瞳の奥に
(第3集−6月−)


 6月は詩と共に川柳,短歌も作っています。

男子 A

つくしが出 小鳥さえずる 春の森

にぎやかで 都みたいな 夏の海

もみじの木 葉っぱがかれて すずしそう

冬の夜は 雪の国かな 銀世界

春の村 山も木も葉も 緑色 心の中も 緑の気分

秋の山 山も木も葉も 紅茶色 心の中も 紅茶の気分

にぎやかに 小鳥さえずる 春の日に 山を見ながら 歌うたうなり



   「び生物」

 そんなに小さい体で
 食べ物はあるのか
 口はあるのか
 すまいはあるのか
 川をちょろちょろしていると
 魚に食べられるぞ
 魚はおまえの敵だからな
 魚はころしのギャングだぞ
 気をつけろよ び生物 

 
男子 B

とけいみて バスにおくれる さあいそげ

カラスみて どなってみても にげないよ

歯ブラシで のどの奥まで みがいたよ

風船が カラスにわられ ないていた
 
階段を 急いでいたら ずっこけた

犬がいて お手をしたら かまれたよ

はえがいて たたきそこねて にげられた

雪とけて そろそろ春だ うれしいな

かれ葉落ち そろそろ冬だ 寒くなる

小太鼓を たたきすぎて 穴あいた

せん風機 夏の昼間 いそがしい

ありふんで あやまる気持ち 伝えたい


   「かたつむりの強さ」

 でっかい家をせなかにしょって
 どっこいしょ
 のろのろ歩くが力はすごい!
 かべ歩き
 葉っぱのうらがくれ
 とてもすごい
 かたつむりは
 えんの下の力持ち
 これからもがんばれよ  

男子 C
 
ほたるさん かわばたネオン きれいだな

夕焼けだ 明日の暑さが 見えるよう

お母さん 畑の仕事 がんばって

お父さん タバコすいすぎ ガンのもと

お兄さん 中間テスト できたかな

おふろ中 俳句考え 指をおる

牛さんは いつももうもう 鳴いている



   「うちの牛」

 うちの牛は,太っている
 はらの中に赤ちゃんがいるからだ
 それにしても,ふとっている
 赤ちゃんが2ひきいるようだ
 しかし,はらの中は,1ぴきだけ
 本当かなっと思ってしまう
 
男子 D

めしくえば おなかいっぱい いい気持ち

スケートで すべってころび ああいたい

えんぴつは いつもかきかき いそがしい

時計君 いつも働き つかれるぞ

するめ食べ 塩の味つけ よくきくよ



   「食べたい焼肉」

 焼肉が食べたい
 とくにももが食べたい
 ああ食べたい
 食べたいったら
 ああ食べたい  

 男子 E
 
ありんこは あまい物だけ取っていて 今にも虫歯 ああいたいよ

早起きの にわとりさんも ねむたそう ねむたげそうに コケコッコー

算数は 計算するの しんどいな でもがんばって やりましょうね

赤ちゃんは とても元気で かわいいな 早く大きく なって下さい

ファミコンは 楽しいけれど 目に悪い

いのきさん あごが出ていて じゃまになる

先生は 女にもてる ぼくみたい

6年は とてもにぎやか いいクラス

1年生 もう学校に なれたかな



   「すっぱいうめ」

 おじいちゃんの手のように
 とてもしわがあるうめ
 うめを食べると 口の中がしわだらけ
 おまけに顔までしわだらけ
 長い間つぼの中にとじこめられたので
 うめさんおこって顔真っ赤
 長い間つぼの中にとじこめられたので
 おじいちゃんになっちゃった

 女子 F

鏡には 私の顔が うつってる

思い出は いつになっても 忘れない

友だちは いい人ばかり 6年生

ありさんは 冬になっても 働くの



   「キャップのやくわり」

 えんぴつのしんを守るキャップ
 おれないように おれないようにとキャップ
 がんばってね キャップ君

男子 G

風がふく あらしがおこる 台風だ

夏の夜 墓のまわりに ゆうれいが

あつい日は あせが出る出る くるしいぞ

風がふき 雪がちらちら 冬の夜



   「北風と友だち」

 今日も北風がふく
 北から南へ,遊びに行く北風
 朝は,おはよ〜と遊びに行く
 夕方になると,さようならと北に帰って行く
 また,明日南へヒューヒューと遊びに行くのだろう

