スウェーデン旅行記/天地の果てまでも編(3/7)

1.キルナ滞在3日目

朝方は晴れ間も見え、わずかながらの希望を抱いていた。
朝食の後、ホテル周辺を散歩する。

目立たない囲いの中でトナカイが2頭慎ましやかに座っていた。
どちらも角がなく茶色掛かった色で、あまりトナカイのイメージではない。(後日、角のある雄が一頭増えていた)
ドゥンドレット滞在時にはトナカイの群れに遭遇したこともあるが、スウェーデンはどちらかというとヘラジカのイメージが強いかもしれない。
フィンランドにはグレーや白いふかふかのトナカイが沢山いたのだけれど。
目の前にいるトナカイ達には悪いが、茶色の毛はお世辞にも綺麗とは言えない。

トナカイ!?と思うくらいのトナカイ

一眠りした後、キルナ市街を散策する。

マーケットを探すが、駅の近くのマーケットは専門店の寄せ集めのような店構えで、品数も限られているようだ。
食料品を買い込むにはあまり適していない。

駅前のハンバーガーショップで昼食を取る。
日本人には小さめのサイズで十分で値段もリーズナブル。
ポテトはやはり多過ぎて食べ切らなかった。
ハンバーガーと一緒に皿に盛り合わせてあるのだが、おそらく盛れるだけ盛ってしまうのだろう。


路上の押しボタン(を物珍しそうに撮影する日本人)

街中から撮影。前方の雪原はたぶん川

夕方また寝る。
今回の旅行は昼間は寝てばかり。
夜は、期待虚しく雪に変わっていた。




8時半頃車で出発、ガソリンスタンドに寄る。(※6
国道をアビスコ方面へ向けてひたすら走る。
昨日よりは速度もかなり上がっている。
だが、行けども行けども曇り空、星など全く見えない。


結局、アビスコの近くにある大きな湖(トルネ湖。正しくはトルネ湖のほとりにアビスコが位置するのだが。)まで辿り着いてしまう。
その辺りで初めて星を確認する。
アビスコの街に入るとさらに沢山の星が見え、言われた通りの状況に驚きつつ歓喜する。
街の先のパーキングに停まり、薄いオーロラを確認する。

すぐ近くには駅があり、列車も時折走っていた。
まだ、オーロラが強まる気配がないのでTOURLIST STATION(観光案内所なのかホテルなのかは不明)でトイレを借り、街の手前のパーキングに戻り待機する。
ラジオを止めると、湖の方から凄まじい風の音が聞こえた。
暗闇の中で

ゴゴーン  とか  ドドーン

とか雷鳴のように轟く。
だが以前訪れた時の印象があまりにも強烈だったため、さほどの恐怖感はなかった。

徐々に星空が雲に塞がれていく。


2時頃になるとわずかな切れ間が残るのみだったが、その上に大きなオーロラが出現する。
ただでさえ寝起きの悪い相棒は不機嫌きわまりないのだが、どうにか叩き起こし外に連れ出す。
雲の切れ間にやや明るいドレープの裾が翻るのを観賞する。
裾というよりもほとんど切れ端だ。
先程の星空の時に出ていれば、と悔しい思いで眺める。