12



ギュギュギュウウゥゥンン―――ッ・・・ガガガ・・・!ドガッ!!

「あぁぁっ!また大破したぁ――っ!くそっ!!もう一回!もう一回だけ!おっちゃん!!」

「・・・明良坊ちゃん、そろそろ帰らないと叱られますよ。
てか・・・俺が社長に叱られるんだけど
なぁ・・・」


A&Kカンパニーが所属する同ビル45階、プレイジングワールド試作室。

【関係者以外立ち入り禁止】の部屋に、関係者外の明良がいた。

プレイジングワールドは、主にバイクや車のドライビングゲームのソフトを開発している。



「オレが親父に言っとくから、いいって!早くセットしてよ、おっちゃん!!」

ゲームコントローラーを握り締めた明良が、興奮しながら横の男性を急っついていた。

明良からおっちゃんと呼ばれている男性は、それでもまだ三十代半ばくらい。

その男性がほとほ
と困り果てたころ、試作室のドアをノックする音が聞こえた。

「おっ!坊ちゃん、ちょっと待ってて下さいね!」

待ってましたとばかりにドアを開けに行く男性に、明良の大きな目がぐっとその後ろ姿を睨ん
だ。

「もう・・・ほっとけよ!試作中は客の応対はしないんじゃねぇの!」


「わかっているのに、どうして君がいるの」

開いたドアの向こうに和也が立っていた。

男性は和也にこれでやっと解放されるという表情を浮かべた。

「・・・オレ客じゃねぇもん」

和也の迎えにぎょっとした明良だったが、ゲームコントローラーは握り締めたままだった。

「しかも、ここは関係者以外立ち入り禁止の部屋でしょう」

「・・・オレ関係者だもん。・・・おっちゃんの友達だよなぁ!!」

言い終わるが早いか、明良は握り締めていたゲームコントローラーを投げ捨てた。

和也がずかずかと部屋に入って来たのだった。

一応は防衛本能で逃げの体勢をとった明良だったが、それほど広くもない部屋ではほとんど
意味のない行動と言える。

ぐゎし!っと肩辺りを掴まれた。

相変わらずの和也の手荒さに、明良は腹が立って仕方がない



「引っ張んなよ!!和也さんだって、立ち入り禁止の部屋に入って来てんじゃんかよ!!」

「そう言うのを屁理屈って言うんだよ。そんなのは通用しません。
それに、おっちゃんて誰?佐
伯(さえき)さんでしょう」

和也は明良が自分にとって居心地のいい相手には、そんなふうに呼んで甘えるのを知ってい
た。

遼二のことにしてもそうだ。


―直人の兄ちゃんと似てんだもん。優しいじゃんか―


明良にとって遼二は居心地のいい相手なのだ。

しかしそれは会社では認めることは出来な
い。

明良が継ぐべき過程においては、居心地のよさは必要のないものなのだ。


―会社は学校や家とは違うから―


それを和也は言うのだ。





「あ・・明良坊ちゃん!今度本物のバイクレースに招待しますから!」

引き摺られて行く明良に、佐伯が申し訳なさそうに言った。

「レースなんか親父に言ったら連れてってくれんだよ!そんなことよりいちいち会社の人間呼ぶ
なよ!!」



プレイジングワールドはソフト制作とは別に、バイクのレーサーチームを抱えていた。

違う会社の佐伯が明良を坊ちゃんと言うのは、A&Kカンパニーがプレイジングワールドレーサーチームのスポンサー(資金出資社)だからである。

佐伯が困ったのは、まだ発売前の試作品を明良に見つかってしまったことだった。

試作品は企業秘密である。例えそれがスポンサーの社長の息子でも、例外はない。

自分のところの社長に見つかれば、大目玉必至の佐伯なのだ。



今までも明良は、時々一人でプレイジングワールドに遊びに行くことはあった。

遊びに行くといっても新しいソフトや売
れ筋のソフトを見る程度ですぐ帰って来ていたので、特別それについて和也から何も言われることはなかった。

ところが今日は偶然にも、普段はきっちり閉まっている試作室のドアからゲームの効果音が聞
こえて来た。

