外国岩場遊行

  

再びプラナン(タイ)へ2007年4月上旬
 前回のプラナンの印象が忘れられず、再びプラナンを訪れて見ました。今回は4月上旬ということもあり、タイでは酷暑期の入り口に当たります。そのため、連日37度前後。現地の人もこの暑さでうんざりの様子でした。今回は「クラビ」からプラナンへ入ってみました。クラビ市内で一泊しロングテールボートでライレイイーストへ。しかし、同乗するする人がいなく、結局2人でチャーターする羽目に。これは費用がかかりすぎ(一艘で700B)。あとでわかった事だが、アオナンまで乗り合い自動車(ソンテウ)で40B、アオナンからライレイウエストに60Bという方法が格安。とはいえクラビタウンからやく40分でライレイイーストへ11時頃着。この時刻は潮が一番高くなる時間帯で、歩かずに浜へ。
 宿泊はこの時期はシーズンからはずれているため若干安かった。トンサイベイでエアコン付きでツーベッドのバンガローが1500B。今回はバンコク在住のタイ語を話せる娘に同行してもらっての旅だったのに、現地の人はそのようには見ていなかったようだ。
 さて今回も現地のガイドをお願いして(9時から6時まで昼に2時間の休憩で1500B)、一日だけクライミングを楽しんだ。今回登ったのはトンサイベイエリアとドウムズキッチンエリア。トンサイベイはルーフの岩場で8aが目白押し。ただしショートルート。ドウムズキッチンエリアは薄かぶりか垂直。これらエリアは午前中が日陰で登れるが、午後は照らされてしまう。

 
今回のレートは1B=約4円。円安で前回よりも出費が多かった。今回バンコクまでANAを利用。航空券4万5千円、燃料代が2万円、ほか空港使用料などで合計約7万円支払った。また、バンコク〜クラビ間は、現地の娘にチケットを押さえてもらったが、バンコクからクラビへはタイ国際航空で約2万5千円くらい。クラビからバンコクは格安航空会社で約1万円前後だった。ただし、格安航空会社は旧空港での発着(新空港は滑走路が波打ってしまったのこと)になるため不便。ちなみにこの時期日本からクラビへはタイ国際航空で8万円前後(燃料費その他は別)とのこと。

  クラビの市場は活気がある。そこで食べた「おかゆ」              トンサイベイはどっかぶり。7C+をトライするも歯が立たない。

  核心はリッペあたり。傾斜がゆるくなるとホールドが極端に細かい。      食べ物はおいしい。ビールもうまい。  7b+をオンサイトトライするも×。

  7a+位が楽しめた。日差しが差し込む前の一仕事。                 島巡りも楽しかったよ。        潮が引けると行けるエリアで。
プラナン(タイ)の岩場2005年12月下旬
 イのプラナンはリゾートの中にある岩場で、あこがれる岩場かもしれません。そのような岩場に単身乗り込んで見ました。プラナンへのアプローチは大きくは二つあります。一つはバンコク経由プーケット空港着後、タクシーでアオナンビーチ(約1時間・約2000バーツ)に向かいロングテールボートでプラナン(15分・60バーツ)へはいるルートです。今回はおおむねこのルートを利用しました。もう一つはバンコク経由グラビ空港着後、アオナンビーチまたはくグラビからプラナンへ入るルートもあります。グラビはタイにとって、観光開発の目玉空港となるとのことです。今回はグラビから入る方法をとりませんでしたので詳細は不明です。なお1B=3.5円のレートでした。
 プランナンと私たちは言っていますが、現地ではライレイとよび、アオナンビーチからはこの呼称のほうが通じるようです。アオナンビーチからプラナンに向かうと海に飛び出た岩頭が目に入ります。それをすぎると、写真(左)のようなトンサイベイの岩壁が目に入ります。写真左の岩壁は8aが多く存在するメインエリアともいえるでしょう。午前に日陰となり、午後は日照がキツイ岩壁です。
 今回訪問した岩壁は、初級者の講習でにぎあうワン・ツー・スリーウオールとタイワンドウオールでした。ここは1日中日陰で、午前午後にかけて楽しめる岩壁でした。ただし熱帯の岩場。片時も水入りペットボトルは離せません。水分補給は体力消耗を防ぐには必要不可欠でした。

