2003年10月26日 玉原ブナの森と湿原

秋の紅葉を捜し求めて、群馬県の玉原に行って来ました。
玉原にはよく行っているのですが、紅葉の時期に行くのは初めてです。
ブナの森と湿原がどのような表情を見せてくれるのか、
楽しみです。

 

関越道を沼田で下り、車を走らせます。
途中の山麓は紅葉の真っ盛りでした。

でも、玉原のダム湖に着くと、
葉がすっかり落ちた木々が目立ち始めました。うううん。ちょっと時期が遅かったか。

やや心配しながら歩き出しました。
全体としては落葉した木が多かったですが、
中には綺麗に紅葉したものも残っていました。

ブナの黄葉。
黄色だけではなく茶色の葉も混じっています。
白い幹が葉の色を引き立ているんですね。
 

 

森の雰囲気としては、このような感じでしょうか。
すっかり落葉した木々の間から
光が差し込んでいます。

ブナの白い幹が強調されて
晩秋の白い森を楽しむことができました。

 

鹿俣山との分岐点近くにある、ブナ地蔵です。 伐採されたブナの株なのか、よく分かりませんが、お地蔵様のように見えなくもないです。
このあたりはブナ平と言うらしく、コースの最奥部にあたります。
ブナの森が一番美しい所ですね。

中には熊の爪跡が生々しい幹もありました。

今日は、三角点経由で玉原越へは行かず、
直接玉原湿原へ下るルートを取りました。

谷筋を下りて行くと、小さな沢が現れました。

秋も終わりかけ、冬へと向う季節。

明るいけど、ちょっと寂しい森。

そんな中で、
消え入りそうな水の流れを傍らに
しみじみと歩いている。

至福のひと時。

赤、茶、黄と紅葉の三原色が
モザイクになっています。

落ち着いた森の中で
ここだけ華やいだ雰囲気が漂っていて、
足をとめました。

 

玉原湿原に下り立ちました。
風景が一変します。

秋の乾いた風が吹き抜けていくと
枯草の絨緞はまるで
さざ波のように揺れて

それはまた、動物の毛皮のようでもあり。


湿原周辺で見つけた
秋の宝石いろいろ。

 

今日の山行では、鹿俣山や尼が禿山などの
ピークを踏むことはありませんでしたが、
満足のいく半日を楽しめました。

いつも訪れている森の別な表情
初めて見る秋の顔
それだけで十分です。

 

時間が余ったので、
山麓にある迦葉山に立ち寄りました。

巨大な天狗のお面で有名な寺です。
山道をかなり奥に入った場所ですが、
参拝客がひっきりなしでした。
「天狗のお借り面」といって
お面を借りて、自分たちの家で祈願。
翌年にお返しをするそうです。

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