「読むこと」と「書くこと」

「週番の先生の話」その9


この日は,前もって小黒板を用意しておきました。
黒板には,矢印を2本だけ書いてあります。

      
                   


おはようございます。
今日は,「読むこと」と「書くこと」について話をします。
このように,横軸を「読むこと」とします。
右にいくほど,良く本を読むということです。
縦軸を「書くこと」とします。
上にいくほど,漢字練習を良くしたり,日記を長く書くということです。


        

このように線を引くと4つに区切られますね。
ここに入る人(ア)は,本は良く読むが,宿題で出されたような漢字練習や,日記を書くということをあまりしない人です。
ここに入る人(イ)は,書くことは丁寧にするが,本をあまり読まない人です。
ここ(ウ)は,書くこともするし,本も良く読む人。
ここ(エ)は,書くことはしない,本も読まないという人です。
さて,みなさんは,自分はどこに入るか分かりますか。
ここだと思う人?(と,それぞれの場所を指さして挙手させていきました。)
まず,ここ(ア)に入る人を先生は,「口先タイプ」と名付けています。
ここに入る人は,本はよく読んでいるので,いろんなことを知っています。
人が何かしていても,それはこうだ,これはこうだと口うるさく知ったかぶりはできるのですが,自分のするべきことは,いいかげんに済ませていて,人に迷惑をかけたりすることのある人です。
ここ(イ)に入る人は,逆に,本はあまり読まないが,宿題で出されたことは,丁寧に済ませる人です。
しかし,漢字練習にしても,丁寧に書いていても,テレビを見ながらやっていたり,ただきれいに写す作業としてするだけで,覚えようとしていなかったり,日記も長く書いていても,あったことをそのままただ長々と書くような人です。
こういうタイプを先生は,「操り人形タイプ」と呼んでいます。
ただ,言われることだけを何となくやっているような人です。
ここ(ウ)に入る人。
これはもう最高ですね。
書くこともよくするし,本もよく読む。
どちらも楽しんでできるような人です。
こういう人を先生は,「孫悟空タイプ」と呼んでいます。
ドラゴンボールに出てくる孫悟空は,厳しく,苦しい修行を自分から求め,それを楽しんでやっていますね。
こういう人が,自分のレベルを上げていく人です。
さて,ここ(エ)に入る人。
ここに入る人はね・・・
とーってもいい人なんです。
先生は,「いい人タイプ」と呼んでいます。
だって,ここに入る人は,とっても人付き合いがいいんです。
友達がいつ遊びに行っても,必ず一緒に遊んでくれます。
「今宿題してるから。」なんて絶対言わない。
一緒にいてとっても楽しい人なんです。
でも,書くことをあまりしないから,漢字を間違うし,字もきたない。
本も読まないから,ものを知らない。
大きくなって,何か仕事を始めようとしたときに,必要な知識がなかったり,資格をとることができなかったりして,後で悔しい思いをすることがあります。

「読むこと」と,「書くこと」,どちらも大切です。
できれば,孫悟空のように楽しんで修行できるようになりたいですね。
終わります。



        


「聞く態度」とは,本当はどんな話であろうと,「ちゃんと聞こうとする」精神的,肉体的な力であるはずですが,まずはできるだけ,聞こうと思える話をしていく中で,自然に「聞く態度」も育てていけたらという過保護な思いで拙い話をしていきます。
また,「聞く」だけではなく,「話す」ということも子どもに育てていかなければなりません。
これは,考えようによっては,「聞く」の何万倍も難しいことかもしれません。
力のある教師ならそれもできるのでしょうが,私にできることはせいぜい「終わりまでちゃんと話す」という程度の指導ぐらいです。
そういう意味での,「子どもが話す」についての「先生の話」の一場面を次に紹介します。



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