三段咲きの花粉吹き



1.ここでは、親株に花を着けたままで花粉を吹かせる方法を紹介します。最初に道具を用意します。ピンセット、ハサミ、歯石取り、拡大鏡等を用意します。花粉は温度が低いと吹きにくいものです。昼前後の20度から25度以上の部屋で行いたいものですが、余り温度が高くても花以前に株そのものを傷めてしまうので注意が必要です。







2.ハサミを使って邪魔な三段弁を切り取り、オシベが良く見えるようになるまで花を整理します。







3.このように葯を切りやすいようにオシベが良く見えるまで整理します。この時、なるべく花を傷めないように注意します。







4.左手でピンセットを使ってオシベをおさえながら、右手で歯石取りを使ってオシベの筋に切れ込みを入れていきます。




5.葯を切る場合は歯石取りに限らず、マチ針やメスなど使い易いものなら何でもかまいません。ただし、余り切れすぎるとオシベそのものを切断してしまうので、力の加減が難しくなります。





6.オシベに切れ込みを入れ終えた状態です。このあと30分から1時間で花粉が吹き始めます。ただし、その後も花粉の吹かないものは花粉が入っていないか失敗です。その他、花茎を切って蒸らす方法やオシベを抜いて切断する方法もあるようですが当園では余り経験がありません。



三段咲きの花粉吹かしは、それなりの栽培ハウス等がある場合では比較的簡単な作業ですが、屋外の栽培棚や小さなハウスで休日のみの作業でははなかなか思うようには進みません。何でもやろうとせずに花粉を吹かしたい花の品種を1・2点に絞って行ったほうが効率がよいでしょう。ある程度信頼できる業者さんや知人からF1やそれらのクロスを分けてもらうほうが得策かも知れませんよ。(でも、♀の花はどうしよう?)



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