2011年8月1日(月) 香川ボランティアセンターのスタディツアー

 昨年の8月からちょうど1年ぶりに、香川ボランティアセンターの企画で、高校生を含めたスタディツアーのみなさんが、ドンパレープ子ども図書館を訪ねてくれた。
 ここの子どもたちはお客様が大好きで、今年も楽しみに待っていた。昨年は、子どもたちが描いたラオスの国旗と子どもたちの絵をプレゼントしたのだが、今年は、子どもたちが紙で編んだかごを差し上げることにして、何日も前から準備をはじめていた。
 日本の人たちもいろいろと出しものを準備してくれているので、こちらからも準備することにしたが,
ずっと練習していた踊りの他に、急遽、「三匹のやぎのがらがらどん」の劇もやることになった。
 女の子たちは、前日日曜日に直撃した台風の大雨の中を、みなさんにかけるマリーゴールドの花の首飾りやら何やら準備していたが、当日も朝から、自分たちの髪の中にも花を編みこんだりとか、とてもきれいにしている。
 さて、ラオスの人たちの歓迎の上手さには、いつも感心するが、みんな、いつもの「言うことをきかないやんちゃぶり」はどこに置いてきたの?という、一見のおしとやかさ・・・で、日本からのお客様を迎えてくれた。黄色いマリーゴールドのレイをかけて、リボンで作った花のバッジを胸につけてあげ・・・わが図書館の子どもたちだけれど・・・受けたら嬉しい歓迎ぶりで、このあたりは、日本人は真似しなくちゃいけないような気がする。


 
 さて、香川のみなさんからは、「こぶた、たぬき、きつね、ねこ」の遊びとか、紙飛行機の折り方を教えてもらったり、紙風船で遊んだり、ドレミの歌を披露してもらったりした。ラオス側からは、手作りの紙芝居を2話、それから踊り、そして、3匹のやぎのがらがらどんを演じて見せる。


なんとか上手にできたかな?
子やぎを練習していたピーが、急に、ぶつぶつが身体中に出て、来られなくなり、ターがにわか仕込みの代役で子やぎになったが、なんとかなって、ほっとする。



がらがらどんの劇を楽しそうに見てる子どもたち



 こうしたお客様とはほんとうに一瞬の出会いだけど、子どもたちにとっては、国境を越えてつながっている人たちがいると感じられる大切な機会。

2011年8月9日(火) 幼稚園にお話に行きました。


 青年海外協力隊で、ドンカムサン教員養成学校の幼児教育の部門に派遣されている、梶山葉子さんからの話があり、教員養成学校内の幼稚園に、図書館の子どもたちとお話に行くことになった。子どもたちは、「おおきなかぶ」と「さんびきのやぎのがらがらどん」を演ずる。さんびきのやぎのがらがらどんは、今回は、男の子ばかりで演じることになった。
 今回演じに来ている図書館のメンバーは、きっと自分自身は幼稚園には行ったことがない子ばかりだろう。
 まず、幼稚園の入り口に園児たちが並んで、マリーゴールドの花輪を一人一人にかけて歓迎してくれた。みんな、ちょっとこそばゆそうである。花輪をかけてもらって歓迎されるなんて、初めての子どももいるだろう。

 まずは、図書館のお姉さんのカオさんが、おおきなかぶを絵本で話し、私が、「怠け者がよくなった話」というラオスの話を、パネルシアターで話し、子どもの中で一番大きなユイが、「歯をみがかないトムの話」を紙芝居で話し、そして、その後、「おおきなかぶ」を子どもたちが演じる。
かぶ=ター、じいさん=レェ、ばあさん=ユイ、孫娘=スム 犬、ねこ、ねずみは、子どもたちに紙のお面をかぶせて、一緒にカブをひっぱった。



 さんびきのやぎの方は、こやぎ=ター、中やぎ=ボビー、大やぎ=レェ、トロル=ジョイーの配役。こちら、見ている方は、「もっと大きな声で」とか、「もっと身体を動かして」とか、気が気ではないのである。大やぎのレェは練習より気合が入っているが、おいおい子やぎは突っ立っているだけじゃないか・・・・トロルよぉ、ちゃんとひっくり返れ!とか・・・・こっちは頭の中で失敗点を指摘してばかりなのだが、見ている園児たちの顔を見ると、本当に楽しそうで、ちゃんとお話も伝わって通じているのがわかって、ほっとしたやら・・・・幼稚園の子どもたちに喜んでもらえてなによりだが、私としてはとにかく・・・図書館の子どもたち自身が自分たちが行動することの嬉しさとか、他の子どもたちの笑顔を引きだせた喜びとか・・・・を感じてくれたら嬉しいなぁと思う。




