日記の返事


  「日記で (その3)  2月15日  71号
            −シャボン玉−

    例2
 
 「今日,シャボン玉をつくって遊びました。
  シャボン玉をとばすと,屋根までとびました。
  屋根までとんだら,こわれて消えました。
  風がふかなかったらいいのにと思いました。」


例えば,こういう日記があったとします。
これぐらいの内容の日記は,1年生でも書きます。
しかし,6年生になっても,これぐらいのレベルの日記を書く子もいます。
6年になっても,この程度の文を書いてしまう子というのは,ほとんど,読書をするという生活習慣の乏しかった子と言えるかもしれません。
しかし,もし,この子が1年から6年までずっと日記を書いてきていて,この程度だとしたら,その原因の1つとして,「文」そのものを意識して書くことを教師がさせてこなかったためだと言えるかもしれません。

前回の「交換日記」タイプを続けていると,こうなる恐れがあります。
しかし,このタイプだからこそ,子どもが教師に本音を出せたり,教師も学校ではなかなか一人ひとりと話せないことが,日記という紙の上で対話していけるという利点もあります。
ただ,このタイプでは,日記に表れた行動や考え,そして表記方法等に対する吟味,評価(価値づけ,意味づけ)が行われにくく,つい
「先生もよくシャボン玉をとばしました。
 こんど,みんなでシャボン玉大会をしてみようかな。」
的な返事になってしまうのです。
これでは,日記文は変わっていきません。
しかし,まだいい方です。
もっと楽なタイプは,もっとひどくなります。



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