回、私が登ったルートは次の通りです。

(1)MUAI THAIーTHAI BOXING WALL
@Nam Dtah See Som(Orange Tears)7a
=オレンジ色の綺麗な壁を直上するルートで、核心部は出だしアンダーから思い切って左手のカチを取りに行く部分です。この核心部を発見できたときはちょっと自慢でした。右手アンダーから左手を出す部分は結構遠くて、リーチが必要になるかもしれません。オレンジ色の壁はまた違った雰囲気です。
AChicken Head 6c+=まさに「鶏のトサカ」を登るルートです。出だしの処理が鍵で、何度かやり直して強引に行きましたが、上から見ると隠れたガバホールドがありました。短いがストレニです。
BReaching Like A Monkey 6c=Aの出だしから右方向に登る。ガバの連続で楽しいルートです。でもやはり疲れていると苦労します。出だし核心でした。終了点は結び直しとなります。
(2)ONE TWO THREE WALLここの壁は、初心者の講習会用の岩場として利用されているようです。いつも混雑している様子です。トップロープが張られ、その隙間をぬって登らねばなりません。午前午後とも日陰で相対的に涼しい岩場です。綺麗なおねいちゃんが多くて、目の置き所にこまってしまいましたよ。
CKratoy 6c=左側にある洞穴の左をあがり、正面に出て巨大ツメを利用し、右に出てコルネを直上するルート<写真下参照>です。見栄えがよくて登りたくなるルートですが、一方登れるかどうか不安にもなるルートです。登り始めると思った以上に適度にガバが出てきて楽しめました。

DOrientales 6b+=正面右側の混雑しているルートから正面のテラテラの壁にでて直上するルートです。硬い石灰岩でかちかちのホールドは、指を入れるとすっぱり切れてしまう思いに駆られて、ちょっとためらってしまいました<写真下参照>。石灰岩なのにチャートのような気分になってします。
EShort & Savage 6b=ちょっと傾斜の強い、ガバルートです。アップに利用しました。
FBe Careful 6b=ルート名の言うとおり、中間部が細かい。ショートルートでメインの反対側にある小さな岩場のルートです。


(3)THAWAND WALL

この岩場はアオナンビーチから来て、ライレイビーチに降りるときに右手方向に見える岩場<写真下左>です。スケールがありますが、一見するとボロボロで登れそうには見え、ません。でも岩場の下部で見あげると意外としっかりしているので驚きます。巨大ツメが至る所に発達していて、それは壮観です。日本では滅多に見られない景観です。ロングルートもあり、アルパイン的な要素を持つ岩場です。
GSolution 41 6b+=壁の左側に位置するルートで、赤い石灰岩で堅い<写真下右参照>部分を登るルートです。グレード的にはやさしいはずですがいざ登ってみると細かく悪い感じがしました。クールダウンに選びましたが、登っている途中でなんでここをクールダウンに選んだのだろうという思いがわき上がって来ました。
HEquatorial 6c=ボルトの間隔、ホールドの間隔、長さどれをとってもちょうどよい。ぐいぐい登れました。そして終了点が洞穴内で気持ちがよく充実感満タンになった思いがあります。
IMala Mujer 6b=長いだけのように見えたのですが、登り始めると傾斜があり、時々出てくるハングを越していくおもしろさがありました<写真最下段参照>。ガバの連続と言うのもお気に入りなるの一つの要素です。アップに利用しましたが、やはり充実感を感じたルートでした。
JThe King & I 6b=4pの下部1pを登っただけではおもしろさは解らないようです。次回は上部のピッチもつなげてみたい思いに駆られたルートでした。
KGetting To Know You 7a=このルートは壁の右端に位置します。グレード的に、オンサイトが出来るかどうかという久々に緊張感が出たルートでした。ルートは傾斜の少しある完全なフェース。もちろん長いだけでなく細かいホールドが随所にあらわれ、手順の組み立てに苦労しました。途中でパンプが始まり本気に。適度に出てくるレストポイントを上手く利用して、やっとの思いで終了点についたときは、ほっとすると同時にうれしさがこみ上げてきました。

 今回は2日間のプランナン入りで、現地には宿泊せずに、プーケットからの通いでした。車をチャーターして4000Bで片道2時間30分。11時頃から3時までがクライミング時間に当てましたが、二日で12本登ることができました。ロングルートのためやさしいグレードを中心に登り込みましたが、充実感はまた格別です。一人で現地入りして、当日は現地のインストラクターを1日700Bで頼みました。気さくなタイ人で思う存分行動できました。ヌンチャクとザイルはインストラクターが準備してくれましので、いわば丸腰で現地入りし、軽快な行動がとれました。持って行ったものはチョークバックと靴・ハーネス・ヌンチャク1本のみ。少々出費はかさみましたが、それはそれで必要な出費でやむを得ないところでしょうか。

