モン族って?

モン族とは、現在、東南アジアのラオス、ベトナム、タイ、そして、中国南部などの山岳地帯に住む 山岳少数民族です。

 「モンがそのむかしどこからやってきたか?」は、わかりません。元々文字を持たない彼等には、古くから書き残された記録などはないからです。中国で彼等は苗(みゃお)族と呼ばれるのですが、それは、元々は平地に住み水田を耕し、稲の苗をもって移動した民族だからだ、という説もあるそうですが、実際のことはわかりません。しかし、支配民族から迫害され、追われて、平地から中国南部の山地へ、そして山づたいに、19世紀ごろから、インドシナの国々へも移りすむようになったといいます。

 山の自然に宿る精霊を信じ、山の斜面に焼畑で米やとうもろこしを作り、自然とともに暮らす人々ですが、ラオスにおいては、ベトナム戦争と同時期に行われていた政権争いの内戦に巻き込まれ、大勢がアメリカの支援する反共側の兵力に組み込まれ戦ったために、ラオスが社会主義となった1975年以降、多くの人々が難民として、隣国のタイに流出しました。今では、10万人以上の人々が、難民キャンプを経て、アメリカ、フランス、オーストラリア、南米のフランス領ギアナなどにも移り住んでいます。

 ラオスの山に生きていたモンの人々は、東西の大国に後押しされた戦争に巻き込まれたことによって、今では、親兄弟、家族や親族が別れ別れになってしまった人々も多いのです。山で自然とともに昔ながらの暮らしを続ける人々がいる一方で、アメリカなどのアパートの中で暮らす人々もいる・・・という風に、モン族 の暮らしは大きく分かれてしまっています。

 

また詳しくは 次の本などを読むと、ラオスのモン族 のことがわかります。

「メコンに死す」ピリヤ.パナースワン めこん

「空の民(チャオファー)の子どもたち」 安井清子  社会評論社
「ラオスすてきな笑顔」 安井清子 NTT出版

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