記録方法
過去帳の記録は、家ごとでもなく、年月日順でもない、何年にもわたって、逝去日が1日であればそのページに記録し、5日であれば5日のページに記録するといった、月命日が基準となる方法がとられています。
したがって、簿冊には1日から30日の順になっています。
もっとも、江戸時代は旧歴で記録され、朔日(陰暦で月の第1日)、晦日(陰暦で月の最終日)があって、31日はない。閏月もある。
罫線がない無地の和紙に、何年にも渡り順次記録されている。
基本的には二段書きであっても一段に書いたり、また文字の大きさは一定ではない。
後の世に書き足したものや、文字の訂正もある。
○ 草書で書かれている
○ 異体字が利用されている・・・・・・左の写真は「養母」で゜ある
○ 略字で書かれている
○ 今は全く使われていない漢字が使われている
○ 過去帳にだけ使われる約束文字で書かれている
○ 一部分のみが記録されていて、不十分なものがある。
最初の簿冊では、500年近くも利用されていることから、触れた用紙の角附近は手垢で汚れ、殆どのページで読み取りが出来ないところがある。
更に、和紙であるがため、丈夫で紙の破れは少ないが、手で触る角附近はページをめくるために指で揉まれ、紙の繊維が離れ真綿のようにふわふわになっていて、文字が消失したり、大部分で角折れがある。
残念であるが何ページにも渡り、重なって用紙が破れ一部は消失しているところもある。(破れている状態から想像すると、障子の建付け付近に落とし、10ページほどを一度に押し挟み破った事故であるようで、修理もされていない) 古いがために、表紙が朽ちて消失し、最初から何枚かのページがなくなっている簿冊もある。
読めない字がある
10ページほど重なって破れている
ところもある。