韓国・ソヌンサンの岩場2004年5月上旬
五月の連休を利用して、韓国の早雲山(ソヌンサン)を訪れました。7日間のたびでしたよ〜。初めての海外遠征(もちろんフリークライミングで)で、出かける前からうきうき。ソヌンサンについては「ロクスノ」で紹介されましたが、やっぱり現地に行ってみなければ、解らないことがたくさん。現地でとまどう事が多かった遠征でした。やはり「知ると見るとは大違い」。みなさんも経験を豊かにして下さいね。
(1)アクセス
成田と仁川国際空港間の大韓航空を往復利用。連休はやっぱり高い。リッチな人しか連休にはいけないよ〜。往復諸経費込みで約8万円の航空運賃。ソウル市内の南大門市場までバス利用(7千w・1円=10wのレート)。日本での100円が韓国では約1000ウオン。高い〜と思った人は「負け組」に分類できるよ。レートが違うからね。南大門市場は日本のアメ横かな。人もすごかった。EPIガスボンベは、ソヌンサンの売店「通称・ママの店」にあるから、ボンベだけの人は立ち寄る必要はないよ。5時30分にタクシー(3万w)で高速バスターミナルに。韓国人は運転が乱暴だよ。混雑もひどいから当然かな。カーチェイス一歩手前。車こすったぐらいでは平気みたい。日本みたいに車から降りて「おまえが悪い」なんていわないみたい。
7時発の「コーチャン」行き高速バス(約1万2千w)に乗り込んだんだけど、これが複雑。バス会社が複数あるようで、コーチャンのハングル文字を便りにバス乗り場と乗車バスを確認するものの、すごい不安。韓国って「英語」熱があるって聞いたけど、全く英語は通じません。何でハングル話すの〜。英語で話してくれ〜って、ろくに英語の出来ない私が嘆いてしまった。仕方なくバスの切符を買うにも指さし。ジュース買うのも指さし。バスの確認も指さし。仕舞いに青信号で横断歩道を渡るのも左右指さし。俺はJRの駅員か〜!
ともかくも目的地に行けるのか心配でした。バスの中で仲良くなった「コーチャン・イズ・スモールタウン」おじさんから、英語で韓国田舎をれくちゃーされて、疲れた頃、夜の10時にやっとこの日の目的地に到着。このおじさんに近くのホテルを紹介してもらい、さらには部屋の中のテレビが映るかどうかまで確認してもらい、その日は落ち着いたのです。韓国の人は人がよすぎるくらいで、当初「ボラレ?」なんて疑ってしまいましたが。「サンキュ」を連呼して笑顔で別れました。
次の日の朝、ソヌンサンへはタクシー(1万9千w)で。帰りも同じルートと方法で、ソウル市内へ戻ってきました。
(2)宿泊
 宿泊は早雲山寺まえの、2件あるホテルのうち1件を利用。温泉マークの入った一般客向きを選び交渉しました。2泊3人で8万w。もう一方のホテルは見るからに高級だったため、すぐにパス。簡単に交渉といっても、英語が通じなく大変。部屋の内容と宿泊費が私たちの願望通りいくかどうか、心配でした。相手は大学生で英語が出来るはずという思いこみもろくも簡単に崩れさり、結局指さし。八幡さんが購入してきた「情報センター出版局・指さし会話帳・韓国」が非常に役立ちました。これは必携。部屋は8畳ほどでオンドルが入っていて快適でしたよ。割り増しでしたが、体がぽかぽか。筋肉がほぐれたよー。この時期のクライマーはケチらないでね。朝晩結構冷え込むから。食事は別料金で食堂または、目の前のレストランでとることになります。私たちはすべて食堂利用。メニューは数種類のみ。ともかく英語は通じませんからね。

(3)食事
コーチャンでは、夕食に焼き肉を食べましたが、これがおいしいくボリュームたっぷり<写真上段・左>。1人ビール2本込みで2万7千w。異国で食べる料理はかくべつだよ。ここのママがまたやさしくて、焼いてくれた肉を口まで運んでくれるんだよ〜。日韓友好はだね。。また朝にチゲ(韓国おじや)<写真上段・中>を食べたよ。4千w。辛くてあせだくだく。ソヌンサンでは朝食定食だと6千w位。小鉢に入った、漬け物や野菜などの「おかず」がたくさん出てきて食べ切れない<写真上段・右>。夕食ではリッチな「ウナギ」料理で1万5千w。石焼きビビンバが6千wでした。炭水化物中心でなおかつニンニクたくさん。韓国スポーツ選手のパワーを充分堪能した。これでは日本人は負けてしまうのは納得。日本人は西洋にかぶれすぎ。肉よりも米とニンニクで健康を維持しませんか〜。
ソヌンサンでの宿泊ホテルは、日本では宿坊にあたる。だから精進料理がメインになってしまうようです。この時期は参拝に来る仏教信仰者は少なく、いわゆる観光シーズン(夏・秋)からはずれていたため、サービスしてくれたようです。
コーチャンでのコンビニで購入した「おにぎり」は比較的安価(1個500w)。でもパン類は高価(1個1200w)。全体的に食料の物価は日本と大差ないと考えた方が良いでしょう。ソヌンサンにはコンビニはありません。人造湖前の「ママの店」ではビスケットやラーメン(1千w前後)がおいてありました。やはり、韓国は「辛い」ものが多く、苦手な人は苦労すると思います。私は平気でした。においも平気。料理には必ず一つスープがでてくるよ。それをみんなですするのが韓国の親睦方法。「同じさらのスープをすする=同じ釜の飯を食べる」なんですね。このスープ日本人かららするとにおいが強烈ですが、味は抜群。人れぞれかもしれませんが韓国文化の尊重は必要でしょうね。