演じ終わって、ちょっとほっとした少年たち。

 

2011年8月16日(火)   日本に送る絵を描きました
 
JICAのプログラムで、「10年後の私」をテーマに各国の子どもたちに絵を描いてもらい、それを日本で展示するそうである。青年海外協力隊の梶山さんが、ドンパレープ図書館を訪れ、子どもたちが
絵を描いた。


 13歳の女の子、テンは丁寧に小学校の校舎を描いた。職員室と幼稚園もついた小学校だ。紙の裏に
「私の夢は、小学校の先生になることです。小さな子どもたちの能力を伸ばしてあげたいからです。」と書いてある。実は、彼女は、小学校5年で学校を辞めている。本当の母親ではない家庭にあって、父親も無関心。両親ともに酒飲み。そんな中で学校に行かなくなってしまったテンだが、本当は行きたいんだろうなぁ・・・・と、絵を見て語る彼女を見て、切なくなる。

 小学校2年生のポック。大きな川の絵を描いた。
「大きくなったら、お父さんとお母さんと一緒に旅行に行きたい。楽しくて出幸せな家族でいたいから」と。現実は、酒飲みの父親で、母親が弟を連れて離婚したばかり。今は、お爺さんお婆さんと、酒飲みのお父さんと住んでいる。いつも一見元気なポックだが、本当はいろいろと小さな心に悲しみも抱えているんだろう。

 小学校5年生のピーは、最初、「私はビジネスウーマンになるわ」と言ったけれど、実際にはお医者さんになった自分の姿を描いた。病院は、ヴィエンチャンにあるマホソット病院。診療室、手術室、分娩室、トイレ・・・とあり、めがねをかけて白衣をきたピーが立っている。「私は医者になりたいです。病気や身体の悪い人を助けたいからです」

 小学校4年生の女の子パーンは、「私は鳥になりたいの」と言う。「いい夢じゃないのぉ、描いてよぉ」と言うと、「本当はね、空を飛びたいの。だから、翼を持った人になりたいの」と言う。「いいよぉ。描いてよぉ」と言ったのだが、彼女が実際に描いたのは、学校の絵。
「うまく描けないんだもの。学校を描いて、その上に飛んでいるのを描こうと思ったんだけど、描けないんだもの」と、それで行ってしまった。

 小学校2年生の女の子ターイは、丁寧に海を描き、きれいな家を描いて、手をつないでいる姉妹の絵を描いた。自分と妹のブムの姿だ。「お父さんとお母さんは家の中にいるの。大きくなったら、お父さんとお母さんに海に連れていってもらいたい」と書いてある。

 中1の男の子ターは、大きな家を描き、その前には自家用車が止まっている。家には、「看板屋」と看板が出ていて、電話番号も書いてある。彼の家は、看板屋さんなのである。小さなお店をお父さんが切り盛りしている。一度、作業服のままで、「うちの子がいつも、図書館に行くといっていなくなるんだが、本当に来ているのか?」と心配して覗きにきたことがあった。息子のことを大切に思う、いいお父さんを持って、ターは幸せだな・・・・と思ったが、きっと、この絵のことを知ったら、お父さんは嬉しいだろうなぁ・・・・と思った。

 やはり中1の男の子ボビーは、細かく、なかなか精巧にバイクの絵を描き、修理したり洗車している人の姿も書きこんだ。将来の看板屋ターが、その絵の中に、ボビー自動車修理屋。大型車、バイクなんでも修理。電話・・・・などと書き込んでいる。このバイクの絵の精巧さを見ると、きっと、彼は修理屋になれる気がする。




 
 しっかりものの中1の女の子ブンスムは、海で泳ぐ人たち、砂浜で遊んだり、甲羅干しをする人たちを描く。「私は海外に行きたいです。海外で、自然やいろいろなことを実際に見たり、知ったりしたい。日本にも行きたいです。日本の人々の生活を知りたい」と書いてある。

 
 他にも、大きな家に住んで、両親と遊びに行きたい…先生になりたい…きれいな人になりたい…などなど。
 みんな,それぞれ夢を持っている。小さな夢も大きな夢も、夢はあれこれ、うんと思い描いてほしい。
 そして、いくつになっても、夢はあきらめずに、一歩でも実現に向かって、頑張れる人になってほしい。








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