デートの途中、たまたま通ったショーウインドーの
大きな画面のテレビに映し出された映像。
思わず見とれてしまったのは、都会育ちの私にとって
それはとても魅惑的な映像だったから・・・・
〜蛍を見に行きませんか?〜
「ねぇ、あかね。昨日のニュース見た?」
教室へ入った私に一番最初に声をかけた親友は
挨拶もそこそこにそう聞いた。
「ニュース?う〜ん、街頭の大きなテレビで
ちょっとだけ見たような・・・。」
「ひょっとしてまた彼とデート?」
「そう。」
「本当に仲がいいよね。うらやましぃ。」
「そんなことないよ。
ねぇ、なにか気になるニュースでもあったの?」
「あ、そうそう。あのね、京都でも蛍見れるらしいよ。」
「あ!そのニュースなら見た!びっくりしたよ。
蛍なんてさ、絶対街中にはいないと思ってたんだけど、
いるんだってね。その映像だけは見たよ。」
「結構近くにいるよねぇ・・哲学の道に下鴨神社。
鴨川公園、清滝。この辺だったら日帰りできるよねぇ。」
「よく場所覚えられたねぇ。」
「後から調べたに決まってるじゃん。
あんなニュースで言ったくらいじゃ覚えられないって。」
「そうだよねぇ。」
私が『京』から戻ってまだ2ヶ月ほど・・。
あの不思議な体験をしてから、まだそんなに経っていない。
『京』なら蛍くらいは珍しくないかもしれない。
あの時代なら・・まだ蛍は沢山いただろう。
でも今私の住んでいる京都府・・それも
私たちの生活の基盤となっているところは、
京都の中枢部。思いっきり都会だ。
蛍なんていないって思っていたのに
『・・京都でも充分蛍を楽しむことはできます。』
そういって街頭で流れた場所を見て
びっくりした。本当にバス1本で行けちゃうような
そんな近場の映像だった。
蛍はとても好き。
本物はまだちゃんと見たことない。
暗い中にぽわっと光る小さな小さな光。
一度見たいって思ってたけど・・・
さすがに現代では無理だなぁ・・なんて
思っていたんだよね。
だから・・・・
「これだけ近いなら、一度くらいは見に行きたいね。」
「でもさぁ、平日は学校あるし、やっぱり夜でしょ?
親がうるさいだろうなぁ・・・・・。
あかねのうちは何も言われない?」
「う〜ん。彼と一緒なら少しくらい遅くても大丈夫かも。」
「だよね。やっぱり女の子同士とかだと、
夜は危ないなんて言われちゃってだめなんだよね。
いいなぁ。あかねの彼は両親公認だもんねぇ。」
親友との話は尽きなかったが、
まもなく始業のベルが鳴り・・やむなく席に着いた。
その日の放課後。今日は部活もないので早く帰って
のんびりしようと帰る支度をしていたら・・
急に携帯が鳴り出した。
「あ、メール。」
それは聞きなれた彼からのメールの合図だった。
彼からのメールの着信音は?
☆着信音は『トゥルース』☆
☆着信音は『メールだよ♪』という着ボイス☆
☆着信音は、オルゴール音の『さんぽ』☆
〜曲がイマイチわからない!という方へ〜
選択肢のヒント!反転してご覧あれ(^^)
☆トゥルース・・F1グランプリのテーマソング
☆着ボイス・・かわいらしい声を想像してください!
☆さんぽ・・となりのトトロのテーマ曲の一つです。