迎春(笑)。

1月1日(晴) 初詣(偽)



結局神社に着く前に新年はあけてしまって。
ダラダラと家を出るのを伸ばしてた自分が悪いってのはわかってるんだけどね。
豪のあからさまな不満を聞くと腹が立つのはどーしてだろ。
年を越した瞬間にお参りすりゃいいってもんでもないし。
ホントは朝来たってよかったのに。
変なとこで細かいんだよなー、豪のヤツ。


それでも神社まで行ってみると、地元では少しは名のある場所だけあってかなりの人混み。
なんとなく、その中に入っていく気にもなれなくて、
気がつけば、神社からは少し離れた公園で、豪と並んでブランコに座っていた。


「もう21世紀なんだなー」
「そうだな」
「数分前と、何も変わんねーのにな」
「あぁ」


なんだろーなー。なんでか、気分がのらない。
気をつけないと、溜め息まで零れそうで。
早く帰って寝てしまいたい。




と、目の前に影ができて街灯の明かりが遮られる。
顔を上げると隣のブランコにいたはずの豪が立っていた。
自分の生返事にいいかげん怒ったんだろうか。
と、ちょっと申し訳ない気持ちになったが、豪はニッと笑うと

「あけましておめでとう」

と、言った。

「まだ、言ってなかった」と、少し照れたように笑う、その顔を見たら。
何故だか、すごく、胸が苦しくなった。




気持ちが沈んでた理由はなんとなくわかってた。
一見、どこも変わらないようにすぎてゆく時間と、確実に変わってゆくボクら。




考えてもしょうがないことを考えてしまうのは悪い癖だ。
豪みたいな考えなしがいいとは思わないけど、少しは見習わないとかな。





「やっぱ、寒みぃな、1回家帰って昼に出直してこよーぜ」
「お前が行くってきかなかったんだろっ」
「だってさ、やっぱ特別な瞬間は烈兄貴と2人だけで過ごしたいじゃん」
「だったら家でもよかったんじゃないか」
「んー・・・気分が出ないから却下」
「あのなぁ・・・」




未だブランコに座ったままのボクに逃げ場なんてなくて、
だから急に顔を近づけてきた豪をよけられなかったのは、しかたない。




「今年もよろしくv」
「面倒みきれる範囲でな」
「ひでぇ」



「さ、帰ろうぜ」

豪に差し出された手をしっかりと握りながら、手袋が邪魔だな、なんてことを思った。















元旦は烈の日記から。
ってゆーか、大晦日の続きだけど(笑)。

豪さん男前宣言・・・少しは意識したけど、やっぱ無理っぽいわー。てへ。




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