ふと見ると半開きになっているドアの隙間から、大画面いっぱいに迫力満点でバイクのドライビングケームの映像が流れている。

佐伯がドアから覗く明良に気付いて、慌てて閉めたが遅かった。

一回だけとしつこくせがむ明良に、とうとう根負けしてしまった。

もちろん一回だけと言う約束な
ど無いに等しい。

延々と続く明良のもう一回に、佐伯はたまらず和也に連絡したのだった。


「えっと・・あっ・・中ですよ!中!観客席じゃなくて・・・」

和也を呼んだことはいたし方なかったとは言え、もともとは明良を部屋に入れてしまった自分
の責任なのだ。

佐伯はそれを考えると、損ねた明良の機嫌を取り戻そうと懸命になった。

「佐伯さん」

和也が途中で遮った。

「あ・・・いや・・・」

はたと口ごもる佐伯に、早くも明良の目が輝いた。

「中ってどこ!ピットのこと!?」

やれやれと、今度は和也が明良を見る。


「行くよ、明良君。いい加減仕事の邪魔でしょう」

「だから!!引っ張んなよ!!」

和也に引っ張られて、明良の制服のカッターシャツが着崩れてしまっている。

引き摺られるように連れ帰られて行く明良を見送りながら、佐伯は他の社員たちに感心したよ
うに言うのだった。


「やっぱり後継者に付く教育係りは厳しいよなぁ!明良君も大変だな」


他の社員たちは日頃の明良を見ているだけに和也に同情し、明良に甘い佐伯に和也と同じ気持ちでや
れやれと思うのだった。





そして―


「ちょっと遊びに行ってただけじゃんかー!!」

「それから・・・そしたら、あの・・そのガリバーがっ・・・!」


明良、遼二それぞれ言い分を抱えながら、会議室の扉が閉められた。







秘書課・会議室、現在【会議中】―。



楕円形の大きなテーブルに椅子が10脚。ホワイトボード。

社長室・秘書室・秘書課受付直通電
話と内線電話。それに繋がるインタフォン等。窓にはブラインドが掛かる。

窓側ホワイトボードを上座に置いて、左右に和也・橋本。和也の隣に長尾・高田。橋本の隣に
進藤・吉川と順に席に着いていた。


ズラリと居並ぶ秘書課勢揃いに、自分も秘書課の一員でありながら遼二は圧倒されるばかりだった。

圧倒されるということは余裕がない、つまり冷静さを欠くということだ。

遼二の冷静でない頭は、またしてもとんでもない図式を走らせていた。


―俺!オシオキ!!公開オシオキ!!!―


明良の方がよほど冷静だった。

「何だよ、会議だろ。オレ関係ないってんじゃん」

これから普通に会議が始まると思っている明良には、1時間の尻叩きなど和也の脅かしくらい
にしか思っていないが、遼二は逐一まともに受け取ってしまう。


尻を叩かれたことがない者と、しょっちゅう叩かれている者との差がここで出た。



「ボサッと突っ立ってないで、さっさと席に着きなさい」

橋本が明良を無視して遼二に着席を促した。

「あの・・・俺?・・はいっ!」

肩で大きく息を継ぎながら、遼二は吉川の隣に着席した。

無視された明良がますます不貞腐れながら、それでもガタン!ドサッ!!と大きな音を立てな
がら遼二の横に座った。


「君は立ってなさい」

上座から和也の声がした。


「えっ・・・俺?・・はいっ!」

慌てて遼二が立ち上がった。

「ばかか、君は」

吉川がこの世の終わりのような顔をして、遼二の腕を引いた。


「・・・何で立ってなくちゃなんないんだよ!」

明良は座ったまま制服のズボンに両手を突っ込んで、和也の方を見向きもせず吐き捨てるよ
うに言った。

会議など自分には関係ないのに部屋に入れと言われ、何でと訴えることは無視されて、仕方な
く座ったら立てと言われる。

明良には、この秘書課連中のそんな物言いや態度がカンに触るのだ。


「君は会議には関係ないでしょう。席から退きなさい」

「だから関係ないつったじゃんか!!」

今度は和也の方を睨みつけながら、ほとんど怒鳴る勢いで立ち上がった。


「そのまま後ろで、静かに見学させてもらいなさい」