 女子 H

夕焼けが 消えかけた空 すみれ色

昼間でも ぐうぐうねている なまけねこ

楽しいと あっという間の 1時間

おにごっこ おういおにさん こっちだよ

夜になり ゆうれい出たら どうしよう

家の庭 ありのひっこし おおさわぎ



   「インコ」

 いつも人間にはわからない
 暗号のおしゃべり
 秘密のおしゃべり
 人間にもインコの言葉が分かればいいな
 そして帰ってきたら
 「オカエリ オソカッタナ マッテタゾ」
 なんて 話すんだ


 男子 I

日曜日 親といっしょに 魚つり

夕焼けに どなってみても かわりない

ともだちが 遊びに来たら ごちそうだ

コカコーラ 10本飲んで 歯がとけた

かくれんぼ おにの後ろに かくれてる

セミ鳴いて もう夏の日が 近づいた

うらめしや お化け出てきて アルバイト



   「ぼくの弟と妹」

 ぼくの弟は
 とてもはんこうてき
 妹は
 文句を言うが
 よく言うことをきく
 その二人がけんかをすると
 いつも弟が勝つ
 どうしてだろう
 学年が上なのに
 お人よしなんだろう
 ぼくにとって
 二人しかいない
 きょうだいなんだ


 男子 J

はちみつは とてもあまいし おいしいよ

犬がいて お手を出したら 出すのだよ

お兄さん テストがあると 喜んで

おめでとう みんな顔出し おかしいよ

赤とんぼ 夕日のように 真っかっか



   「はえの動き」

 はえがとまっている時に
 はえたたきでたたくと
 死んでしまうはえ
 たたいてもはねがくだけて
 歩きまわるはえもいる
 だからもう一度たたくと死ぬ
 大きいはえをたたくと
 死んでたまるものか まだ生きるんだ


女子 K

窓ガラス ぼやけた私 もう一人

だれにでも やればできる 力ある

アルバムに 小さなころを 思い出す
 
とっとけば 何か役立つ 日記です

追いかけて ねこはどこかへ にげていく

冬せまり 働くばかり 生き物は

砂の上 だれか日焼けて 真っ黒け

土の中 ありの住まいは いくつある
 


   「小さな空と雲」

 大きな空にうかぶ大きな雲
 小さな空にうかんだ小さな雲は何だろう
 それは
 小さな池にうつった
 空と雲


男子 L

さんぱつ屋 じょきっと身を切り まちがえた

とかげの子 小さいわりに すばやいな

電話中 聞こえるように じゃまをする



   「しんせつなおそう式」

 ありが虫の死んだのを見つけたら
 山のように土をつみ上げて
 その上に虫をおき
 ありがその近くでちょこちょこしてる
 死んだことを知らせようとしているのかな
 少したったら
 ありはさっと消え
 後からなかまがかけつける


女子 M

夕焼けは いつもお酒を 飲んでいる

千羽づる 願いかなう うれしいな

草むらに うさぎ3びき かわいいな

6年は いつもにぎやか 楽しいな

川の中 魚はみんな 気持ちいい

お母さん 家の仕事で いそがしい

青い空 雲がふんわり うかんでる



   「時計のはり」

 長いはり 短いはり
 長いはりは,のっぽさん
 短いはりは,おちびさん
 毎日毎日運動会
 運動会といってもリレーだけ
 毎日だからつかれる
 それでもがんばる
 のっぽさんはせが高いから
 いっつも一番
 それでもおちびさんがんばるぞ
 今度は負けない
 でもおちびさんは負ける


男子 N

弟は 足がおそいし 顔悪い

にわ池に 子どもら落ちて 冷たいな

漢字では 今日も取りたい 「そのちょうし」

雨やんで 遊んでみたら ずっこけた



   「ねぼうよなおれ」

 ねぼすけなぼく
 朝ごはんをいそいで食べ
 時には顔も洗わず行く
 朝ねぼう
 早くねぼうがなおらないか


男子 O

かさ君よ とっても寒いか ゆるしてね

けし君よ とっても消えるよ ありがとう

バナナ君 とてもあまくて おいしいぞ

テレビ君 楽しいマンガ ありがとう

パンツ君 いつもくさいか ゆるしてね



   「おばあちゃん」

 いつも,おばあちゃんは
 足がいたくても夜,昼,朝
 毎日ごはんをつくってくれている
 おばあちゃん
 足がいたいのにごはんをつくってくれて
 ありがとう
 
 おばあちゃん
 これからも
 おいしいごはんをつくってください


女子 P

美しき 春夏秋冬 語りくる

夕焼けの 丘に行ったら 赤とんぼ

空高く ひばりの子ども まい上がる

竹やぶの 竹のこのこの のっぽのこ



   「春夏秋冬」

  春 さわやかな春
 美しい春
  夏 にぎわう夏
 自然の声の夏
  秋 ロマンチックな秋
 かれ葉が落ちる秋
  冬 静かな冬
 とうみん中の冬
  そして,この季節が終わると
 新たな季節がくる
  新しい仲間もふえ
 また今年も にぎやかな
   春 夏 秋 冬
 になるよう いのり続ける


