよねぇ。

きのう電車でくしゃみしたらグギって。情けない。

もうすぐ50歳だからこういうこともあるさ。



50歳だから50MB増設しましたってことにしようかな。


なんかでもなー。
もう少し悩んでみよっと。


2012.6.13


503

階段の電球が一階と二階ふたつとも切れてしまって、ここはひとつ(ふたつか)今流行らしいLED電球とやらに替えてみることにした。
妻と娘と三人で、ヤマダ電機へ。ポイントがたくさん残っていたからね。

ちなみにこのポイントは、昨年暮れにMacBook Airを買った時のものだが、ヤマダ電機では、その直後にMacBook売り場が消滅してしまった。
それが私が行く店舗だけのことなのか、ヤマダ電機全体のことなのかは知らない。知りたくもない。知ったところで何が変わるわけでもない。

そんなことはともかく。
LED電球売り場へ行くと、流行だけあってたくさんの電球が並べられていた。
LED電球を買うのは初めてなので、値段や性能を比較しようと説明を読もうとするのだが、売り場では多くの電球が煌々と灯されていて眩しいったらありゃしない。

少し説明を読んでは目をそらし、また続きを読んでは目をそらしの繰り返しなのでちっともはかどらず、眩しさに耐えながらだと説明が頭に入らない。

人間は眩しいと馬鹿になるよ。僕はヤマダ電機でそれを学んだよ。拷問にはLED攻撃がいいよ。

いいかげん網膜と脳ににダメージを受けて、世の中と頭の中が真っ白くなってきた頃、妻が「ねぇねぇ、こっちは?」と、横っちょにあった「お買い得LED電球」のカゴを指差した。
そこには点灯している電球は無い。ただカゴの中に電球の箱が並んでいるだけだ。

いいよもうそれで。まぶしいよ僕。

そこで人間らしさを取り戻した私はゆっくりLED電球について学んだ。

人間は適度の明るさの元では賢くなるよ。それを僕はヤマダ電機で学んだよ。学校も適度の明るさを保つがよい。

LED電球には「電球色」と「白色」があるよ。
「電球色」はちょっと黄色いんだ。「白色」は白いんだ。

明るさはルーメンという単位で表されるよ。
え?ルーメンって何だって?そんな単位で書かれてもわかんないって?
僕もわかんないよ。
でも箱に「電球で60W相当」とか書いてあるからそこを見ればいいんだ。
ルーメンなんて知らなくていいんだ。そんなもん。

でも「電球で60W相当」って言われても結局よくわかんないよね。
そんな時は売り場で点灯している電球をじっと見つめるといいよ。じっとね。
色んなことがもうどうでもよくなってくるよ。
LED電球を買いに行く時はサングラスを持っていくといいかもね。

あ、それから口金のサイズは確認して行こうね。口金っていうのはクルクル回してはめるところだね。

ちゃんと確認して口金が合うものを買わないと、せっかく眩しい思いをして買ったLED電球が使えないよ。暗いままだよ。

そんなことになったらその日はもう何もやる気が無くなっちゃうんだ。

うちみたいに。

2012.3.20


502

あけましておめでとうございます。
成人おめでとうございます。
鬼は外ぉーっ!福は内ぃーっ!
ハッピーバレンティン!


このくらいでよろしいでしょうか。まだでしょうか。
時の流れに追いつけたでしょうか。まだまだでしょうか。
そうそう、忘れないうちにぼんぼりに灯りもつけときましょうか。
これで追いつけ追い越せでしょうか。


いやでもびっくりした。
全く更新しまいままもう2月も終わりだもん。
お絵かき掲示板ででんでんさんに起こされるまでクリスマス気分のままだったからね。
それはそれで幸せだけどさ。


でもその間まったく更新関係の作業を怠けていたかというとそうではなくて、大人気社会派青春お茶の間ファンタジーホラー『キシワタリ天涯地』第5話の準備をちゃくちゃくと進めていたんですよ。
4ヶ月もかけてちゃくちゃくもないけどさ。