和也はあくまでも冷静だった。

他の面々も全く明良のことは無視に近い。遼二だけが心配そう
に明良を見ていた。



今までなら、尻を叩かれながら見学させられるパターンだった。

させられるという行動は考える必要がない分、ある意味楽なのだ。

ところがさせてもらうという
行動になると、そこに自分の考えが入る。

時にはプライドを自ら折ってでも、しなければいけな
い。

プライドはへし折られるより、自ら折ることの方が数倍も辛く難しい。


黙って立ったまま、秘書課の会議を見学する。


―見学させてもらいなさい―


和也のその言葉で、それが自分のためだと今はわかる明良だった。

嫌だと思っても、まがりな
りにも芽生えている後継者の自覚が明良に逃げることを許さなかった。



まだまだ不貞腐れた態度ながら、明良が一歩後ろへ退いた。

遼二もようやく初会議出席の自分のために、橋本が帰りを待っていてくれたことに気がつい
た。





「では、今日は全員揃っているところで、秘書課全体会議を始めます。まず、議事の進行を・・・
吉川君前へ」

橋本が進行役に指名したのは吉川だった。

「はい」

吉川が前へ向かう。

「吉川君はまとめるのが上手いですからね。すっきりした文を書くので、要点がよくわかるんで
すよ」

橋本が和也に吉川を指名した理由を話している。

得意満面の吉川が、 フフン・・・と横目で長
尾・進藤を見る。

長尾のセンター分けの前髪が微かに揺れ、進藤の細い眉がピクリと動いた。


「何年報告書を書かせても、要点を得ない先輩たちばかりだからね。
今度は吉川君に書いても
らおうかと思っているんだけど」

追い討ちをかけるような和也の言葉に、長尾・進藤の顔が引きつった。


「吉川君は本当に上手いものねぇ。僕は苦手だから羨ましいなぁ」

高田はあまり先輩の意地など無い。良くも悪くもマイペースだった。



秘書課・全体会議―。


吉川が中央に立ってざっと資料に目を通し、ホワイトボードに議題を書き出した。


遼二にとっては初めての会議出席だった。

まだ仕事もろくろくしていないのに発言権などあるは
ずはない

。たぶん明良と同じ見学なのだ。ただ、席に座っているかいないかだけの違いなの
だ。

そう思うと遼二は後ろの明良が気になった。


ちらっと振り向いた遼二に、明良の表情が和らいだ。

へへっ、と少し照れくさそうに微笑む明良に、遼二は安堵してつい声を掛けてしまった。


「えらいですね、明良君は」

遼二の本心から出た言葉だった。


直後―。


ダンッ!!


「杉野!どこを見ている!会議中だ!!」



テーブルを叩く音とともに、橋本の叱責が飛んだ。


「あっ・・・」


言葉も無く、遼二はただ橋本を見るばかりだった。



「・・・何でそんなに怒んだよ。杉野さんはオレのこと気にしてくれただけだ」

それまで黙って立っていた明良が、遼二をかばうように橋本に言った。


「吉川君、続けて下さい」

橋本は明良を見ようともせず、吉川の方を向いて会議の進行を促した。

これが明良には癪にさわるのだ。


「待てよ!橋本さん、オレ話してんだろ!聞けよ!!」


ほんとうは無視するなと言いたかった明良だった。だがそれはあまりにも情けない。

後ろで黙って立っているだけでも、情けないのに。

自分のためとわかるからこそ、座らせてもらえない情けなさを我慢しているのに。

明良はひとりひとりに視線を移して行く。



橋本が吉川に何か伝えている。長尾は横の高田と資料を繰りながら話をしている。

進藤も資
料を開いて書類にペンを走らせている。

誰も明良の方を見る者はいなかった。

明良は遼二を見た。

遼二でさえ先ほどから手元の資料に目を落したままだった。


ほぼ無視だった。ほぼ・・・和也だけが明良を見ていた。

明良のきつく握り締めた手が震える。我慢の糸は限界だった。


バキィッ!!ガタ――ンッッ!!


