カエムヘトの経歴
アメンホテプ三世の時代の上下エジプトの穀倉長官であり、王家の書記でもあった。
 墓の発見
1842年ジョージ・ロイドにより発見された。
 墓の内容
墓はローマ時代にその時代の人の墓として使われたため、煤による被害がひどい。元は彩色されていたが、現在は全く残っていない。レリーフのみ見ることができる。
入口から入ると最初の広間の左端(A)にカエムヘトと妻ティイの彫像が見られる。墓の中にこのような彫像が見られるのは珍しい。しかしこの像も煤がつき、黒光りするような状況だった。
 
さらに奥へ進むと、左側の壁に穀物の記録・管理をする姿が書かれている。奥の右側の壁には農作業をする様子が描かれている。
奥のおそらく埋葬室と思われる部屋にも彫像がある(B)
 
墓の中は大変暗く、私たちが行った時は番人もいなかったので鏡で光を当ててもらうこともできなかった。ここを見るなら懐中電灯が必要かと思う。

 
Aの部分に残るカエムヘト夫妻の彫像
煤の被害がひどい
Photo:Tore Kjeilen/LexicOrient
色彩は残っていないが美しいレリーフ
Photo: Tore Kjeilen/LexicOrient
 感想
暗い上に壁画の損傷が激しく、あまりいい印象はなかった。ただ、墓の中にある黒くすすけた彫像は神秘的な感じ。
壁画の美しさを見ると言うより、墓が後の時代に利用されていたことがはっきり分かるのが興味深いかも。クルナ村で唯一の休憩場所であるラモーゼショップのすぐそばなので、休憩ついでにちょっと寄ってみる程度で十分かもしれない。
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