「物」を使う

「週番の先生の話」その8

I  さんからこの欄についてのメールをいただきました。(I さんありがとうございました!)
自分は,この欄で私が「やめておこう」と思った「物を使って話をする」ということをやってきている・・・ということでした。
熱心な人は,聞く者のことを考えれば,必ず何か「物」を用意するものです。
話を聞く者にとって,「話」に「物」があるのとないのを比べれば,これはもう絶対的に「物」がある方がいいに決まっています。
I さん,安心して,これからも「物」を使ってあげて下さい。
私もこの学校にいる間に「物」を使って話したことが3回ありました。
「卵」と「人形」と「小黒板」です。

「卵」での話は,まず,朝の挨拶の後,ポケットから1個卵を出して,
「これは,今朝とれた卵です。」
と説明しました。
そして,その卵を持ち上げて,ここから落とすとどうなると思うか全員に聞きました。
割れると大体の子が言ったと思います。
「それでは,実際に今落としてみます。」
と言って,本当に上から落としました。
どの子もぐしゃっと割れて,中身が出てくる様子をイメージしていたようです。
しかし,実際は,ちょっとへこんだだけでした。
「これは,確かに『今朝とれた』卵ですが,それをゆでたゆで卵なんです。」
(ここで,笑いがとれます。)
と,前振りで,つかみをとっておいて,本論に入っていきました。
中身は,「落ちることと親の愛」についてでした。
詳しくはまたいつかご紹介したいと思います。

「人形」では,
多分,服を着たウサギの人形だったと思いますが,それを紙袋の中からごそごそと出すところから始めました。
そして,まずその人形を使って話していきます。
あらすじは,
ある日,ウサギのうさ子ちゃんが,朝目をさますと,体が痛くて熱がある。
しばらくするうちに,段々体がけいれんしてきて,背中が反ってきて・・・
(と,言いながら,人形の体を段々反らしていって,最後半分に折るようにしていくと,途中でバキッという大きな音がします。)
とうとう骨が折れて死んでしまいました。
というものです。

この後,
実はこのうさ子ちゃんは,前の日,遊んでいて怪我をしていたということ。
ちょっとした怪我でもそこから破傷風菌というものが入ることがあり,この伝染病にかかると,高熱が出て,けいれんをおこし,ひどいときは,数時間で死ぬこともあるということ。
筋肉のけいれんで,骨が折れることもあるということ。
等を話しました。
そして,怪我をした時,良く洗って,消毒するのは,それを防ぐためでもあるんだという話をしました。

人形の背中には,木切れを一本入れておいて,折れる音を出しました。




「小黒板」を使っての話は,こちらへ。

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