男子 Q

お母さん いつも親切 ありがとう

おじいちゃん 仕事をがんばって 下さいね

お父さん 歯がいたいなら 医者に行け

ねえちゃんは とてもやさしい 本当だ

おばあちゃん お金をくれて ありがとう

お父さん 注射がきらいなら だめですよ



   「おじいちゃん」

 おじいちゃんはとても朝早く起きて
 畑仕事をしたりとてもしんどそう
 でも仕事をするからおじいちゃんは大すきだ
 ぼくが見守ってやるぞ


男子 R

プロ野球 何が起こるか 分からない

かんとくは ベンチの中で かめの顔

アナウンサー 大げさすぎる ことを言う

ライオンズ 清原入って うれしそう

きぬがさは 鉄人だけの ことはある

ブーマさん 日本のピッチャー 殺すなよ

   「毛虫のミンクコート」

 フッサフッサ茶色のミンクコート
 毎日そのミンクコートを着ている
 じまんするな毛虫のやろう
 人間だって持ってるんだぞ
 何まいも何まいもあるんだぞ
 毛虫のやろうまいったか


男子 S

春の日の ぼんやりとした おぼろ月夜

みつばちが 菜の花畑で こいをした

夜の山 おおかみの家 つぶすなよ

秋の日の 実れやいなほ こがね色

お母さん 長生きしてね がんばって

かきの種 植えて8年 実を食べる

そよかぜに 乗って来られた 花の種



   「うらやましい鳥」

 うらやましい鳥
 自由に空を飛べる
 トイレは
 飛びながらする
 おそろしいやつだ
 うらやましい鳥


 
6月は川柳作りもあり,詩の方は一人平均1.9編,全部で36の詩が集まりました。これも全てにコメントを付けています。
 それぞれの題名のクリックでその詩が表示されます。


                   
「び生物」・・・出だしから一気に語りかけています。シブイ出だしで,味があります。

「かたつむりの強さ」・・・「でっかい」が「しょって」に,そして「どっこいしょ」とかかってきます。言葉のつながりが自然にできています。つまり,言葉のリズムです。はじめの7行は,流れるように言葉が組み立てられています。

「うちの牛」・・・「〜からだ」がスッキリ感をつくり出しています。そして,次の「それにしても」が,すばらしい働きをしているのです。他にも,「ようだ」「思ってしまう」など,言葉の使い方の見本のようです。

「食べたい焼肉」・・・これこそ自分らしさを表したそのままの文。

「すっぱいうめ」・・・イメージをここまで広げられる力を持っているのです。

「キャップのやくわり」・・・「おれないようにとキャップ」の「にと」がすばらしいのです。

「北風と友だち」・・・あるときに急に「風」の姿が目に見えるようになるのです。

「インコ」・・・この詩の中心になるところはどこだと思いますか。最後の「なんて」と「話すんだ」なのです。そこが感じられるかな。

「ぼくの弟と妹」・・・文につづるとき,自分の生活を見つめ直すことができます。

「はえの動き」・・・最初は,説明的にただたんたんと様子を書き表していて,最後に生き物への心を表しているのです。

「小さな空と雲」・・・なぞなぞ的詩です。

「しんせつなおそう式」・・・真ん中に気持ちをはさみ,両方から様子をうつすだけのサンドイッチ方式です。奥の深さが感じられます。

「時計のはり」・・・まず,こういう見方ができるようになるのが,第一歩です。

「ねぼうよなおれ」・・・「顔も洗わず行くあさねぼう」この表し方がすばらしいのです。

「おばあちゃん」・・・素直に書くことは,案外難しいことなんです。感謝できる心を詩の中に見つけられました。

「春夏秋冬」・・・「にぎやかな」と書ける生活の明るさが,元にあります。

「おじいちゃん」・・・「人」のことが考えられるのが,文の1つのいいところです。

「毛虫のミンクコート」・・・「フッサフッサ」が感じをよく表しています。こそあど言葉もよく使えています。

「うらやましい鳥」・・・「おそろしいやつ」にユーモアがふくまれていることに気がつきましたか。



 このクラスは5年生からの持ち上がりでした。5年生の時から毎日日記を書いてきたことで,少しは文を書くことに慣れていたように思います。


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