椅子がテーブルに当たって、激しい音とともに床に転がった。

明良が椅子を蹴り倒した。

あまりの衝撃音に、長尾たちもつい明良の方を見てしまった。


「会議中!!」バンッ!!


再び橋本の叱責が、ホワイトボードを叩く音とともに響いた。


大きく見開いた目とぎゅっと食いしばった口元から、明良の悔しさが零れ落ちるようだった。



ガチャッ!!バタ―――ン!!


開け放したドアはそのままに、明良は部屋を飛び出た。

「明良君!」

遼二は思わず名前を呼びながら立ち上がった。

不用意な自分のひと言が、結果として取り返しのつかない事態を招いてしまった。

自分の責任だ。明良を連れ戻す。

遼二は会議中であることも忘れて、橋本に願い出ようとし
た。


「橋本さん!俺・・・」

「杉野君、ドアを閉めて」


和也が遼二の言葉にかぶせるように言った。

静かに発する声は短くもしかし重く、逸る遼二の気持ちを引き戻した。



倒れた椅子を起こし、開け放して出て行ったドアを閉めて鍵をロックする。

【会議中】の表示が点き、会議再開―。


吉川がホワイトボードに書き出した議題について、橋本が今後の計画を述べる。


議題内容

※グランメゾン'Etoile'(エトワール) グランドオープンまでの準備予定

※シミュレーション候補として、ホテル森之宮他商談中三件のピックアップ


遼二は議題のそれらが、どう秘書課と関連するのかわからない。

自分はその中で何をするのか、シミュレーションとは何を指すのか。

今はただ、わからないなり
にメモを取るのが精一杯だった。

遼二がやっと明良のことから離れて、会議に集中し始めたところだった。


「資料は再度確認のうえ、まとめたものを各自のファイルに転記。
転記後の資料は必ず自身で
シュレッダーに掛けて下さい。以上、秘書課・全体会議を終了します」


吉川は会議の終了を告げた後、直ちに秘書室の鍵を開けに行った。

全員が会議室にいるの
で、秘書室はからっぽの状態である。

全体会議の時は必ず鍵を掛ける。


―えっ・・・もう終わり?―


秘書課・全体会議終了。所要時間約30分。

あまりの早さに遼二は返って不安が湧き上がった。

明良のことで中断した時間も含めての30分だ。会議自体はもっと短い。

結果として、会議そのものを潰してしまったのではないか。


和也・橋本退室。ドアを開けて待っていた長尾・進藤がそれに続く。


「杉野君、後片付け忘れちゃだめだよ」

四人が退室した後、高田が最後に残る遼二にさりげなく注意を呼びかけた。


「はい。・・・あの高田さん」

高田が声を掛けてくれたことで、遼二は思いきって切り出してみた。

「何?」

「全体会議って、いつもこんなに早く終わるものなんですか」

不安そうに問い掛ける遼二のその質問を待っていたかのように、高田が柔和な微笑を見せ
た。

「うん。早い時は15分、普通でも20分くらいで終わるよ。今日は長い方だね。
第一そんなに長
く部屋をカラッポに出来ないじゃない」

「そうなんですか。俺、またてっきり・・・」

遼二は高田の説明に納得してホッと安心した。


「・・・君、全体会議の意味わかってる?」

高田が柔和な微笑から、一転引き締まった表情を見せる。

安心したのも束の間、高田の表情の変化は遼二にも新たな緊張を呼び起こした。


「会社が次に動くこと、全体の流れを全員しっかりわかっておきなさいと言う伝達を含めた確認
だよ。
長い時間なんて必要ない」


遼二は部屋がカラッポで納得した自分が恥ずかしかった。仕事はもっともっと奥が深い。


