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『エンデュアランス号漂流』 アルフレッド・ランシング、著 |
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1996年に急逝した写真家・星野道夫氏の座右の書で、彼がアラスカでのオーロラ撮影のため一ヶ月の単独キャンプをしていた時に読まれていた、といった帯に惹かれたのが読み始めたきっかけでした。 前置きが長くなりました。本書は英国人の探検家・シャクルトンが南極大陸横断に挑戦し、志半ばで遭難、そこから脱出し奇跡の生還を果たすまでのノンフィクションです。 シャクルトンの目的であった、南極大陸横断はそのスタートにつくことさえ出来ず失敗に終わったわけです。しかし、探検を描いた物語の素晴らしさは、探検そのものの成否とは無関係であるように思えます。書き手の力量で本の面白さが左右されるのは仕方ないことですが、本の登場人物たちがどのような困難に直面し、それにどのように立ち向かっていったのかによって、物語の面白さは決まって行くのかも知れません。そうしたことに、彼らの人間性が如実に表現されていくのではないでしょうか。 |