(4)岩場
「ソヌンサンの岩場」といっても、現地に行って解ったことですが、有笠や鳳来と同じようにあちこちに「岩場」がたくさんあって、「どれー」という感じになります。つまりは日本と同じで、登れるエリアは限定されるようです。昔の岩場は自然に戻ってしまっているようです。はやりはあるのでしょうね。
私たちは人造湖の対岸にある、最近開発された岩場に向かいました。尾根にでて声が聞こえる方向へ歩いていったら、近年開発されたスポーツクライミングエリア<写真中段・左・中・右>に偶然出てラッキー。ガイドがいないとたぶん発見できないでしょうね。この岩場はスケールは小さいが傾斜は強く、おもしろいルートがそろっています。両側に被さるように岩場が突き出て、薄暗い感じはしますが、小雨程度はだいじょうぶな岩場。ただし湿気には弱く、小雨の次の日にヌンチャク回収で立ち寄ると、一面結露していました。鳳来よりも有笠に近い岩質のような気がします。ただし岩場名もルート名もハングル文字のため解読不明。グレードはアメリカンのため理解できましたが。
この日、下から回り込んで下ることにして、反対側に出たとたん、スケールの大きな岩場をみて唖然。垂直の出だしから途中少しばかりかぶりの強くなった壁を経て垂壁となるという壁ですが、二子ほどのスケールを持ったロングルートが数多くあり、登攀意欲をそそられたよ。最初からこの壁に来ていたら遠征もまた違ったものになってたのにー<写真下段・左>。もちろん次の日はここでトライ。初めてだと様子もわからず、ともかくも見当をつけて行錯誤のトライ。12aだからと思って登ったら11cくらいとか、精神的につかれる。結局最後になって体が軽快になった時には日没間近。遠征は日数が多いか、ガイドがつくかしないとダメだということを知らされました。さらにこの日は小雨で残念でした。
帰国前日、ソヌンサン手前の人工湖端にある岩場に立ち寄りました。ショートルートでほぼ垂直の岩場で遊びました<写真下段・中・右>。ここは初心者 のトレーニングとして利用されているようです。この時期のソヌンサンは日本でいうと4月中旬の感じで、新緑が非常に綺麗だったよ〜。

(5)追伸・ルート紹介
それじゃ、どんなルートを登ったの?といわれてしまうと「ごめんなさい」です。ハングル文字で、ルート名が本当にわからないのです。少ない情報で分かる範囲内で記すと次のようになります。
@<写真中段・左>:「トゥグバウィ」岩壁の12c=この岩壁は一つの岩峰の側壁になるようです。尾根の上に上がるにつれて高難度ルートが出てきます。下に下がって回り込むと、広大なスラブ壁が広がり、昔のエリアという感じです。私のトライした12cは下部がかぶっていて、難しく無かったのですが、終了点手前に細かい部分があって、RP出来ませんでした。チョークがついていたらレッドポイントできたのに〜。
A<写真中段・中>:真ん中にある人気ルート。12b。八幡氏が果敢にトライしたルート。3人で攻め込んだのですが、湿気が多く次回に持ち越しでした。
B<写真中段・右>:上記の反対側にあるルート11c。この岩壁は、次に紹介する「ソクシルバウィ岩峰」の裏側にあたる岩壁といえますが、「トゥグバウィ岩壁」の対面に位置します。これらの二つの岩壁が覆い被さるような、トンネル状形態になっています。ここにはやさしいルートがあり、初級者が楽しめます。
C<写真下段:左>:「ソクシルバウィ岩峰」の正面壁で、これは大きな岩壁です。「トゥグバウィ岩壁」を右に見ながら、下って左に回り込むと簡単に行けます(もちろん尾根にあがり右に下るといけます。どちらも時間的に差はありません。5分くらい。)。八幡氏がトライしているルートはJCC11a(たぶん)です。
D<写真下段・中・右>:「ソヌンサン」に入る手前で、右手方向に見えてくる岩峰で、下部の垂直壁部分が、登攀対象になっています。私がトライしているのは12aですが、グレード的には「お買い得」です。ボルト3本の12cをオンサイトしましたが実質は11c。ここはグレードにこだわらず、みんなでワイワイ楽しむには最高です。この日は晴れていて、これから帰国という4時間あまり充分に楽しみました。タクシーを呼んでコーチャンへ。