「秋月さんも、無茶なことさせてないでしょ。ねっ?」

ニコッと微笑んでコクッと首を傾ける。

いつもの高田に戻る。

だが遼二は笑顔で返せなかった。



「君さぁ・・・、ホントいつまでも行動が先に出るんだよねぇ。
もう少し周りの状況を見て、考える
ことが必要だよ」

高田が困った顔で遼二を見た。

安易に明良に声を掛けたことを言っているのだ。

あまりにもその通りすぎて、遼二は二の句が告げない。


「仕方ないな。そろそろ落ち着いて行動することを教えてあげるから。
そら、そこのテーブルに
手をついてごらん」


「な、な、な、何をする気ですか!」

今さら聞くまでもない。

そもそも、どもってしまうことがすでに理解しているのだ。

いつまでもすみませんが通用するなんて、会社はそんなに甘くはない。

ここは潔く尻を叩かれるべきなのだろうか。

遼二は葛藤するも覚悟を決め、テーブルに近づいた。


「君のお尻に教えてあげるね。お尻ぺんぺん」


ぱぁぁっと高田の顔に笑顔が広がる。

その瞬間、遼二の体がテーブルから遠く離れた。


―やっぱり、無理!!―


「往生際まで悪いね。手をつかなきゃ膝だよ。乗る?」


―絶対、無理!!―



「高田さん!」


吉川の呼ぶ声に高田と遼二、二人ともが振り向いた。

「何、吉川君。今取り込み中なんだけど」

長い睫毛を半分伏せて、流す視線で吉川を見る。

高田余裕のポーズ。


「何の取り込み中か知りませんけど、進藤さんからこの間のクレーム報告の下書き、まだかっ
て催促来てますよ」

吉川は鬱陶しそうに、顔をしかめた。


「ええぇっ!!明後日までで良いからって言ってたくせに!」

一瞬にして余裕のポーズが崩れた。

ふうう~っと大きく溜息をつく遼二さえもう目に入らない。


人の尻に火をつける前に、自分の尻に火がついた高田だった。


「あの二人のことなんだから、いつものことじゃないですか。って言うか、どうして仕事を溜めて
おくんですか。
それだって三日も前に言われていたことでしょう」

「だって、僕だって忙しいし・・・、それより下書きのチェック、頼むね、吉川君!」

後輩の吉川に言い訳けしつつ大焦りの高田は、もはや遼二どころではなかった。

「下書きのチェックなんて聞いたことありませんよ。普段からきちんと確認するくせをつけないか
ら、いざっていう時困るんです。
だいたい高田さんの書類は、文章以前に誤字や脱字が多いか
ら・・・。だから進藤さんに、尻で漢字覚える?なんて言われるんですよ」

くどくど文句を言いながらも、吉川は急いで秘書室に帰る高田の後を追った。





遼二は会議室を片付けながら、改めて仕事に対する在りようについて考えていた。

今日だけの
出来事を思い返しても、皆それぞれの立場で大変なのだと痛感せずにはいられない。


その中で行われて行く後継者教育。


『秋月さんも、無茶なことさせてないでしょ。ねっ?』


高田の言葉に、遼二は思い知る。


―そのひとつひとつに意味がある・・・―



へへっ、と少し照れくさそうに微笑む明良と、バキィッ!!ガタ――ンッッ!!椅子を蹴り倒した
明良。


両方の明良の姿が、交互に遼二の脳裏に思い浮かぶのだった。







*コメント

話は中盤に入り、ようやく本編主人公三人が絡み始めました。

三人の絡みを中心に、秘書課面々それぞれの個性をスパイス的に織り込めればと思います。


プレイジングワールドより佐伯、新キャラ登場です。



NEXT