イギリス滞在記 第2章〜生活編
14. S君のママのアイデアうどん


J社ロンドン支店のオフィスで働いているのは大半が日本からの海外赴任ですが、地元採用の人が3人います。
一人は総務担当の女性Hさん、日本人ですがイギリス人のご主人と結婚しイギリスに移住。
次にプログラマーのケイ(Kay)さん、ネイティブのイギリス人。
残る一人はやはりプログラマーのS君、母親が日本人、父親がイギリス人のハーフですが、顔はまったくの日本人です。英語は完璧なネイティブで、日本語を話すと発音がちょっと外国人っぽい感じ。
それに、普通は「プログラムが正しく動かない」というところをS君は「プログラムが動くけど働かない」などといっては人を混乱させます。

そんなS君、二十歳そこそこで職場では彼が最年少ですが、大のワイン好きです、特に赤ワインが好みで、ワインは絶対赤に限るだの、ロスチャイルドの86年物がどうだの・・・と、白ワイン党の支店長とは時々ワイン談義を戦わせます。
でも食べ物はママが作ってくれる日本食が好きらしく、月に何度かはうどんを食べるそうです。
ロンドンにも日本食の食材店がありますが、やはり値段がかなり高めで、たかがうどんでも馬鹿にならないよね、みたいな話をするとS君は・・・
「うちのうどんはスパゲティーで作るんですよ」と笑っていいます。
一瞬なんのことやら理解ができず、よく聞いてみると、”うどん”といっても実は麺はスパゲティー。それを普通よりもっとやわらかく茹でて、うどんの代わりにしているのだそうです。

僕もさっそく試してみました。(つゆはインスタント粉末を買ってきて)、でお味のほどは・・・
うーん、食べ物としては全然違和感はなくおいしいのですが、これを”うどん”と呼ぶにはちょっと無理があるかも、やっぱりスパゲティーはスパゲティー、どちらかというとスープが多めのボンゴレといった感じでしょうか?(興味のある方はお試しあれ)

まあS君には悪いのでこのことは言いませんでしたが、いつの日かS君にも本場のうどん(個人的には関西風うどんがおすすめ)を味わって欲しいと思いました。



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