子どもは「話を聞きたがっている」なんてとんでもない「話」で,また,「話をすれば喜ぶ」なんて,世にも恐ろしい偏見でしかありません。 特に,朝,体の調子がまだ半分寝ぼけているような時,「聞かされる」話など,ただただ,「早く終われ〜,早く終われ〜・・・」と呪文のように唱えているはずです。 子どもが一番喜ぶ話は, 「週番の先生の話。」 と,司会の子が言った後,一言 「ありません。」 というものです。 しかし,この学校では,その一言が大変言いにくい雰囲気があり,なかなかそう言う勇気がありませんでした。 そこで,次に喜ばれる「短い話」をすることになります。 と,いうことで,2つほど,そんな短い話をした時のことを紹介します。 |
(冬休みに入ろうとする前の週での話です。) おはようございます。 もうすぐ,冬休みですね。 (ここで,「はい。」と言う子がいたので,「わぁ,ありがとう。そうやって,返事をしてくれる人がいるとすごく話しやすくなります。」としっかりほめておきました。もし,返事が無かった場合は,「先生が何々ですねと言ったら,はい,と大きく返事をして下さい。」と言うつもりでした。) では,もう一度,言います。 もうすぐ,冬休みですね。 (大きな「はい。」という返事が返ってきたのを覚えています。以下,この繰り返しで一気に話を済ませるのです。) 冬休みには,クリスマスが,ありますね。(「はい。」) テレビも,いっぱい,おもしろい番組があります。(「はい。」) お年玉も,もらえる。(「はい。」) 宿題も,少ない!(「はい!」) ・・・かもしれない。(笑い) それを楽しみに,今週1週間,元気に,過ごしましょう。(「はい。」) おしまい。 |
子どもたちは,にこにこしながら教室に帰って行きました。 朝から,思わず大きな声で返事をしたことも原因の一つだと思われます。 全校朝会が終わって, 「今日の話,短くてよかったー。」 と言いながら,帰っていく子がいたと聞かされました。 年末の寒い冬の朝のことです。 冬休みを楽しみに,元気を出して,2学期末を過ごしてほしいと思っての話でした。 もう一つ,短い話を。 |