キミの隣にはボク。 ボクの隣にはキミ。 それは、あたり前の日常で。 だから、その場所は、自分だけのものなんだと。 幼い勘違いをしていた。 last resort 〜Prologe〜
ハメられた。 そう思った。 日曜日。 一緒に遊ぼうと誘われて待ち合わせした場所に、その友達は確かにいた。 時間より少し早めについたのに、遅刻魔の彼がそこにいたことについては褒めてもいい。 だけど、その隣には。 彼の自慢の彼女と確か、隣のクラスの女の子。 顔は見たことあるけど名前は知らない、その程度の。 コレってつまり。 そーゆーコトでしょ? そういえば、先週、みんなでダベってた時、コイツは妙に絡んできてた。 「星馬はモテるのになんで彼女作んないんだ」とか 「好きな奴がいるのか?」とか。確かそんなことをうだうだと。 可愛い、可愛い彼女に頼まれたら、断れないもんなー。 僕は売られたわけか。 今度、何かおごってもらわないと。 頭の中を何を奢らせるか、ということにフル稼動させていると「ねぇ」と声をかけられた。 しかたなく・・・なんて顔には出さないように、彼女の方に顔を向ける。 友人とその彼女はとっくに消えていた。 友達経由なだけに、この子を放って帰るわけにもいかないし。 今、何故か僕達はサ店で向かい合ってお茶なんて飲んでいたから。 「何?」 「星馬くん・・・今、付き合ってる人いないの?」 ・・・ついにきたか。 「いないよ。今のところ、誰とも付き合う気ないから」 だから君とも付き合わないと言外に含ませて。 大抵のコはここでちょっと引くんだけど。 「やっぱりねー」 と、あまりに晴れやかな顔で言うものだから、こちらが面食らってしまった。 その顔を見て「今、告白されると思ってたんでしょー?」なんて指までさされて。 「自意識過剰」と言い渡されたようで、頬が熱くなる。 そんな僕の顔を見てクスッと笑うと、彼女は笑顔のまま更に追い打ちをかぶせた。 「でも、ソレ間違ってないよ。私、星馬くんのこと好きなんだ」 無意識に「あぁ、そう」なんて間抜けな答えをしてしまい、更に彼女の笑いを誘ってしまった。 「告白されて『あぁ、そう』って・・・っ」 何がツボったのか、彼女の笑いは止まらない。 指さされて告白されて笑われて、コレって何? 憮然とする僕の顔を見て、彼女はなんとか笑いを収めた。 「でもね、付き合って、とか言う気ないの。安心して」 はぁ。 「彼女にはしてくれなくていいから、友達になって欲しいなーって」 「     友達?」 彼女の言葉をバカみたいに繰り返す。 「っそ。  私はずっと星馬くんのコト見てたけど。  星馬くんにしてみたら、初対面に近いんだもの。  いきなり付き合って、なんていくらなんでも図々しくて言えないでしょ?」 ・・・・ここまでで既に、充分図々しい性格のよーに見えるけど。 「これだけしか話ししてないのに、友達になるのも嫌だって程、嫌われてるなら諦めるけど」 また微妙な言い回しを・・・・・。 「・・・・ってゆーか君、諦める気ないでしょ?」 「君じゃなくて"ミキ"よ」 もしかしなくても都合の悪いことは受け流すタイプ? 仲良くする気はないけどけっこー気が合うかもね。 「・・・・ミキチャンのこと、キライじゃないけど苦手な気はするよ」 苦笑してみせても、あまり効果はなかった。 「生理的にキライじゃないならなんとかなるものよ。苦手意識なんて」 「ってゆーか、君といると疲れる」 「ミキだって言ってるのに。それに疲れたらいつでも甘えていいのよ?」 「いや、それは遠慮しとく。なんか・・・身の危険を感じるし」 「・・・・・んー・・・否定はできないわね」 しろよ。否定。 本気で嫌そうな顔をすると、彼女は少し驚いたように目を見開いてから、嬉しそうに笑った。 変な子。 「ね、いいでしょ?  いくらなんでも友達のコト襲ったりしないし」 「襲っ・・・」 「ねv」 ふと、小さい頃、自分にベッタリだった女の子の顔が頭に浮かんだ。 こういう強引な子から逃れられない運命なのかもしれない。 はぁ〜。 口から漏れたのは深〜い溜め息と、 「・・・・・・勝手にすれば?」 とゆー、諦めの文句だった。 「やったーv」 諸手をあげて喜ぶ彼女を騒がしいと思ったけれど、 自分と"友達"になったというだけで、本当に嬉しそうにはしゃぐ姿を見て そういう意味ではないんだけど、素直に可愛いなぁ、と思ったのも事実で。 ・・・・自分が案外女の子に甘いらしいと初めて知った。 「友情がそのうち愛情に変わるかもしれないしv」 「それはナイと思うけど」 「えー、わかんないじゃない」 「わかる、わかる」 「むぅ。長期戦は覚悟の上だもの。見てなさいよ、星馬烈!」 ・・・・・・・・・・・・やっぱり、キッパリ断るべきだったかも。 指をビシィッと指してくる彼女を見ながら、 僕は投げやりに返事したことを既に後悔し始めていた。
to be ... ◇ NEXTaiko's NOVEL TOP

烈に彼女をシリーズ第2弾。 とゆーわけではないんですけど。 オリキャラを出張らせすぎてしまってアタシも後悔(苦笑)。 ちゃんと続きも読んでもらえるのか不安だわ・・・。 まぁ、今回はプロローグってことで、 次はちゃんと豪出ますので(笑)。 タイトルは某革命児のアルバム曲から。 イメージってゆーか、そのまんまじゃん。てゆーカンジで展開予定。