ところが、最後の仕上げをしていたら、あと5枚くらい絵を描かなきゃいけないことが判明して、とても打ちのめされていたのでした。とてもとても。
あー悲しい。


と、いうわけで。
決して寝ていたわけでなく(寝てもいたけど)、酔っぱらっていたわけでもなく(酔っぱらってもいたけれど)、日々作業をしていた(作業してなくもあったけど)わけです。


そんなわけで。青春お茶の間ホラー、、、、なんだっけ?の第5話は、もうすぐかもうちょっとかだいぶ先にか更新されます。


そして、ついに締め切られた書き初め大会作品募集。
毎年のように各賞発表まで少々か、あるいはかなりしばらくかお待ちください。
なので、まだ書き初めたい人はもう少しだいじょぶです。

それでは。こんな近況報告で、2012年初の日々棒組みに代えさせていただきます。
近日中またはしばらく後日にまたお会いしましょー。ごきげんようさようならー。

2012.2.27


501
我が家地区担当のサンタクロースは、なぜか任天堂関係のプレゼントが多くて、今年はニンテンドー3DSとそれ用のソフトをお届けくださった。いつもありがとう。

インターネットの設定をした後、ちょっとカメラ機能をいじってみた。
3Dの写真が撮れるらしい。
「3Dなんて、けっ」と思っていた私であったが、撮ってみるとあはは、3Dだ3Dだ。なんか面白れぇや。

もうずいぶんゲームなんかやってないが、3Dのゲームをやってみたくなったぞ。

サンタさんが届けてくれたソフトは娘向きの、犬を飼うソフトなので、ちょっとそういうんじゃないわくわくはらはらなゲームがいいな。

サンタさんもう一回来てくれないかな、私のとこへ。3DSとソフト持って。
ダメかな。

電子書籍の端末が欲しいと思ってたけど、ニンテンドー3DS買っちゃおうかな。値段も同じくらいだし。
本は紙で読めばいいよな。
電子書籍は3Dになんないしな。
2011.12.25


500
年をとると時間が経つのが早いってのはあれは、印象に残る年中行事とかいつも見てるテレビ番組とかだけが記憶に残って、他の細かいことは記憶の時間の流れから消えてるからだと思うよ。
子供のほうがどうでもいいことばかりたくさん憶えてるもん。

そんな中。
今年もあと2週間でおしまい。
早いなー。
年をとると時間が経つのが早いなー。不思議だなー。

さらにそんな中。
日々棒組み、ついに500!!!

!!!

!!!

もひとつおまけに、 !!!


思い起こせば、
何年か前。
文章の千本ノックとして開始した日々棒組み。
000から始めたので、これで501本目になりましょうか。
500まで辿り着いてようやく道半ばとでも申しましょうか。

苦しい修行の日々でございました。
あんまり苦しかったので000を書いたのが何年前だったか調べるのもめんどくさいです。

000から始めて999まで書くのが目標でした。
あのころはなんだか生産性が高くて、毎日1本書けば3年足らず、時々怠けても5年くらいで1000本達成の予定でした。
999まで達成したら翌日には「日々棒組みV2」を開始するとまで豪語しておりました。

それが。

なんというていたらく。

半分まで来るのにこんなにも年月を費やしてしまうとは(←まだ調べる気が無い)。

怠け者とののしってくだされ。
前へ進めと鞭打ってくだされ。
そんなことでは1000本に到達するまでにその命が尽きてしまうぞと恫喝してくだされ。
くだされったらくだされ!


なんつって。




でも。

本当は。

500まで書いた自分はなかなかがんばったぞ、と思っているのであった。

個人的にもいろいろあった2011年ではあったが、日々棒組みを500までたどり着けた2011年でもあった。
よしよし。

来年も行けるぞ。
まだ行けるぞ。

まだチャンスはある。あきらめなければ。


あ。

今年はこれでおしまいってわけじゃないからね。



たぶん。
2011.12.18


このページのトップへ