ドッジボール

「週番の先生の話」その3

球技クラブでドッジをしていた時の様子の話です。
小規模校ですので,3,4,5,6年生が一緒にクラブをします。
6年生の中には,やんちゃで,力が強く荒っぽい男の子もいます。
そういう子たちへのメッセージのつもりで話しました。

球技クラブでは,今ドッジをしています。
この前見ていると,内野で頑張っていた一人の4年生の女の子がとうとう当てられてしまいました。
その子は,すごく負けず嫌いで,また,涙もろいんです。
外野に出ていきながら,もう目のあたりがうるうるしているのが分かりました。
こんな時は,そっとしておいてほしいものなんです。
だれかに,
「しっかり取れ。」
なんて言われでもしたら,もう涙がどっとあふれてしまいそうでした。
外野に出ていくのを見ながら,先生は,誰もそんなことを言わなければいいけどなあ,と思っていました。
ところが,その時外野にいた○○君。(6年生の荒っぽい男の子)
何も言わなければいいけどなあ,と思っているうちに,つい一言,出てきたばかりの女の子に言ってしまったのです。
何と言ったか。
その時の言い方の真似をしてみます。
彼は,こう言ったんです。
(間をあけて)
・・・「大丈夫か?」・・・
(間をあけて)
・・・カァッ〜コイイネェ〜!!!・・・
女はこういう男に惚れます。
男もこういう男に惚れます。
もう,この一言で十分。
その女の子は,「うん。」と言ってしっかり立ち直り,元気にまた,ボールを追いかけることができました。
このように,ちょっとした一言がとっても大きな働きをすることがあるのです。

実は,先生もこの前,みんなの中のある人に一言言われて,とっても気持ち良かったことがあるのです。
その人の名前は・・・,
という話を今度します。
終わります。


これだけでも,この6年生の男の子は,その後行動に少し変化が見られました。
また,担任ではなかった私に対しても,「自分を認めてくれている人間」という接し方をしてくれ,大変スムーズに指示等も受け入れてくれました。
更に,こういう話を聞いていく中で学校全体も「優しさ」「挨拶」等を自分から意識していくのではないかと思っています。

また,時々この話の最後のように,次への話の伏線を敷くことを意図的に入れていきました。
6週間後,私が前に立った時,「聞かされる」のでなく,「聞きたい」と思ってくれたらとの作戦です。


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