1999年8月14日 長蔵小屋から尾瀬小屋


深夜1時頃目がさめる。毛布一枚で充分暖かい。うつらうつらしていると4時になる。
もう出発準備している人がいる。外は雨。

6時15分、朝食。ご飯・味噌汁・海苔・卵焼き・サバフライ・大根のピリカラ漬物。
半袖では寒いくらい。暖かい味噌汁がありがたい。

8時00分、チェックアウト。弁当を作ってもらい、雨用の身支度を整えて小屋を出る。
雨は降り止まない。予定では燧岳へ向かうはずであったが、頂上への登路である
長英新道が雨で川の中を歩くようだとの情報があり、予定を変更して見晴らしへ向かう。

8時20分、長蔵小屋発。尾瀬沼の北岸を進む。浅湖湿原を始めとしていろいろな小湿原が現れ
オオシラビソなど黒木の森の中と交互に歩く。以前来た時にはなかった木道が出来ていて
歩きやすい。

沼尻の休憩所で休む。雨を避けるためか人が多い。驚いたことにストーブが焚かれている。
ホットコーヒーを注文した。暖かい飲み物が美味しい。前には燧が見えるはずだが、真っ白いガスの中で
何も見えない。
沼尻の蕎麦屋前を通過して、森の中の道へ。ブナやダケカンバが目立ってきた。所々急な所もある
登り。反対側から来る団体客を何組もやり過ごしたので、時間がかかる。

白砂乗越からは下り。道が沢と化して雨水が流れ落ちている。ビジターセンターの情報にあった通り
オオシラビソの木が途中でポッキリ折れて登山道を塞いでいる。これを避けるように迂回していく。
大きなイヨドマリ沢を木橋で渡り、見晴らし新道と合流し、さらにゆるく下っていくと見晴らしに出る。

第二長蔵小屋前で弁当タイム。豚汁を注文した。この天気の中歩いてくると温かいものが欲しい。
休憩所にザックを預けて、尾瀬ヶ原へ散策に出る。竜宮十字路から東電小屋方面へ右折。
大きな池塘に浮島がいくつも浮かんでいる。しっとりとした雨の情景。
ヨッピ川をつり橋で渡るが、ものすごい水量で轟音が恐ろしいくらいだ。

東電小屋前の休憩所にて

東電小屋の休憩所で休む。熊情報を聞く。5月の熊事件以来、13回ほど目撃されているという。
山の鼻の方がよく出現しているとか・・・。大水量の只見川を渡って、見晴らしに戻る。

15時ころ、尾瀬小屋に入る。全員が全身ずぶぬれだ。濡れものを乾燥室で乾かす。
妻のザック内部が水浸しになっていた。休憩所に預けていた間に雨水が浸透したらしい。
そういえばザックカバーが少しだけ小さかった気がしたっけ。義父の着替えも水没!
私の登山靴もコバからの浸水があったようだ。
風呂に入れたのはラッキーであった。規則によればこの日は風呂日ではなかったようだが
こんな天気なので特別に用意してくれたらしい。本当に体が温まり、生き返った心地だ。

談話室でテレビを見ていたら、各地で水の事故のニュース。まだ記憶に新しいと思うが、
丁度この日が丹沢の玄倉川の中洲でキャンプをしていた人たちの水難事故の日であった。
丹沢の豪雨もすごかったようだが、尾瀬の雨もいよいよ強くなってきた。

夕食は焼き魚を特別にサービスしてくれた。この他、豚カツ・生野菜・煮物など。追加注文した
ワインが美味しい。雨で宿泊キャンセルが多かったようで、夕食は一度に全員が食堂に入れた。
食後、談話室でくつろぐ。「くまさん」と呼ばれている人と話をする。かつては谷川のクライマーで
あったが、体を壊したり、怪我で握力が弱くなったりしたので、休暇中は尾瀬にずっと来ているという。
電気工事ができるので、小屋の仕事を手伝っているそうだ。

この日は、それほど長い距離を歩いたわけではないが、疲労感はあり、早めに就寝。

 

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