烈の誕生日、高校生バージョン。
小学生モノとつながっているようないないような・・・。
「LOVELORN BOY」
春休みに入ってから、俺はバイトを始めた。
短期間でそれなりに稼ぐとなると職種は限られてくる。
肉体労働か水商売。
俺のバイトの目的は「恋人のバースデープレゼントの資金作り」。
となると、消去法的に肉体労働が残る。
俺だって相手が水商売で稼いだ金でプレゼントなんかもらっても
嬉しくねえもんな。うん。
それ以前に高校生が水商売すんなというコトは置いといて。
こういうのは重労働で汗水流して金を作る方がやっぱりポイント高い感じするだろ。
そんな訳で。
俺は今、工事現場でメットかぶりながら鶴嘴を振り回していた。
自慢だけど、俺は体力には自信がある。
「お前の場合それくらいしか自慢になることないよな」
とは、俺のコイビトの言葉だ。
俺は「こういう憎まれ口ばっかたたく照れ屋なトコが可愛いんだよな。」と
思うことにしている。人間、前向きな姿勢が大事だぜ。
本人に言うと口だけでなく手(時には足)まで出るから
これは俺の心の中に留めるようにしてるけど。
そうそう、バイトの話だった。
仕事内容は、体力的にゃ確かにキツイが作業自体は割と単純。
単純作業の繰り返しというのは実は俺の最も苦手とするところ。
次第に集中力が欠けてくる・・・。
が。
今の俺はひと味違う。
人は愛する人のために変われる。ってーのは本当だ。・・・多分。
この労働の後に待っている、恋人・・・烈兄貴の笑顔を思うだけで鶴嘴を持つ手にも力が入る(気がする)。
鶴嘴片手に思い描くのは愛しい烈兄貴のこと。
ここんとこ、帰りが遅い俺を兄貴はきっと心配しているだろう。
そして遅い帰宅が2週間以上も続き、兄貴の心痛は最高潮(オレ的予測)。
今日こそは問いつめてやる、と意気込んでるところに俺が帰ってくる。
俺をなじる烈兄貴の目にはちょっと涙が浮かんでたりして。
思わず烈兄貴を抱きしめる俺。
台詞は「兄貴を不安にさせるつもりはなかったんだ、ごめん」。
そして差し出されるプレゼント。
今はまだ何を買うか検討中だが、第1候補はシルバーのペアリングだな。
戸惑う烈兄貴の薬指にそっとはめる。
「今日、兄貴の誕生日だろ。だから・・・」
「もしかして、これの為に・・・?」
「あぁ・・・」
「そんなの、よかったのに・・・」
再び涙が溜まってくる目元を拭って
「俺がどうしてもあげたかったんだ」
「ごぉ・・・」
「烈兄貴・・・・」
そして2人は・・・・いや、これ以上は言えねぇよ。くくく。
はっ。
やべぇ、ちょっと考え事してるウチに掘りすぎたかも。
・・・・・・土、被せときゃわかんねぇよな。はは。
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