12月31日(晴) 世紀越え



母ちゃんお手製、年越しそばを今年も美味しくいただいた。
紅白の勝敗も見届けた両親は、まだ風邪の治っていない父親の為、もう休むらしい。

オレはと言えば。

財布の中の5円玉も確認した。
手袋、マフラーと防寒対策も完璧!
初詣に行く準備ははっきりいって万端。




なのに、なぜかオレは自分の部屋から出ることができなかった。


・・・・何でコタツから出ようとしねーかな、烈兄貴は。(しかもオレの部屋)





「・・・・・・・ウソツキー」

袖をひっぱったり、わめいてみたりしたものの
「もうちょっとしてからな」
って返事が返ってくるだけで。
オレは諦めたように(諦めちゃいねーけどな)、烈兄貴の背中にもたれかかって
心底恨めしそうな声を出す。

「ウソツキってなんだよ、人聞き悪いな」
「・・・・初詣で釣って大掃除させたくせに」
「ウソも方便ってね。結果的にお前の部屋キレイになったんだしいいだろ」
「部屋のことなんかどーでもいいんだよっオレはっっ」
「あーもーウルサイなー。誰も行かないとは言ってないだろ」
「行く気配もねーじゃんか」
「夜行くって言った覚えないし」
「・・・・・・・・・・・・・」


今日の兄貴はなんだかおかしい。
レスポンスが鈍いってゆーか。
それでも今日は100年に1度の世紀越え。
特別な時間を2人で過ごしたいって思うのは当たり前だろ?


どーにかして烈兄貴を外へ連れ出そうと捻る頭の上で溜め息が洩れる。
頭をあげるといつのまにかコタツから出た烈兄貴で。



「・・・・・烈あに・・」
「コート取ってくるから下行ってろ」
「おうっ」




世紀越えまであと8分。
こっから神社まで普通に歩いて15分。
除夜の鐘には間に合わないかもしれないけれど。



2人で過ごせるなら、場所なんてどこでもかまわねーか。





烈兄貴が隣にいれば、それだけで特別だしな。







豪の日記で20世紀〆。
・・・20世紀の最後まで不憫なヤツめ!
21世紀は豪さん男前宣言を!!・・・したいけど無理だろうな〜。





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