子どもが一番喜ぶ話

「週番の先生の話」その6

子どもは「話を聞きたがっている」なんてとんでもない「話」で,また,「話をすれば喜ぶ」なんて,世にも恐ろしい偏見でしかありません。
特に,朝,体の調子がまだ半分寝ぼけているような時,「聞かされる」話など,ただただ,「早く終われ〜,早く終われ〜・・・」と呪文のように唱えているはずです。
子どもが一番喜ぶ話は,
「週番の先生の話。」
と,司会の子が言った後,一言
「ありません。」
というものです。
しかし,この学校では,その一言が大変言いにくい雰囲気があり,なかなかそう言う勇気がありませんでした。
そこで,次に喜ばれる「短い話」をすることになります。
と,いうことで,2つほど,そんな短い話をした時のことを紹介します。

(冬休みに入ろうとする前の週での話です。)
おはようございます。
もうすぐ,冬休みですね。
(ここで,「はい。」と言う子がいたので,「わぁ,ありがとう。そうやって,返事をしてくれる人がいるとすごく話しやすくなります。」としっかりほめておきました。もし,返事が無かった場合は,「先生が何々ですねと言ったら,はい,と大きく返事をして下さい。」と言うつもりでした。)

では,もう一度,言います。
もうすぐ,冬休みですね。
(大きな「はい。」という返事が返ってきたのを覚えています。以下,この繰り返しで一気に話を済ませるのです。)
冬休みには,クリスマスが,ありますね。(「はい。」)
テレビも,いっぱい,おもしろい番組があります。(「はい。」)
お年玉も,もらえる。(「はい。」)
宿題も,少ない!(「はい!」)
・・・かもしれない。(笑い)
それを楽しみに,今週1週間,元気に,過ごしましょう。(「はい。」)
おしまい。

子どもたちは,にこにこしながら教室に帰って行きました。
朝から,思わず大きな声で返事をしたことも原因の一つだと思われます。
全校朝会が終わって,
「今日の話,短くてよかったー。」
と言いながら,帰っていく子がいたと聞かされました。
年末の寒い冬の朝のことです。
冬休みを楽しみに,元気を出して,2学期末を過ごしてほしいと思っての話でした。

もう一つ,短い話を。


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