ビアン映画でございました。ちょっとハードな。濡れ場なシーンもあったけど、泥沼な激情渦巻くな感じが根底にあって、どちらにしろR指定かけなくてよかったのかしら? ひとりえっちもありましたわよ?
泥沼激情があったかは観た人によって意見分かれそうですが、あたしは、あったように解釈いたしました。金髪姉ちゃん(役名なんて全部忘れました)の、どろどろした想いが伝わってきましたわ。
ストーリーがわからなくて、何度も繰り返し映画館を訪れる人が多い。てな話を聞きましたが、ほんとかしら? 確かに観る人によっていろんな解釈ができそうな映画だし、後半ぶっ壊れてた感じだけど。
謎の箱が開くシーンをターニングポイントとして、前半後半に分けてみる。後半が現実(に近い)世界なんだと思う。金髪姉ちゃんは黒髪姉ちゃんに恋破れて、かわいさ余ってなんとやら。殺してしまう。それでも、やっぱり愛しいのね。もう二度と会えなくても。オペラ歌手が歌った歌詞にあるように。
後半を見ると前半は金髪姉ちゃんにとって都合のいい世界であることに気が付く。黒髪の姉ちゃんは記憶を失って誰のものでもない。頼れるのは金髪姉ちゃんしかいない。女優でもないので、主演にもならないし、監督との接点もない。主演女優は謎の黒幕にすでに決められている。監督はひどい目に遭いつづける。
謎の組織とか謎の鍵とか謎の多額の現金とか謎の箱とか、そんなの一切謎のまま。
前半は金髪姉ちゃんの創造した世界だから。謎な設定は、黒髪の姉ちゃんを自分の世界に閉じ込めておくためのもの。愛しい女性を奪った監督に制裁を与えるためのもの。
黒髪姉ちゃんは部屋で腐乱している。金髪姉ちゃんは警察にめぼしをつけられている。監督はカウボーイに3度会った。いいえ、カウボーイに3度会い、コーヒーを吐き出し、壁の向こうに奴がいると脅えるのは金髪の彼女だった。
とても激しく悲しい、ビアン映画でございました。
…もう一回観たら泣けるかも…。いや、でも、お金払ってまでは…。