社会心理学(2)
自己の研究
■ジェームズの理論
自己を
主我( I ):知る自分
客我(me):知られる自分 ← 研究の対象として重視した
の2つに区分した。
※社会心理学では、自己という概念が客我を指して用いられることが多い
■自己の構造
物質的自己(自分の身体、家族など)
社会的自己(他者の自分に対する印象)
精神的自己(意識、能力など)
※客体としての自己を認識できることは、他の動物とは異なる人間の最も重要な特質の1つである。
■文化と自己観
相互独立的自己観:自己とは他人や周囲のものごととは区別される独立した存在であるという信念。欧米社会で優勢。
相互強調的自己観:自己とは他人や周囲のものごととの関係性のなかで存在するものであるという信念。東アジア社会で優勢。
スキーマ(知識のセット)
■スキーマの種類とその対象
人物スキーマ:他人の性格など(自分に対する自己スキーマもある)
事象スキーマ:日常の行動や出来事
役割スキーマ:職業や社会的な役割
※人間は一度スキーマができてしまうと、そのスキーマで物事を見てしまうため、不適切なスキーマを
働かせてしまうこともある。
退避症候群
1)情報を短時間で処理する
2)重要ではない情報を無視する
3)責任を他人に押し付ける
4)他人との個人的な接触をできるだけ避ける
※情報が多すぎて処理しきれない環境に対応するために起こる。
予言の自己実現(自己成就的予言)
互いに周囲の影響を受けている状況で、誤った認識や期待を信じて行動し、それが現実になってしまうこと。
例)「○○銀行は危ない」という噂によって預金の解約を求める顧客が殺到し、実際には健全経営だった銀行が
倒産してしまう状況
リーダーシップ
リーダーシップには、
交流型リーダーシップ:集団内の個々人の相互作用を重視して、集団をまとめていくなかで目標達成へ導くリーダーシップ
変革型リーダーシップ:周囲の環境の変化を予測し、集団としてその変化に対応できるような変革を創造していくリーダーシップ
の2種類がある。
両者ともに高度に実現していくリーダーシップが最も効果的であるとされている。
この観点から生まれた理論の代表的なものに、PM理論(三隅二不二が提唱)がある。
社会心理学関連リンク
・日本社会心理学会
日本社会心理学会は、狭い意味での社会心理学の専攻者だけでなく心理学、社会学、政治学、経済学、文化人類学、宗教学、
言語学など、互いに隣接する諸科学の研究者で、とくに社会心理学に関心を持つものが集まって組織する団体です。
・日本グループ・ダイナミックス学会
グループ・ダイナミックス、実証的な社会心理学の研究ならびに実践を促進し、会員相互の連携協同を図ることを目指しています。
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